プライマリープーリーとウェイトローラーの働き
< 能書き >
ここでは、変速機の要、プライマリープーリーと
ウェイトローラーについて少しばかりご説明いたします。
スクーターをチューニングするにあたり入門といえば、
ハイスピードプーリーへの交換とウェイトローラーの交換。
この二つの部品は変速機の役割を果たします。
中にはウェイトローラーなる重りが入っており。
この重りの働きによりプーリーは駆動軸上をスライドし、
駆動伝達ベルトを軸付近からプーリーの外側へ押し出します。
判りやすく言うと、ギア付きの自転車を思い浮かべて下さい。
低速ギア時、チェーンはペダル側のスプロケットは小さく、タイヤ側は
大きいスプロケットに掛かっています。
スクーターはこの状態は停止or低速時です。
反対に自転車の高速ギア時のチェーンはペダル側のスプロケットは大きく
タイヤ側のスプロケットは小さい所に掛かっています。
スクーターはこの状態は巡航or高速時なのです。
写真で説明します。
二つのローラーが見えますが、この左側の奥にあるのが
プライマリープーリーです。
ベルトの位置を見ますと左側が小さい半径、
右側が大きい半径になっています。
これが停車時、低速時の状態です。
ギア付き自転車で言うと低速ギアの状態です。
この状態でウェイトローラー位置は下の写真になります。
一番深い所にあるのです。
この状態をプーリーの外側から見ましょう。
黄色い矢印部。これはランププレートと言います。
これが内側に入っていますね。
ベルトの位置は赤い印の所です。
軸に近いところにあります。
エンジンが回転しプーリーに遠心力が掛かると・・・。
遠心力でプーリー内のウェイトローラー達は外へ移動しようとします。
その際ランププレートを押し出す力が発生します。
ランププレートが押し出されると・・・
実際にはランププレートはエンジン側に固定の状態なので
プーリーが移動し写真のようになります。
プーリーの向かいに付いているドライブフェイスと言う部品も
位置固定ですので、
内側にあったベルトはプーリーに挟まれ押し出されるように
外側へ移動します。
そうするとベルトは写真の赤のライン状になります。
これが高速時の状態です。
ギア付き自転車で言うと高速ギアの状態です。
この右側のローラーはセカンダリープーリーと呼ばれ、
内部にはウェイトローラーの代わりにプーリーを押し出すための
スプリングが入っています。
そのため、エンジン回転が落ち込み、
プライマリープーリー側の遠心力が弱まるので
ベルトが軸付近(低速側)に寄ると
今度はセカンダリープーリーがスプリングの
力によりベルトを外側へ押し出すのです。
この原理によりスクーターは変速しているのです。
ゴテゴテと長文で説明してしまいましたが、ご理解頂けたでしょうか?