強化センタースプリングへの交換
< 能書き >
駆動系の第二の立役者セカンダリープーリー。
プライマリープーリーが主に加速変速側に作用する反面、
セカンダリープーリーは減速変速に作用します。
動作原理はプライマリープーリーがWR(ウェイトローラー)の
遠心力を利用しているのに対して、センタースプリングと呼ばれる
バネの反力を利用します。
< 目 的 >
このバネを強化する事により、減速時の変速を速やかに行い
最加速時に一段と低いギア比から加速が可能になり
気持ちの良い再加速をすることが出来ます。
< チョイス >
< チョイス >
私が今回チョイスしたのはコレ。
デイトナ製スーパーセンタースプリング 10%UP。
今回は、スカットさんのご好意により、
部品を提供して頂きました。
スカットさん 感謝です!
そして、もう一つ。
今回、装着は致しませんが、比較対照として・・。
同社製、ノーマルレートのスプリングです。
こちらは、セッティングの煮詰め用に購入しておきました。
< 内 容 >
< 比 較 >
バネレートを比較する為にプッシュプルゲージで
計測してみました。
まずは、ノーマル。
自由長から10mm縮めて 3.55kg=0.355kg/mm です。
次に デイトナ製 ノーマルレート。
自由長から10mm縮めて 4.00kg=0.4kg/mm です。
ノーマルより約12%ほど 強い数値です。
そして、今回使用するデイトナ製 10%UP品。
自由長から10mm縮めて 4.25kg=0.425kg/mm
なんと10%UPが 実測では約20%のUPと出てしまいました。
まずはクラッチカバーを外します。
クラッチカバーのはずし方はコチラを参考にして下さい。
↓↓↓
クラッチカバーの外し方
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< 工程 @ >
まずプーリーロックレンチを使い、
プライマリープーリーを外します。
この際、プーリーフェイスを外すとき、数点のワッシャー類が
出ますので、順番等を覚えておいて下さい。
< 工程 A >
そしてベルトを外しておきます。
< 工程 B >
次にシザーズホルダーを使い、クラッチアウターを外します。
< 工程 4 >
クラッチASSYとご対面です。
このまま引っこ抜きます。
< 工程 D >
取り出したクラッチASSYを分解します。
センターナットを外す際は、足などでクラッチシュー部を踏みつけて行いますが、
センターナットが外れる際、センタースプリングの反力でクラッチユニットが
飛び出そうとします。 非常に危険ですのでご注意下さい。このクラッチ部を押さえつけるコンプレッションツールは
2輪量販店などで購入することが出来ます。
< 工程 E >
分解後です。真ん中のコイルバネがセンタースプリングです。
< 工程 F >
ノーマルとの外観比較です。
左がノーマル、右がスーパーセンタースプリングです。
なんだか、スプリングの両端の形状が違いますね。
この、ノーマルの両端の「曲げ」ですが、
片方はクラッチのインナー、そしてもう片方は、
俗にトルクカムと言われる
リアムーバルブドリブントルクカムの合わせ穴にはまっています。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、トルクカムは、
ツイスト(ねじれ)しながら、開きます。
ノーマルの形状ですと、トルクカムが開く際、
このセンタースプリングも
一緒にツイストする形になります。
もちろん、反力として力が発生するので、
何らかの形でトルクカムがベルトを
挟む力の補助をしているのかも知れません。
実際のところは不明ですが・・。
とりあえず、大体自由長も一緒なので
気にせず組む事にしました。
ここから先は逆の手順で組めば完了です。
くれぐれもバネの反力で、クラッチユニットの餌食にならない様、
気をつけて下さい。
< 注意事項 >
・クラッチAssyを分解する際、ハウジングナットを外す工程で
センタースプリングの張力によりクラッチAssyが飛ばされそうになります。
しっかり押さえて作業しないと、重大な怪我を負う可能性がありますので
くれぐれもご注意下さい。
< 使用する材料 >
・デイトナ製 スーパーセンタースプリング
< 使用する工具 >
・+ドライバー or インパクトドライバー
・プーリーロックレンチ
・14/17mm メガネレンチ & ソケットレンチ
・34mm ソケットレンチ or クラッチハウジングナット用メガネレンチ(34mm)
・シザーズホルダー
< 使用するケミカル >
・パーツクリーナー
< 参考文献 >
・デイトナ スーパーセンタースプリング取付説明書
< インプレ >
装着後のインプレですが、再加速だけでなく、加速全体が
シャキッとしたような感じです。
コレは、ベルトを挟む力が強くなったため、
スリップロスが少なくなった効果と思われます。
以前より気になっていた50km/h付近からの最加速性能も
だいぶ改善されているようです。
街乗り主体の私にとって、かなり良いフィーリングになりました。
しかしながら、ベルトを挟む力が強くなった分、最高速時に
若干、影響が発生しました。
加速タイム計測データでは80km/hからの伸びが鈍くなっています。
パワー系がノーマルのエンジンには
更に、影響があるかもしれません。
中低速の加速や再加速などのレスポンスUPを目指すならお勧めですが、
高速域の伸びを重視したい人にはあまり向かないかもしれません。
(パワーのあるエンジンなら別でしょうが・・・)