去年の桜は、眺める暇もなく戦いの中、散っていた。 その一つまえは、愛でるという事をしらずに、 ただそこに、咲いていた。 ひとりは、 仏に救いを求めながらも、死を恋うていた。 ひとりは、 人ではないと諦めながらも、生を恋うていた。 そんな正反対な二人が共に戦い、己を見つめなおし。 いままた桜の下にて、花を眺める。 白く儚く光る花達が、吹く風にいさぎよく己を散らす。 この美しさを今愛でる。 花を愛で、散る風を愛で、空を愛でる。 連れとなるものがいるからこそ、互いに通じあい、花とも語りあえる。 その心が愛でるという気持ちを育てるのだと、知った。 明くる年、その先々の年へと想いを繋げ、心というものを少しづつ育てていけば、 いつかこの呪いが消える日が来るのだろうか。 ・・・・・ その日はきっと参りますよ。 そう微笑を浮べる相手がいればこそ、 心というものも、きっとそだっていくのだろう。 花を愛で、風を愛で、空を愛でる。 そうして、その花びらを髪に、肩に乗せる姿をも、 いま・・・、愛でる・・・・。 |
【杏桜】
の恭極杏子 様に、『雪』に続き『花』イラストのお話もいただいちゃいましたvv ゆっくりと、感情が芽生え始めている泰明殿でございます。 もし神子との恋がなかったら、きっとこんなふうに自然を愛でながら 心を育てていくんだろうなぁと思いました。微妙に泰明×永泉チックですがv 花を愛で、散る風を愛で、空を愛で、そして永泉様を愛で…… ああ、なんて萌えなお話でございましょうvv 呪いが消える日が来る、私もそう思います!そう願っておりまする!! 杏子様、2玄武に続き、萌えなお話をありがとうございましたvvv |