妊娠について
IUDがどのような働きをするか知る上で、正常な妊娠の仕組みを知らなくてはいけません。女性には、子宮の両側に二つの卵巣があります。毎月、どちらかの卵巣が卵管に向かって卵子を放出します。これを排卵といいます。これは、次の生理が始まる12~14日前に起こります。
排卵の前後に性交渉を持つと女性は妊娠する事ができます。性交渉の時に男性は膣内に精液を放出します。精子は子宮頚部を泳いで上がっていき、卵管に到達します。
卵管の中で精子が卵子と出会う事ができると受精(精子と卵子の結合)します。受精卵は卵管をつたって子宮までたどり着きます。そして、子宮の中にもぐりこみ(着床)胎児へと成長を始めるのです。
IUDの働き
IUDは子宮と卵管の両方に作用します。受精や着床に干渉し妊娠を防ぐのです。
IUDには二種類あります。魚の骨のような形をしたプラスチック製の物と、プラスチックに銅線が巻いてあるものです。銅線が巻いてあるものの方は新しく許可されたもので、より、避妊率が高いといわれています。
通常、IUDは数年に一度の交換が必要です。人によっては、生理の量が増えたり、不正出血が起こったり、腹痛が起こったりします。また、定期的に検診をしておかないと、位置がずれる事があり、妊娠してしまう可能性があります。
利点
IUDは、他の避妊法に比べて以下のような利点があります。
l 扱いが簡単である。―性交の前に準備する必要もないし、ピルを毎日飲む必要もありません。
l 性交や日々の生活を妨げる事はありません。ジョギングやエアロビなどの激しい運動をしても大丈夫です。
l 一度挿入すれば、ご自分も相手も違和感はありません。
IUDの効果は?
IUDは効果の高い避妊法です。女性にとってすぐにやめる事のできる避妊法としては、もっとも安全な方法の一つです。もし、妊娠したいと思った時には、はずしてしまう事ができます。
IUDの避妊率は98%でといわれています。きちんとIUDが挿入されていれば一年のうちIUD使用者の100人に1〜2人しか妊娠しないという事です。これは、コンドームなどの避妊率に比べれば非常に効果的な避妊法だといえます。実際、ピルより少しだけ効果が低いといった程度です。(銅線付きIUDの場合)