ドライブベルトの交換


< 能書き >

駆動系の消耗品の中で、ウェイトローラーと肩を並べ
常に仕事をしているドライブベルト。

エンジンが回っている限り、常に擦りあわされているパーツです。
加減速が多いほど、負担が大きいので消耗もはやく、痩せ細って行きます。

段々に最高速の低下していき、シビアに言うと、新品時と同じ回転数で
同じ速度が保てなくなるので、同じ速度で走ろうとすると
エンジンの回転数を上げなければいけない為、燃費の低下にも繋がります。

走行過多の車輌で、最近、最高速が落ちた、燃費が悪くなった等感じる方、
一度点検してみては・・・。


< 目 的 >

消耗したドライブベルトを交換します。


< チョイス >

     <   チョイス   >

今回、私がチョイスしたのはコレ。
カメレオンファクトリー製 パフォーマンスVベルト。

本来は、純正品交換と行きたい所ですが、
ずっとコレを使用しているので、継続で新品採用です。

交換方法はなんら純正と変わりません。

< 内 容 >

     <   工程 1   >

まずは、クラッチカバーを外します。

クラッチカバーの外し方が解らない方はコチラ
     ↓↓↓
  クラッチカバーの外し方
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     <   工程 2   >

クラッチカバーが外れたら、プーリーロックレンチなる
特殊工具を使い、プライマリープーリー側のフェイスを外します。



この際、数点のワッシャー類も一緒に外れるので
順番を忘れないようにしましょう。

     <   工程 4   >

次に、クラッチアウターを外し、クラッチAssyを引っ張り出します。
クラッチAssyを外さなくてもベルトを引っ張り出せるようですが
作業性を重視して私は外しています。

クラッチアウターを外すには、シザースホルダーなる
工具を使います。



この状態なったら、手前に引っ張るだけでAssyが外れます。

     <   比較 1   >

新品ベルトと消耗したベルトを比較して見ました。

左が新品、右が古品です。
文字の削れ具合で細くなっている事が解ります。



内側の写真です。
左が新品、右が古品です。
何となくですが細いのが解ります。

数値を計測した所、
新品 表20.0mm/裏15.0mm
古品 表18.5mm/裏13.5mm

で、1.5mm磨耗していました。
走行は約2480km使用しました。

     <   工程 5   >

古いベルトを外したら、後は新しいベルトを装着するだけです。

ここでちょっとコツを知ると装着が楽になります。 
*コツが無くても装着可能ですが・・。

先にクラッチASSYにベルトを挟んでしまいます。
クラッチASSYを写真のように広げ、ベルトを挟みます。



なんで、こんなコツが必要かと言うと・・・。

     <   工程 6   >

ベルトとクラッチAssyを装着する際、セカンダリープーリー側に
引っ張られているので、プライマリープーリーのシャフトに
ベルトが届かない場合があるのです。




このようにしてベルトの中央の上下をつかみ、プライマリー側に
たぐり寄せる事も可能ですが、前者より大変な気がします。。

後は元通りに組んで完了です。

組んだ直後はベルトがプーリーに馴染んでなく、本来の性能が
発揮されません。ブレーキパットを交換したときのように
当たりが出ていないのと同じです。
100km程度はベルトを馴染ませる為
急な加減速や高速連続走行は控えた方が良いですね



< 注意事項 >
・エンジン稼動中は非常に危険ですので、作業をしないようにして下さい。

・エンジン停止直後の作業は駆動系全体が高温になっていて
 火傷などの危険があります。

・使用するベルトは、急な角度で曲げたり、
 反対側に曲げたりしないよう注意しましょう。(破損の原因になります)

・プーリー表面や、ベルト表面に油脂分が付着しないよう注意しましょう。


< 使用する材料 >

・カメレオンファクトリー製 パフォーマンスVベルト
 アドレス110(UG110W/110SW)用 
 品番:VBS-AG110  ¥4,500−

☆純正使用の場合
F.NO. 〜112192
品番:27601-16F01  Vベルト、ドライブ

F.NO. 112193〜49999
品番:27601-16F11  Vベルト、ドライブ

F.NO. 500001〜
品番:27601-16F12  Vベルト、ドライブ

*パーツリスト第4版からの抜粋です 2001-5
ご注文の際は、販売店にてご確認ください。


< 使用する工具 >

・プラスドライバー(インパクトドライバー)
・プーリーロックレンチ
・14、17、19mmソケットレンチ
・シザースホルダー


< 使用するケミカル >

・パーツクリーナー(必要に応じて)


< 参考文献 >

・SUZUKIパーツカタログ UG110 2001-5 第4版


< インプレ >

ベルト交換後、しばらく慣らし運転を行い最高速テストを実施してみました。
交換前:95km/h  交換後:105km/h

わずか1.5mmの太さの差が、なんと10km/hも最高速に影響がでました。
加速感そのものには変化は感じられませんでしたが、
最高速10km/h差は大きいです。(あまり使わない速度域ですが・・)