風 誘 讃 花    


          第 39 回   紋白蝶のことなど   (2018年4月1日)   

  毎日のように菜の花を描いていたら、紋白蝶をその絵の中に飛ばしてみたくなりました。というのも、菜の花畑に行くと

いつも蝶が舞っていて、そのさまは菜の花の化身であるかのように、調和しているのです。これはどうしてもその蝶を描き

足さなければいけないな、と思われたからです。

  でもいざ描く段になると、蝶の詳しい姿が思い浮かびません。目の前を風のように過ぎる蝶は、花びらのように可愛らし

いと言葉では表現できても、絵的にはそうはいきません。そんな時の神頼みは、図書館へ行って図鑑を借りてくること!

幸い市立図書館は、徒歩10分ぐらいのところにあるので、大助かりです。

  今回借りたのは、福音館書店の「 モンシロチョウはなにが好き?」という絵本と科学絵本ライブラリーによるファーブル

昆虫記でした。どちらも小学校低学年用の絵本ですが、挿絵が素晴らしく、ついでに紋白蝶の様々な生態を知ることがで

きました。そうなるとミニ知識をお披露目したくなるのが私の癖でして、少しの間おつきあい下さいね。

  兼ねてから、紋白蝶って冬を除いていつも見かけるのはどうして?と思っていたのですが、それにはこんな事情がある

 のです。ご存じのように蝶はキャベツ畑に卵を産み付ける習性があるのですが、春に産んだ卵は夏蝶になり、夏に産卵

 したのは秋蝶になるのだそうです。では秋に産み付けられた卵はどうなるかというと、サナギの姿で越冬し、春が来るの

 を待って羽化するのだそうです。

  今、菜の花畑で出会う蝶は、日当たりの良い塀などでサナギになり、そのまま冬を過ごして春が来るのを待った、辛抱

 強い蝶だったのですね。

  そんなふうにして蝶と親しんだ折も折、蝶マニアの夫を持つ姉から美しい蝶の写真が添えられたポストカードが届きまし

 た。形状は紋白蝶によく似ているのですが、羽にオレンジ色の模様がついているのです。早速電話で聞いてみたら、タイ

 に旅行したときに見つけた蝶なんですって!その名も { ベニモンシロチョウ }とのこと。納得です。

  花のある場所には、様々な昆虫が集まります。これからも時々そんな虫たちにスポットをあててみたいと思いました。

日本にはいないベニモンシロチョウを

菜の花に添えてみました

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