風 誘 讃 花 第 30 回 懐 か し い 花 々 の こ と (2017年7月1日)
今年、車で移動中の折りに車窓から目にする景色の中で、立葵の花を見る機会が 増えたと感じるのは、私だけでしょうか。 子供の頃、この花は農家のどの家の庭先でも見かけることができた、いわゆるあり ふれた花であったわけです。それがいつの間にかめずらしい花、そして懐かしい花と いうことになってしまいました。 その立葵が、豊橋郊外の畑の隅などで、美しい立ち姿で咲いているのを見かけて、 描いてみたいと思うのですが、花屋さんでは扱っていません。どうやら花びらが余り にも繊細で、流通機構に乗せることができないようなのです。 そうなると、いよいよ自分で育てて手に入れることになるわけですが、コスモスやポ ピーもそんなふうにして栽培を実現できたのだから大丈夫。どうしても描きたい花は、 自分の身近で育てて、スケッチを繰り返すことが大事なんですよね。
うちの畑では今、そういう気持ちで植えたダリアと百日草が、咲き始めたところです。 立葵が咲き始めると梅雨に入り、最上まで咲ききる頃には、梅雨が明けて夏が来るのだそうです。どうやら今年の梅雨明けも間も ないようです。 今日は記憶を辿りながら、懐かしい立葵を描いてみましょうか。