特別企画!

スズキ ZZ  110エンジン換装



     <   工程 1   >

さて、大体の下準備はこれで終わったので、
ここからは本格的な搭載に移っていきます。

すったこさん方式でのスワップはメインハーネスをアド用の物を
使用するので、ベースとなるZZのメインハーネスは
取っ払っておきます。

まずは、フロント側。
バッテリーの着座位置は写真の場所です。
いかにも「ここに置いて!」と言わんばかりの場所があるそうです。

ちなみに、ZZ本来のバッテリーを搭載するBOX部は、
切り取ってしまった方が、スワップ後のプラグ交換等が
楽になるそうです。

ウィンカーリレー、ホーンは既存の位置、
スターターリレーはフロントカウルを止めるステー(上側)の
向かって右側になります。

レギュレートレクチファイヤはアドレスハーネスの関係上
メインフレームフレームの下になってしまいます。
この辺は固定だけなので、現物合わせで行けると思います。



写真の用に、フレームにエーモンステーを橋渡しして
バッテリーのスタンドを設けるとバッテリーが
固定出来て良いそうです。



続いてリア側。 メットインの下側に当たります。
準備編で独立させたCDIの配線はこの様になります。

丸の位置がCDIの取り付け位置にモッテコイだそうです。
振動や衝撃からCDIを保護する為、食器洗い様スポンジを
フレームの間に噛ませているそうです。

後は、キャブヒーター、サーモスイッチ、IGコイルやアース等を
ベースのZZの通りに合わせていきます。

     <   工程 2   >

次はスロットルワイヤー。
V100のスロットルワイヤーを加工します。
加工といっても、写真の部分。

キャブの蓋側に位置するワイヤーのアウター(金属部)なのですが、
V100はネジ式になっています。

コレを110用のキャブに合わせる為、110用のワイヤーのアウターと
付け替える必要があるのです。

オイルポンプ側のワイヤーはそのまま行けるそうです。



     <   搭載 1   >

搭載・・・といっても、下準備は揃っているので、
後はコレまでに説明したハーネス等の要素を入れながら、
ZZエンジンを降ろした手順の逆をたどれば良い訳です。



外装関係では、この部分に注意。
右側アンダーカウルのエンジン側。
ここはカットしないと、当たる可能があるそうです。

その他、細かい点はスワップする人の好みで左右しますが、
すったこさんは、独自というかすったこさん仕様ならではの
難関に突き当たったそうです。

参考程度にご紹介と言うことで・・・・。

・リアショック+4cmヒップアップアダプター
     <   工夫 1   >
 従来のアドレス110用のリアショックでも問題が無い様ですが、
 プラグとフレームの位置関係が悪く、プラグが取れない状態に
 なるそうです。
 4cmのヒップアップアダプターでシリンダーが上を向く形になるので
 この問題が回避できるそうです。
 その他、キャリパーサポート装着等で重くなった切り返しを
 キャスターを立てることにより、軽くする目的も兼ねているそうです。

・レッツUシート

 ZZよりレッツU用のシートのほうが薄型だそうです。
 これは、前項のヒップアップアダプターにより上がった車高を
 相殺する為で、脚付き性の向上を目的としているらしいです。
 数値的には座面高さは3センチ程低くなるそうです。

・アドレス110スピードメーター

 メーターもZZ用では60km/hは表示できないので
 何km/h出ているのか判りません。
 すったこさんはZZ用のメーターにアド110用の
 ギアーごと速度表示部を移植しているそうです。
 ちなみに、ホイール側のメーターギアは、
 アドレス110、ZZ共に同じそうなので、どちらを使用しても
 問題無いそうです。

・社外サイドスタンド

 時折BBSの中でもスワップ時のエンジンに
 当たってしまうというサイドスタンド。
 すったこさんも同じ症状に直面しており、曲げる等の
 回避策を練ったそうですが、どれも画期的な打開策が
 見つからなかったそうです。
 なので、現状は「そのまま」だそうです。
 特に走行中も支障はなく、問題も発生していないそうです。


<   完成 1  >





いよいよ、夢にまで見たZZ110の完成です。
残るは、その有り余るパワーを官能するのみです。


< 注意事項 >

・総排気量が113ccになる為、改造申請等の届け出を行い、
 管轄区域担当役所の認可を受けないと公道では走行できません。

・排気量が「原動機付き自転車」の枠を超えてしますので、
 普通四輪免許、原動機付き自転車の免許証では、
 公道を走行することは出来ません。

・電気系の配線に関しては、慎重、かつ確実に行いましょう。
 車輌火災等の原因になります。

・搭載直後は、いきなり全開走行は行わず、十分慣らし運転を行い、
 各部、異常が無いか、ストレスチェックを実施して、
 以後も定期的にチェックしましょう。

・エンジン出力が大幅に向上しますので、常用する速度域が変化します。
 速度感に慣れるまでは、十分に安全な運行を心がけましょう。


< インプレ >


冒頭でもご案内した通り、すったこさんのZZ110は、
既にかなりのハイチューンが施されているのですが、
その乗り味はどんな物か?・・・と、試乗させて頂きました。

コレが・・その・・・・・

速くて良くわからん・・・・です。

大型キャブと高回転チャンバー独特の、
開け始めの一瞬の「待ち」の後に怒涛の加速が、
最大変速まで続きます。

私のアドとはまるで別世界・・・・。
空冷もまだまだ行けますね・・。

ノーマルエンジンをポン付けの状態では、
このようには行かないとは思いますが、
トルク感溢れるアドのエンジンならば
ZZの軽いフレームをグイグイ押し出す事、間違い無しです。


最後になりましたが、すったこさんは、約2年前に、
このZZ110を作成するにあたり、ほぼゼロに近い情報の状態から
試行錯誤を繰り返してスワップに成功されています。

このコンテンツを参考にスワップを実施される方もいらっしゃると思いますが、
すったこさんの試行錯誤に比べると、
かなり楽に完成が近づくのでは無いでしょうか・・。

その際は、苦労して完成に漕ぎ着けたノウハウを渋る事無く公開して頂いた
すったこさんに感謝しながら作業していただければ、
情報を公開して頂いたすったこさんも喜ばれるのではないでしょうか・・・。

作成にご協力頂いたすったこさん、ありがとう御座いました!