2.高効率バルブ、シルバービジョン (1/4ページ)

 ヘッドライトは、本当はHIDを入れたいところですが、予算の都合もあってちょっと手が出ない状況です。GOLF4にHIDを入れる場合、運が悪いと(個体差で)シェードとバーナーが干渉するようですし、またポン付けではグレア(散乱光)が出て対策が必要といった面倒もあるようです。車を買う前までは、「ゴルフを買ったら真っ先にHIDにしよう」と決意していたのですが、現状はとりあえずハロゲン球で済ませています。実は、HID化についてはBBSなどで相談させていただき、「HID化したけれど見にくく感じてハロゲンに戻した」という方からも、詳しい情報をもらいました。っで、私がハロゲンバルブで満足するに至った理解を簡単に語っておきます。

 もともと、ゴルフのロービームはハロゲン球の割には明るい方だと思いますが、それが見やすいかというと必ずしもそうではありません。とくに、街灯のない田舎道とか暗い裏路地などで、私は見にくさを感じました。よくよく観察してみるとゴルフのロービームは照射範囲が狭く、一般的な国産車よりもややスポット的な配光になっているのではないか?というのが私の印象です(←あるいは最近の車は共通してそのような傾向かもしれませんが)。その結果、照射範囲内と範囲外の明るさのコントラストが強くなり、照らされているところに目の絞りを合わせるとそれ以外がブラックアウトし、照らされていないところに目の絞りを合わせると照射範囲内がホワイトアウトしてしまう感じになり、見にくさにつながっているようです。もっとも、この辺は、目の明暗順応(←教習所で習ったやつ)に関係しますので、感じ方にはかなりの個人差があるはずです。

 HIDは光量がハロゲンバルブの3倍くらいにアップしますが、純正装着されているHIDヘッドランプでは、アップした光量のかなりの部分を、照射範囲の拡大に充てているようです。例えば、光量が3倍なら照射範囲を2倍に拡大して照度を1.5倍にしたような感じです(数字はイメージですが)。一方のゴルフは、ただでもスポット的な配光で見にくさを感じる状況。この配光のままHID化して、光量がアップした分だけモロに照度をアップさせたら、かえって見にくくなる可能性も十分にあるわけです。私のように明暗順応の遅い人は、やめておいた方が無難な感じもしています。ポン付けで、グレア(散乱光)がたくさん出て、カットラインも不明確になれば、照射範囲とそれ以外のコントラストが薄まるので、見やすくなることも考えられますが、これもちょっと上手くありません。

 もしかしたら、ゴルフの設計者は、「ヘッドライトは配光を狭くして照度を上げよう、手前や左右を照らしたいときはフォグを点ければいい」と割り切って機能分離したのかもしれません。国産車に装備されているフォグは、運転席からでは点いているかどうかほとんど分からず、外観デザイン的な要素が濃いものが多いですが、ゴルフのフォグは運転席からでもちゃんと分かります。「機能的に必要だから装備している、HIDで照射範囲が広がって不要になったら、装備しない」ということかなあ、とか考えてます。その意味でVWを最もVWらしく乗るには、設計者の意図通りにハロゲンのまま使って、間近が暗ければフォグを点けるというのが正道かなあ、と思って(自分に言い聞かせて)納得した次第です。でも本当はHIDを買うお金がないのを、むりやり理屈をつけて自分を納得させている感もあります。まあ、あとで経済的に余裕ができたら、HIDを試してみようと思っています。

    

 そんなわけで、定番ですがヘッドライトのバルブ(電球)を交換してみました。いわゆる高効率バルブというやつですが、高効率バルブ全般に言えることは、まず、明るさはほとんどアップしません。アップしたような気になるだけで、実際には色温度を上げたために、かえって暗くなっていることもしばしばです。色が白っぽくなって、明るさは元と同じなら御の字とというのが実体のようです。ファッション系のバルブ(どれとは言いませんが)の中には、フィラメントの位置や長さをわざと変えて、装着した際にわざわざグレアが出る(出す)ように設計されているものも多くあります。よく、車の正面に回って明るさを確認したりしますが、グレアが出ると車の前から(=対向車や歩行者から)見た際には明るくなったように感じます。バルブを交換して、車の前で明るさを確認する際に、しゃがんで光軸の中心当たりに目を持っていく人はまずいなくて、もし仮にそうやったとしても、明るさを判断するどころか、目が眩んで暫く何も見えなくなるだけです。

 照射範囲から外れた高さで見て明るさを判断することは、そもそも間違いなのですが、でもやはりバルブを交換すると、つい車の正面に回って「う〜ん、明るくなったなあ」などと言ってしまいます。これはグレアの量を見ているわけです。フィラメントが長めのバルブというのは、そうした心理を逆手に取っているわけで、真面目な商品とは言えません。また、「100W級の明るさ」とか「120W相当(当社比)」とか言っても、なにも基準がないわけで、ほとんど当てになりません。雑誌の記事などでも、車の前方にパイロンなどを立てて、「標準ではパイロンの手前までしか照らせないけど、××バルブではパイロンまで光が届く」とか書いてあったりしますが、とんでもない説明です。光が強くなったら、照射範囲内が明るくなるだけで、照射範囲の広さ(どこまで照らせるか)は変わらないのが正しい状態です。もし、照射範囲が広がっているなら、それはグレアが出てるってことで、ちっとも良いことではありません。

 っで、前置きが長くなってしまいましたが、私はBOSCHのリアルホワイトというのを購入しました。写真に値段がモロ写ってしまっていますが、他のよりも安かったのが決め手です。さんざん御託を並べた割には、結局は御都合主義ですいません。このバルブは、標準よりも若干白っぽいかなという程度で、極端に青白い光を出す製品ではありません。バルブ自体のガラスの色は、かすかに紫がかっている程度で、極端な着色はありません。そのぶん、光量の低下も少なくて済むはずです。実際に装着した感じも、まさにそんな感じ。色は標準バルブより白っぽく、車の前から見ても運転席から見ても白くなったのが感じられますが、HIDと見間違えるような色ではなく、ハロゲンバルブの色の範疇だと思います。明るさは、標準バルブとほぼ同等というのが私の感想です。

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