そ よ 風 の ア ト リ エ
透明水彩画・・・吉沢三さ子 作品とその世界
( NO.291 2025.06.1 毎月1日更新)
【 梅 雨 入 り 前 後 の 花 た ち 】
6月、梅雨の季節となりました。5月に梅雨入りをすることの多い日本列島ですが、今年はまだ九州
南部だけに梅雨入り宣言がなされています。私の住む愛知県東海地方では、雨の日も結構あるのです
が梅雨入りはまだ先のようです。それどころか梅雨の前に夏が来ちゃったのでは、と思いたくなるような
夏日が、観測されたりしています。
この梅雨入り前後には、その季節に相応しい花たちが咲き出します。代表的な花は紫陽花や花菖蒲
です。自宅から車で30分ほどにある豊橋市賀茂しょうぶ園は、県内最大級で約300種、合計37,000株
もの花菖蒲が咲き誇ります。毎年この季節に出かけてスケッチしたり、写真を撮ったりして作品作りをして
います。
紫陽花もお隣の街、蒲郡市には立派な紫陽花の名所がありますが、ここ数年は市内の運動公園に素敵
な紫陽花を見つけたので、近場のそちらに出かけています。
梅雨入り前後にはあまり目立ちませんが私のお気に入りの花が咲きます。ホタルブクロ、ドクダミです。
ドクダミなどは雑草として匂いも含め、好ましく思っていない方もいるのですが絵心をそそられる花です。
今月号でも何点か紹介しました。梅雨の主役、紫陽花は梅雨入り後に描きます。
季節の変わり目です。体調を崩さないよう今月もお元気にお過ごし下さい。
そよ風のアトリエへようこそお越し下さいました
このアトリエには、下記の部屋があります。ごゆっくりとご覧下さい
6月の部屋 百花のそよ風 (マネージャー余話) 第35 回 昼咲き月見草
そよ風に乗って(マネージャーの独り言) 風誘讃花一覧 100回記念の部屋
そよ風の小径 そよ風の小径 パート2 新エッセイの部屋一覧
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吉沢 三さ子 プロフィール
出身地 : 長野県佐久市 (1949年7月生まれ)
日本画家、飯島三友(江戸末期~明治・大正)を曾祖父に持つ(参考エッセイ「三さ子の三とは」)
東京のデザイン学院でイラストを学び、テレビ局(テレビ東京)でデザイン画を担当
1973年、結婚を機に職場を離れ、子育ての傍ら独学で水彩画に取り組む
豊橋に転居した1979年から本格的に水彩画の創作活動を始める(参考エッセイ「俺、お前の絵、好きだよ」)
名古屋市で NHK文化センター名古屋 水彩画教室講師 (2006年~2019年)
豊橋市で NHK文化センター水彩画教室講師 (1997年~2023年3月)
2023年4月から 「くらしときめきアカデミー豊橋」で水彩画教室講師 第2第4水曜日13:00~15:00
【 藤 棚 の 下 に 佇 む ア ス リ ー ト 】
5月7日、ゴールデンウィークが明けた水曜日にマネージャーと浜松ガーデンパークへ出かけました。
昨日までの喧騒が嘘のように、人影がまばらな公園の中をモネの庭に向かいました。モネの庭の手前
には、バラの花園が広がっていて、手入れの行き届いたこの場所からどれだけのインスピレーションを
もらったことでしょう。
今年は藤の咲く時期に少し体調を崩してしまったので、いつも足を運ぶ近所の公園の藤も見そびれ
ました。それで、モネの庭園に咲く藤がまだ残っていることを期待していたので、今回ばかりはバラ園を
足早に通り過ぎ、モネの庭に急ぎました。果たして藤は健在でした。盛りは過ぎていたものの、ああ、
今年も藤を見ることができた、と感嘆しながら傍らまで行ったとき、藤棚の下に佇むひとりの若い女性に
気がつきました。その人は自分で操作できる車椅子に乗っていて、私たちの気配を感じるとすぐにその
場を離れました。「 あっ、悪いことをしちゃったかな 」と思いながら、その後ろ姿を見送りました。
その後、ガーデンパークの中のあちこちで彼女の姿を見かけることになります。麗しき5月の庭園を、
20代半ばと思われる女性がひとりで散策している様子を、いやが応にも目で追うことになりました。
もし、ハンドル操作に困っている様子があったら、お手伝いしようという想いが、脳裏を横切ったりしまし
た。でもあにはからんや、彼女の足取りは軽快で、結構な段差があるモニュメントの中へもやすやすと
入っていき、その場の雰囲気を堪能している様子がこちら側にも伝わってくるのでした。
マネジャーが言いました。「 あの人はアスリートだな。テニスかバスケかあるいは他の競技かも 」
「 ああ、アスリート・・・」 今も競技を続けているマネージャーが言うのだからそうなのだな、と納得しま
した。パラリンピックが開催される度に思うのですが、どうしてあの人たちは、身体にハンディを負いな
がら、あんなに頑張れるのだろう・・・と
だんだん分かってきたのは、本当に到達したい目標が目の前にあるからだ、ということでした。藤棚
の下で出会った彼女が、パラリンピックの選手であるかどうかはともかく、何かに挑もうとして、あるい
は乗り越えようとして、花盛りの庭園に佇んでいたことは、容易に想像できるのでした。
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