9.冷却ファン (2/2ページ)

    

 ファンはナビ側に吹き出す向き(いわゆるPUSH方向)に取り付けたので、吸い込み側で熱い空気を吸ってしまっては意味がありません。例えば、天井やCピラーの外板と内張りの間の空気は、けっこう熱くなってる場合もあります。今回取り付けたファンは、リアドアを開けて内装を外したところから見ると左写真の位置になります。覗き込んだのが中写真です。従って、吸い込む空気は、室内側の空気になります。たぶん、リアシート脇の隙間から吸ったり、一部はサイドシルの空間を通って助手席足下あたりの空気を吸うかも知れません。いずれにしても室内側の空気なので、人間が過ごせる程度の気温になってるはずです。また、ファンの吸い込み側と吐き出し側で空気の流れが短絡して、その場でグルグル風が回ってもしょうがないので、右写真のようにファンの脇の隙間には厚手のフェルトでバッフル(遮蔽板)をつくって貼りました。ちょっとわかりにくいですが、黒く見えてるのがそれです。

    

 センサは、カーナビ本体の中に入れ込みました。本体の外側にセンサをつけたのでは、CPUの温度が上がってもすぐにファンが回らないし、逆にファンが回るとCPUが冷えるより先にセンサが冷えてしまい、ファンの回転が遅くなってしまいます。それでは意味がないので、カーナビ本体の天板を開けて、CPU付近のいちばん熱くなりそうなところに温度センサを置き、配線を引き出して天板を閉めました。このセンサには12Vが直接かかっており、漏電してナビがお釈迦になっても困るので、絶縁のためにセンサ本体にビニテを巻きました。配線も天板を閉めるときに挟んで切ったりしないよう、要注意です。あと、このセンサの入れ込みは、ナビそのものに改造を施したわけではないし、むしろ信頼性を上げているのですが、故障修理の際にナンクセをつけられると面倒です。この手の施工は、いつでも元に戻せるように、かつ形跡を残さないようにというのが基本だと思います。

    

 ナビ本体、およびCDチェンジャとファンとの位置関係は、写真のようになりました。ファンはナビとチェンジャの隙間を狙っていますので、冷却風の大半はこの隙間を通って後ろ側に抜けます。最も冷やしたいナビ筐体の天面は、十分よく冷えるはずです。おそらく温度上昇値(ΔT)はファン無しの時の半分以下になると思います(温度評価とかしてませんけど、仕事じゃあるまいし、おっと)。ともかく、ファンをつけてからはナビの暴走とかハングは一切なくなったので、効いていることは間違いないでしょう。(これだけ直撃すれば、効かないはずないってか)。

 ファンの回転数は、センサの温度によってアナログ的に速くなったり遅くなったりします。冬場は殆ど回っていないか、とろんとろん、という感じです。真夏の真っ昼間に炎天下で大渋滞とか(うわ〜最悪)、そういった条件でどうなってるかは確認していないので不明ですが、夏場でも普通の使用条件では、ファンは全速力の半分くらいしか回っていない感じです。ホントに大丈夫か?と疑って、ナビ本体をドライアーであぶったら、ファンが怒ったように回りだしたので、一応センサは正常に働いてるようです。ファンの回転音は、センサをあぶったりして全速力で回せばそれなりに唸りますが、通常の使用条件では気になりません。エンジンを切るとかすかに聞こえるけど、エンジンをかけたら分からなくなる程度です。

        

 あとは、強制空冷にすると、埃がたかって望外に汚れることがあります。とくに、ファンをPUSH方向で使うと、PULL方向で使うよりもずっと汚れっぽくなります。ナビやチェンジャが汚れる分には、拭けば綺麗になるので問題ありませんが、この空間はリアコンビネーションランプの内側につながっています。コンビランプは、車内側が閉じてなくて、ガバッと開放しているので、ここから埃が進入して、ランプのレンズ内側が汚れると、掃除もできないし面倒なことになります。面倒は未然に防いでおいたほうが方が良いので、薄手のフェルトを丁度良い形に切って、周囲にマジックテープのオスを貼り付け、コンビランプ側の開口を塞ぎました。まあ、実際にはファンがそよ風程度しか回らずに済んでいるため、今のところ目立った汚れはありませんが。転ばぬ先の杖といったところでしょうか...。

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