そ よ 風 の 小 径

第21回  真っ赤な秋  (2009年 10月 25日)

         真っ赤だな  真っ赤だな

         蔦の葉っぱが真っ赤だな。

         紅葉の葉っぱも真っ赤だな

  こんな歌い出しで始まる童謡を口ずさんだ記憶のある人は多いでしょう。
 
  でも、それが何という題名だったかと問われると途端に口籠もってしまうのではないでしょうか。

  かくいう私もその次に来る歌詞がスムーズに出てきません。間違っているかもしれないことを前置きさせて

  いただいて続けると、

    沈む夕日に照らされて

    真っ赤なほっぺたの 君と僕

    真っ赤な秋に囲まれている

 ということになった気がするのですが・・・・。

 さて、真っ赤な秋とはどんな色なのでしょうか。

 「決まっているでしょう!真っ赤と言っているのだか

 ら赤いのよ。」

 とお答えのあなた、その通りです。

  でも水彩絵の具箱を目の前に置くと、赤に該当する絵の具が幾つもあって、ど れ に し よ う か な・・・

 と迷ってしまいます。

  例えばカラスウリの赤とガマズミの赤とでは色味が違っていて、言葉で表すとすれば、カラスウリの赤は黄味を

 帯びていて、ガマズミのほうは青みを帯びた赤であるといった具合です。

  そんなことを考えながら秋の野山を散策すると、さまざまな木の実に出会うことができます。

  サルトリイバラやピラカンサスの実は、一枝に優しい色合いで緑を含んだ黄から赤に移っていくようすが美しい

 し、クコの実やヒヨドリジョウゴなどは、透明感をもった赤色を惜し気もなく湛えて、くすみ始めた木々の色と調和

 して、訪れるものを楽しませてくれます。

  赤は色彩学的にもエネルギーに溢れた色、元気が出る色として紹介されています。それだからでしょうか、今

 年の数々のトーナメントで優勝し、史上最年少で賞金王争いのトップを走るゴルファー石川遼選手の勝負服は、

 赤なのだそうです。

  私もこの頃洋服のどこかに赤を使います。なんだか勇気をもらえるようで気に入っています。従って10月から

 始まった浜松教室へもそんな様相ででかけますから、浜松の皆さん、どうかよろしくお願いいたします。
   

トップページへ戻る
新エッセイの部屋一覧へ
そよ風の小径へ