そ よ 風 の 小 径

第31回  朝 顔  (2010年 8月 15日)

   梅雨明けと共に猛暑に見舞われた日本列島です。

   息苦しいほどに暑い油照りの日が続く、こんな時は朝顔を描くことで涼を呼んでみてはいかがでしょうか。

   日本の夏に欠かせない風物詩となった朝顔は、平安遷都のころに遣唐使によって日本に伝えられたということです。
  
   青をはじめ、紫、赤、白と涼しげな花色の鉢を見かけるとつい買い求めてしまうのです。東京入谷の朝顔市が有名で

  すが、苗を買ってきて軒先に緑のカーテンを作る家庭も多いですね。この夏我が家のベランダは、既にいろいろな花で

  埋まっていて朝顔の入り込む余地は無かったのですが、ポット植えの朝顔を一つだけ求めて、オダマキの鉢の隅に居

  候よろしく植えてみました。

  枯れてもともとと思っていたのが、 いつの

 間にか逞しく育って、添え木を用意しなけれ

 ばならないほどになりました。
しかもまだ梅

 雨も明けていない7月の中旬に最初の花を

 咲かせたのです。コンポーズブルーの色を

 湛えたその花は、絵心にぴったりと寄り添い

 私は今、あきれるほど毎日水色の朝顔を描

 いています。

  とはいえ、さすがに朝顔ばかりでは飽きてきますので、画用紙の空いたところに思いついた花を描き足しています。

 それが何故か秋の野花になるのは、どこかで涼風がそよぐ季節を心待ちにしているからでしょうか。

  それでも女郎花や萩、すすきなどを描いていると、心なしか身辺から汗が引いていくから不思議です。

  皆様もさまざまな工夫をなされて、この夏を健やかにお過ごし下さい。

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