<おわりに>

 演奏旅行を終えて振り返ってみると、「シリアの人々に一つでも多くの音を届けたい」という目標は達成でき
たと思います。我々の音楽を聞いてくださったお客様は合計四千人にも登ります。演奏会後も町なかですれちが
ったシリア人に「演奏会良かったよ」と声をかけられることがあり、演奏家としてはこれほど嬉しいことはあり
ません。
 しかしそれ以上に、演奏旅行を通じてシリアの方々と触れあい、心の通った交流をすることができたというの
が大きな成果でした。各地でポスターを貼っていると、通りがかりのシリアの方が必ずといっていいほど手伝っ
てくれるなど、シリア人の暖かさに感謝の連続でした。共に演奏したシリアの演奏家達との交流や演奏会後に握
手を求めるお客さんの笑顔、子供達の澄んだ瞳なども決して忘れる事ができません。「シリアに住む様々な民族
の方々との交流が実現した」と申し上げましたが、シリアの皆様と接している時には「相手が何人」という意識
はありませんでしたし、それはもはやどうでもいいことでした。同じ地球上に住む人間として尊敬しあい、共に
喜びの時間を分かちあえるだけで充分でした。

 結果的には与えるものより、与えられるものが多かったこの2週間、大使館や関係者の方々をはじめ、お客様
や共演、協力してくれたシリアの方々、協力隊員の皆様に、感謝しても感謝しきれません。


 私たちはこのような活動をこれからも続けていきたいと考えております。今まで以上に努力、精進して参りた
く思っておりますので、今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
             
















      アレッポの演奏会にて



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