色吹きが済んだら、8割くらい乾燥したところでクリアを吹くのが良いようです。色吹きの塗り厚や気温にもよるでしょうが、乾燥の時間で言えば3〜5時間くらいでしょうか。私の場合は夜になってしまったので、一晩乾燥させてから翌日にクリアを吹きました。色吹きがだいたい乾いた時点で、表面の状態を確認しますが、悲しいかな素人塗装ならではのゴミの取り込みが結構あります。経験的に言って、小さな埃、繊維、塗膜の下に入ってしまったゴミなどは無視した方が良く、気にしてちょっかいを出すと大抵の場合状況を悪くします。表面に浮いている大きなゴミとか、虫などは、さすがに気になるので慎重に除去します。但し、この作業は塗膜が乾いてから、クリアを塗る直前の作業です(取り込んだゴミがどんなに気になっても、塗りたてにちょっかいを出してはいけません)。
クリアは二液式なので、右写真のように下側の栓を押して、逆さにして15分くらい置いてから、良く振って使います(説明書どおり)。クリアを吹いているところの写真はありませんが、この塗料は普通の一液式のアクリル系スプレーに比べて、倍くらい(もしくはそれ以上)に厚塗りができます。吹いた時点ですでに塗料の粘性が高いので「ダレるかな?」と思うくらいに厚く吹いても、けっこう大丈夫です。また、表面の乾燥もあまり早くないようで、重ね塗りしても馴染みやすく、色吹きのときよりもだいぶ塗りやすかったです。クリアを粉っぽく吹いてはクリアの意味をなしませんので、とにかく塗面が均一に濡れるまで、色吹きのとき以上に「しゅぅわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」てな感じで、吹きまくりました。
クリアは、厚塗りで2回塗り重ねて完了です。3回、4回と重ね塗りをしてクリア層を厚くしすぎても、かえって不自然な艶の感じになってしまいます。また、二液性の塗料は時間が経つと缶の中でも硬化してしまうため、使い残しても保存が利きません。2度吹きで、丁度ピッタリ使い切るということはありませんので、スプレー缶の中に多少とも塗料が残るわけですが、これが勿体ないからと言って、さらに重ねて吹いてはいけません。2度目が厚くなりすぎたり、中途半端な2.5回塗りになってしまうと、表面が荒れて厄介なことになるからです。ここは勿体なくても捨てる勇気が必要です。これも稲城の丘さんからの貴重なアドバイスによるものです(感謝)。
っで、上の写真は、クリアを吹いて1週間乾燥硬化させた写真です。さすがは2液性ウレタンで、塗膜の表面はかなり滑らか、チョット見はこのまま仕上げなしでも良いかなとと思っちゃうくらいです。クリア吹きの時にも、塵や埃をかなり取り込んでしまっていますが、モノが大きいだけに意外に気になりません。でもよくよく見ると...
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左上の写真1は、塗りっぱなしの状態で蛍光灯を反射させて見たところです。遠目にはツルピカに見えても、写り込みを見ると肌が荒れています。素人塗装では(少なくとも私の技術では)このくらいの仕上がりが限度で、やはり仕上げ磨きをしないといかにも素人的な出来映えに見えてしまいます。で、気合いを入れ直して、塗面を磨いていきます。写真2は磨いているところで、研磨ブロックなどは使わずに、#1500の耐水ペーパーを手指で軽く当てて水研ぎしていきます。写真3はチョット磨いたところ、4はもう少し磨いたところです。
で、このように表面の状況を見ながら、写真5のように元の塗面全体が研磨されるまで磨きます。それから極細目のコンパウンドで磨いていきますが、これも手磨きです。私は武蔵ホルツの極細目が好きで使っています。SOFT99のものも使えますが、武蔵ホルツの方が微妙に粒子が粗いので、研磨効率は武蔵ホルツの方が良く、ソフト99だと2割り増しくらい大変になります。その分、SOFT99の方が仕上がりは綺麗なのですが、そのあとで超微粒子コンパウンドをかければ、どっちでも同じことになります。
この磨き作業はかなりの手間ですが、ここで大変だからといって細目のコンパウンドを持ち出すと、後悔することになります。とくにSOFT99の細目は粒子が不揃いで粗く、#1500よりも粗い、深いキズが入ってしまい、消すのに苦労します。なので、ひたすら根気強く、極細目で磨いていくしかありません。もう一つ注意すべきは、耐水研磨紙も、コンパウンドも、まずは稜線になっている部分を残して、平面部を先に磨き、最後に稜線だけを磨くようにします。吹き付け塗装の場合、電着塗装と違って稜線部分はもともと薄目に着き回っているせいもあり、面と稜線をいっぺんに磨こうとすると、稜線ばかりが思っている以上に先に削れて、クリア層がなくなってしまったりするので要注意です。
写真1〜8は撮影のために一部だけを磨いていますが、実際には左写真のようにまず全体を#1500で水研ぎしてしまい、それからコンパウンドをかけました。ブルーアンスラサイトの場合は、水研ぎが済むとまるで何も塗装していない初めの状態と見まごうばかりで、ちょっと悲しくなりましたが、ここでめげるわけにはいきません。エアインテークの内側などは、表面が粉っぽくなっていたので、割り箸に耐水ペーパーを貼り付けたもので、磨きました。その後、極細目のコンパウンドをかけて、最後に鏡面仕上げ用の超微粒子コンパウンドで仕上げました。右写真のシャープな写り込みが、その成果です。
あとは、車両に取り付けて完成です。取り付けは取り外しよりもずっと簡単で、パチパチッとはめて、インナーフェンダー側の外したネジを止めるだけです。写真は、取り付け完了した状態。晴れた日に、肉眼で、しかも少し離れた位置から見ると、結構変わり映えがするのですが、曇天とか、近くから見ると、塗装してあることがほとんど判別できません。仕上がり自体は自分なりに満足なのですが、未塗装と区別がつきにくいのはブルーアンスラサイトという色のせいで、如何ともしようがないですね(チョットかなぴー)。車体色が、青とか赤とか銀であれば、もっと変わり代わり映えがして、やりがいもあると思われます。
塗装の色合いについては、純正塗装よりもほんの僅かに赤っぽいのと、マイカ粒子がやや細かくて、キラキラ感に微妙な差があるのですが、まあ、この程度の色ズレは十分に許容範囲だと思います。写真のように、光りの加減によっては、バンパーとバンパーモールでも元々こんなに色がズレており、それに比べたら合っている方だと思います。苦労しましたが、丸顔が強調された癒し系の表情に、まずは満足です。
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