小間切れ五十匁/マイナス二七三度の恋/耐え難い圧力/エネルギー下さい/円は異なもの
遥か彼方に/数えられますか/放射能がいっぱい/ほんの小手調べ/ワン・リトル・インディアン
何を基準に/ビリッとくる/1の惑星
■ほんの小手調べ■
本の大きさの単位についての物語です。
と同時に、俳句を少したしなむお年寄りと『歳時記』の話なんてのも絡んでいます。
……困った……。こんな本の使い方したこと、ないです(苦笑)。
この本を棚においておけば、威光で持ち主がインテリに見えますよ……か……。
ただ、年配の方への本は「活字が大きいこと」だけではなくて「軽く、持ちやすいこと」も
同じぐらい重要なのだという指摘には、はっとしました。
ラストの3行。笑えます。おすすめです(笑)。
■何を基準に■
偏差値やモース硬度など、厳密な意味では「単位ではないもの」について描かれています。
たとえば、映画などの評価で
★・・・・・・・・・・損するぞ。
★★・・・・・・・・お暇なら。
★★★・・・・・・楽しめます。
★★★★・・・・一食抜いてもゼヒ。
とあった場合、この「★」が正しい単位ならば「★のついた映画4本=★★★★のついた映画1本」
でなければいけないとありまして……これを読むまでこんなこと、思ったことすらありませんでした。
清水さん、なんて賢い方なんだろう。って、感動したものです。
もうひとつ、これ。人間の感情っていう測定できないものを対象にしてるところもまた
厳密にできない原因なんですよね。「★★★★」と「★」の意味が逆転した感想を持つ人も
いないとは言い切れないわけだし。
数字で表されていれば信頼できるとは限らないのだなあ、と考えさせてくれたお話です。