センタースプリングシートベアリング


1. 〜 ウンチク編 〜

2. 〜 準備 & 取り付け編 〜



ウンチク編

< 能書き >

亀ファク製のトルクカムを入れてからというもの、
最高速ダウンに悩まされていました。

低速〜85km/h程度までは、調子が良いのですが、
その後は、エンジン回転の上昇分で加速していくだけで、
歯がゆい毎日を送っていました。

まあ、85km/h以上出るような所は、通勤路上でも殆どないので
特に支障は無いのですが、「ぶわっ!」と立ち上がって伸びるところまで伸びないと
寝覚めが悪いと言うものです・・・。

原因は、トルクカム(ムーバブルドリブン)の移動量が低下して
セカンダリーが全開にならず、最大変速にならない事にありました。

本来、カメファクのトルクカムにはカム溝が短い等のムーバブルドリブン
の移動量低下の原因になるメカ的要素は無いのですが、センタースプリングの
張力と深い関係がある事が判りました。

トルクカム(ムーバブルドリブン)は加速中、ツイスト(ねじれるように)しながら
開いて行くのですが、閉じた状態から全開するまでのツイストの量は
トルクカムの溝の角度に影響を受けます。

ノーマルのトルクカムをイメージしてみましょう。


溝の角度が立っているので、ツイストする距離が短いです。

カメのトルクカムは、キックダウン効果を強く得る為に
この溝を寝かせる方向で削ってあります。
イメージ的には・・・



こんな感じです。

ここで勘の良い人は気付くと思いますが、カメのトルクカムが
全開に開くまでは、ノーマルより多くの量をツイストしなければいけないのです。

実際に写真で見てみましょう。



これは閉じた状態です。

 

左がノーマル、右がカメファク製です。
カメファク製のが、ツイストの量が多いのが判りますね。
写真は真上からなので、あまり違わないように見えますが、
横からみると、結構違います。

センタースプリングはこのツイストの抵抗になるかの如く
クラッチベースとの間に挟まれ、張力を与えています。

カメのトルクカムは全開になるまで、ノーマル以上に長い距離を
センタースプリングの張力を受けながら、ツイストしなければいけないのです。

センタースプリングの張力は、スプリングを圧縮するほど強くなるので、
スプリングが、全圧縮する付近ではかなりの抵抗になっている筈です。


市販のセンタースプリングや、初期型のセンタースプリングは
両端が、平らに処理されていて摩擦抵抗になりながらも
トルクカムは滑りながらツイストする事が出来ます。

しかし、Y型、SK型のノーマルスプリングには
とんでもない抵抗になるものが!


ノーマルスプリングのこのフックです。
クラッチ側、トルクカム側の両方に付いているのですが、
コレがツイストの抵抗になっているのです。
滑る事が出来ないので、スプリングの巻きの反力に逆らいながら
ツイストしなければなりません。

コレが原因で、セカンダリーのムーバブルドリブンは中々全開にならず、
最高速が低下していたのです。

その証に、ベルトのセンター削れは起きてなく、
プライマリー側でも最大変速になっていない状態でした。



試しに、1分以上の全開を続けると速度は3桁に到達しますが、
そんなに時間がかかっては、実用域とは言えません。

速度が3桁に行くと、ようやくベルトのセンター削れが発生します。



トルクカムをノーマルにして走ると、速度3桁までは約22秒で到達します。
再加速はかったるいですが・・・。

また、カメのトルクカムでも、
社外品のセンタースプリングの端をグリスアップして
ツイストに対する摩擦抵抗を低減して走ると同じようなタイムが出ます。

これらの試走を繰り返し、最高速のダウンの真因は
トルクカムのツイスト量が増えた事により、
センタースプリングの張力が発生する抵抗が
影響していたと言う事が判明したのです。

ベルトが約2500kmで異常に磨耗してしまったのも
コレに原因があるのでしょうか・・?

全ての車体がという訳でもないと思いますが、
私の中では、カメのトルクカムは、

高速域でノーマルセンタースプリングと相性が悪い!

と言う持論が完成しました。

そこで、カメのトルクカムのキックダウン効果を保持しつつ、
最高速への影響を払拭する為に抜擢されたのがベアリングと言う訳です。


< 目 的 >

トルクカムのツイストの抵抗となるセンタースプリングの抵抗を
軽減する為に装着です。


< チョイス >

     <   チョイス   >

今回、私がチョイスしたのはコレ。
ワッシャータイプのベアリング

元ネタは カローラ様の運営されるHP「あどれす屋」様から
参考にさせて頂きました。

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