10.ETC (1/3ページ)

 とうとうETCを着けてしまいました。ちょっと嬉しいので、つい写真を大きめに載せてしまいました。ETCは、制度自体にも少し気に入らない面があるし、経済的にもまだまだお得とは言えないのですが、手持ちの5万円のハイカが終わりそうになり、家内が「そろそろうちもETCにすれば」と言うので、着けてみた次第です。私の場合、「ETCを利用するには、どういう手続きが必要なの?」というのがよく分からず、いろいろ調べる必要があったので、まずはその辺りから紹介します。

(このページの情報は、2002年11月現在のものです)

 まず、車載機の購入ですが、これは価格統制されていませんので、少しでも安いところで購入した方がお得です。私もとことん調べたわけではないですが、インターネット(オークション等)で、わりと安く売られています。ちなみに、私はヤフオクで購入しました。取り付けは自分でやるのが一番安く(あたりまえか)、お店に頼むと結構取られるようです。ディーラーや大手カー用品店で購入から取り付けまで一括してお願いするのと、車載機だけ安く買って自分で取り付けるのとでは、かなりの差額が出るように思います。

 次に、セットアップというのは、車載機に車検証情報を入力する作業のことです。日本の有料道路は、車種によって通行料金が異なります。ETCでは車種情報を車載機から収集し、料金決済情報をカードから収集するという組み合わせになっています。車載機をセットアップするのは、車載機の取り付け前でも取り付け後でも、どちらでも可能です。また、その時点でETCカードは必要ありません。セットアップに必要なものは、1.車載機管理番号と型式登録番号が分かるもの(本体または梱包箱に貼ってあるシール等)、2.車検証の二つです。車載機取り付け後にセットアップを行う場合は、車載機の裏のシールを見るために一旦外すハメになったりしますので、外箱のシールとか保証書とかを持っていく必要があります。

 このセットアップの手数料ですが、道路公団の外郭団体によって独禁法スレスレの価格統制が行われています。なので、どこでやっても手数料は一律3千円です(←団体に不当な利益が落ちているのが見え見え?)。上の写真は、その申込書です。インターネットで購入する場合などは、「セットアップ込み」とか「ご購入の方は1500円でセットアップを承ります」というのもありますが、これは実質的に本体価格をその分値引いていると同じになると思います。当然その分だけお得になります。

 購入後にセットアップだけをしたい場合は、カー用品店等でやってくれて、持ち込みOKで手数料も同じです。やり方には「オンラインセットアップ」とそうでないものと2種類があり、前者は団体から認定された指定業者に限られます(ここにも利権の臭いがプンプン?)。セットアップ作業は、専用ソフトをインストールしたパソコンに車検証情報を入力してセットアップカードというのをつくり、電源を入れた車載機にそのカードを挿すだけです。カードを挿すのはほんの5秒くらいの作業で、上の申込書記入も含めて全部で20分もあれば終わります。しかし、これがオンラインでない場合は、紙で申請書を送ってセットアップカードを要求するようで、お店には申し込みとセットアップの2度行く必要があり、その間数日待たされます。やはり、オンライン店(AB、黄帽など)を選ぶのが良いでしょう。

 もう一つ必須なのがETCカードですが、これがまた、くせ者です。まず、ETCカードには年会費というのがあるのですが、これも価格統制されていて、どの信販会社を選んでも年間500円です。これは有料道路を全く利用しなくてもかかる費用です。この価格統制もちょっと鼻につきますが、まあ500円だし、ここまでならギリギリ我慢できます。ところがこのETCカード、純粋にそれだけを入手することは基本的にできないのです。ETCカードは信販(クレジット)会社から発行されるのですが、信販会社のクレジットカードの付帯物(オプション)という位置づけなので、まず基となるクレジットカードを作らないとETCカードを発行してもらえません(ここにも妙な利権のにおいがするのですが...)。

 で、ひどいと思うのは、ETCカードを付帯させる基になる、クレジットカード本体にも年会費がかかることです。カー用品店には信販会社のパンフレットがたくさん置いてあり、話を聞くと「この中からお好きな信販会社を選んで下さい。どれでも同じようなものです」といった感じの説明です。JCB、DC、三井住友VISAと、どれを見てもだいたい年間1,500円で、違いといえば初年度割引きくらいです。これじゃあ、ETCの年会費と合わせて年間2,000円になってしまい、これはちょっと我慢できません。何とかならないものかと、もらったパンフレットを隅から隅までよく見ると、中に少し安いのもあったりして、私が調べた中では、NICOSの国内専用カードというのが年会費500円で、これならETCカードと合わせて1,000円です。

 しかし、それでもどうも納得がいかず、インターネットで更に調べてみると、カー用品店のパンフレット以外にもETCカードを付帯できるカードが色々あると分かってきました。ガソリンスタンドのカードとか、銀行のカードとかでも、クレジット機能付きカードにETCオプションがあるものがあります。私が手持ちのカードを調べた中では、横浜銀行のバンクカードにETCが付けられることが分かり、これに決めました。これなら、バンクカードは元から持っていたので、ETCにかかる費用は年間500円だけと考えることができます。

 というわけで、ETCのためにわざわざクレジットカードを作って年会費を払うのは馬鹿馬鹿しいので、まずは手持ちのカードを全部調べて、どうしても何もなければ、NICOSの国内専用のように、少しでも年会費の安いカードを選ぶのが正解と思います。「どれでも同じ」という説明を鵜呑みにすると、以後毎年余分な出費をすることになりかねません。←02.11.18追記:その後リサーチで、セゾンカードはそれ自体が年会費無料で、ETCカード(年会費500円)を付けられることが分かりました。他にもETCカードの年会費だけで済むクレジットカードがあるかもしれません。わざわざ作るという場合は、それらの中から選ぶのが正解だと思います。

 ちなみに、ETCカードは申し込んでから発行されるまでに2〜3週間かかります。なので、ETCを着けようという場合は、真っ先に申し込んでおかないと、車載機は着けたのに利用できないという情けない状況を、長く味わうハメになります。かといって、急いで十分吟味せずに申し込んでしまうと、上記のように無駄な出費になりかねませんので、まずは「じっくりカード選びから」というのがETC取り付け手順の、第一歩かもしれません。

 で、最後の仕上げが「ETC前払い割引サービス」の申し込みです。これは、5万円を先に払うと5万8千円分利用できるというもので、これからETCを利用しようという方の大半はこの割引を使うだろうと思います。このサービスの申し込みは、ETCカードが発行されて手元に届いてからでないと手続きができません。理由は、ETCカードの番号を入力する必要があるからです。で、ETCカードが届いたら、まずインターネットでカード番号を含む必要事項を入力して、その後郵送でパスワードを受け取って、それで初めて前払い割引の申し込みが出きるようになります。なんだか、とっても面倒なシステムです。一応、割引サービスの受付サイトに、上の絵からリンクしておきます。

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