7.リアスカート装着 (1/3ページ)

 エアロパーツは、思いつきでフロントだけとか、ルーフだけとか着けても、それはそれでカッコイイのですが、個々のパーツが格好良くても全体のまとまりが薄れてしまうことも良くあります。私は、さりげないカッコ良さを求めているので、そのためには全体の統一感を重視する必要がありました。一方、統一感という意味では、どこかのブランドのエアロで一式全部揃えてしまうのが間違いないのですが、これは見る人が見ると「あぁ、××ブランドね」という印象になってしまい、個性の主張が薄くてやや安易な感もあります。

 また、変わり映えの点では顔をイジるのがいちばん効果的ですが、それではゴルフらしさとかオリジナルの良さを減じてしまうことにもなります。そんなわけで、「ノーマルライクでさりげなく、全体の統一感(まとまり)があって、なおかつ個性的なメイク」というと、なかなか難しい注文だと言えます。私は、実用性(アプローチアングル)の確保という意味も含めて、ノーマルのフロントマスクを尊重し、それをベースにエアロメイクを考えることにしました。

 方向性としては、ノーマルのボディラインの不自然なところ、格好悪いところを補って、本来のカッコ良さを引き出すことが理想です。まず、私が気になったノーマルの不自然なところは、横から見てボディのボトムラインがスムーズにつながっていないことです。上の写真は真横からのショットですが、水色で示したフロントリップ下端のラインと、桃色で示したロッカーパネル(サイドシル)下端のラインがつながっておらず、桃色のラインの方が数cmほど段差がついて上がっています。これは、見る角度によっては、かなり繋がりが悪く見える場合があり、例えば下の写真では、水色のラインと桃色のラインには大きな段差感があります。

 同時にロッカーパネル下端の桃色のラインは、地面からの距離が遠すぎて、車高が高い印象を与えています。このロードクリアランスの大きさはボディサイドの厚み(上下幅)も薄く感じさせ、固まり感を希薄にして、薄っぺらな印象を与えます。最近のメメルセデスやBMWは、この辺りに気を使ったデザインを行っており、ノーマルでもサイドスポイラーを着けたようなデザインがなされています。その結果、前から後ろまでのボディ下端のラインは実に滑らかにつながっており、ボディ側面も固まり感があって分厚さを感じさせるものになっています。ゴルフ4はそれらに比較すると、やや古さを感じさせるデザインテクニックだと言えます。

 さらに、上の写真の黄色ラインで示したリアリップ下端は、サイド下端の桃色ラインからもう一段上がってしまっており、お尻回りの落ち着きを希薄にしています。とくに、銀、青、赤などのボディカラーでは、この印象が強く感じられ、腰高に見えます。これらのボディカラーの場合、ノーマルのリアリップに塗装を施すと、このリアの腰高感は大分薄れるのですが、サイドからの繋がりの悪さは残ってしまい、相対的にはお尻が貧相な印象になりがちです。

 こうした点を改善して、最近のメルセデスやBMWに見られるような分厚く一体感のあるデザインを目指すには、写真のようにロッカーパネル下端の桃色ラインをフロントにつながるように下げ、それに合わせてリアリップ下端の黄色ラインを少し下げてなおかつ前傾させるのが良さそうだ、という考えに至りました。この考え方に沿ってパーツを選定する場合、ノーマルのフロントからサイド、リアへの連続感が最も重要で、サイドもリアも張り出し感のあるデザインのものは使えず、ボディ下側に向かって滑らかに丸く回り込んだデザインのものを選定することになります。なおかつ、その丸みの加減も重要で、ノーマルリップからの繋がりを考えると大きめのR(丸みの半径)で回り込んでいる必要があります。

 その選定基準を満たす具体的なブランド名を上げていくと、サイドスポイラーは選択肢が非常に少なく、純正オプションのボーラ用か、RBGくらいしかありません。前者は横一直線に微妙なキャラクターラインが入っており、また若干横方向にも張り出しています。RBGのサイドスポイラーは、数あるゴルフ4用エアロの中でも最もスッキリしたデザインで、よく言えば一体感があり悪く言えば変わり映えが希薄、今回の目的にはピッタリです。また、下端のラインが直線ではなくて微妙に弓なりになっており、それがさりげない色気を醸し出しているあたりが気に入り、サイドはこれに決定しました。

 リアについてはもう少し選択肢が多く、JE、RBG、純正4モーション用、ホーフェレ、といった辺りでしょうか。JEは横基調のキャラクタラインが特徴で、張り出しが少ない割にはワイド感があり、なかなか優れたデザインです。ただ、ホイールアーチ部にまで達するキャラクタラインが、サイドのRBGスポイラーにつながっていかないことと、全体に直線的な感じが、フロントやサイドのイメージとマッチしない思い、却下しました。RBGは、ノーマルライクでかつローワード感が出せますが、真後ろから見てセンター部分が切り上がっているように見えるのが好みに合わず、却下。純正4モーション用は全体にカッチリしていて、デザインが真面目すぎ、フロントやサイドとの統一感の点で却下しました。

 ホーフェレは、当初スリット状のデザインがチャイルディッシュに感じられて気に入らず、眼中になかったのですが、雑誌の写真などを何度も見ているうちにだんだんと好きになってしまいました。あまり着けている人がいないというのも、ひとつの魅力です。ノーマルに比較すると横から後ろにかけてのお尻の頬の部分の肉付きがよくて、色気を感じさせます。また、スリットのデザインに個性があるのですが、車全体として見たときに、フロントからリアにかけて、だんだんと表情を個性的にしていく流れができて、なおかつ全体的には柔らかな癒し系で統一感が出せると思って、これに決めました。

 今回選定したような横への張り出しがないデザインは、タイヤとホイールがワイドに見えるというメリットもあります。張り出しの強いエアロと組み合わせてしまうと、せっかくインチアップしたタイヤがちっとも太く見えず、全体のバランスとしては足下が貧弱な感じになりがちです。張り出しの強いエアロに見劣りしないためには、ゴルフ4ではホイールは8J以上、ETは35以下にして、リアのスペーサも10mmくらいは入れたい感じになるはずです。私は乗り味を重視して7.5J17ET38+225/45を履いていますが、このくらいの足の場合、エアロの張り出しは抑え気味にした方がマッチングが良いはずです。

    

 のっけから、つい能書きが長くなってしまい、すみません。要は、着けた本人がカッコイイって思えることが最重要ですね。っで、まずはホーフェレのリアスカートをヤフオクでゲットしました。ノーマルのリアリップは、下側からネジが2本とまっていますが、それを外せばあとは5項のフロントリップと同じ要領で外せます。ホーフェレのスカートを仮装着してみたのが上の写真です。エアロパーツは、買ったままではフィットしない場合も多いので、塗装の前に必ず仮装着をして、フィッティングを確認する必要があります。ホーフェレのリアスカートは、フィッティングが非常に良く、どこも削ったり足したりすることなく、ほとんどスキマなくピッタリとハマりました。

 ブルーアンスラサイトはここでもちょっと悲しく、未塗装のグレーゲル仕上げのスカートをポンとあてがっただけで、たいして違和感なく収まってしまいました。これから一生懸命に色を塗ろうという気持が、ちょっと萎えてしまいそうです。それはそうと、予想はしていたのですが、COXのマフラーとは案の定接触してしまいました。強くぶつかっているわけではなく、ほんの触っている程度なのですが、マフラーは高温になるので、このまま使うという選択肢はありません。マフラーの位置を下げるか、リップをカットアウトするか、二者択一です。 

    

 マフラーを下げるのは固定ブラケットのスペーサを増やすだけなので、手間が掛からないで済むのですが、エンドパイプの地上高が減少してデパーチャーアングルも減り、マフラーを擦る可能性が増加します。現状でもギリギリの感じなので(1回擦ってる)、考えた末リアスカート側をカットすることにしました。左写真のように仮合わせした状態で真後ろから見ながら、マジックでカットするラインを書いていき、そのラインに沿ってドリルやノコギリで切り取っていきます。

    

 不要部分を切り落としたら、ヤスリで仕上げて、また現車に合わせてみながら微妙なラインをヤスリで仕上げていきます。ここの辺りの逃げは、5mmとか10mmで済ませようとしてしまいがちですが、マフラーはエンドパイプ部分でもかなり発熱することと、走行中に上下に揺れるので、30mmくらいのクリアランスを確保しています。切った断面はそのままでも良いのですが、いかにも切りました的な外観になると安っぽいので、切った部分を塞ぐ処理をすることにしました。

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