「 春 すみれ咲き 春を告げる 春 何ゆえ人は 汝を待つ 」 で始まるのは、宝塚歌劇団の愛唱歌
である、「すみれの花咲く頃」です。
この歌が、宝塚の舞台で初めて歌われたのは、昭和5年といいますから、もう80年以上も歌い継がれて
いることになります。当時の劇団演出家の白井鐵造氏が、ドイツ語の原詞を日本語に訳すとき、原詞では
ライラックだったのを、日本に合うようにすみれに変えたのだそうです。(私はライラックでも素敵と思います)
そして今や宝塚といえば、このすみれの花咲く頃、となるまでに有名になりました。
歌詞にもあるように、すみれは春を告げるつつましく可憐な花で、大好きです。西洋では理想の女性を象
徴する花として、優雅な美のバラ、威厳と純潔のユリ、そして謙虚・誠実のすみれの3つがあげられていま
す。このように洋の東西を問わず、女性に人気のある花の一つといってよいのでしょう。
また、ギリシャやローマ神話には、美しい娘が神によって変えられてしまったのが、すみれだという悲話
もあります。美しい娘さんといえば、3月30日にタカラジェンヌを目指して競争率27倍という狭き門をくぐり
抜けた宝塚音楽学校の合格発表の様子が報じられていました。これもまた、すみれの花咲く頃のいつもの
光景の一つですね。
余談ですが、かの白井鐵造はお隣の浜松市出身で、私の住む豊橋市の二川町にお墓があり、すみれの
花咲く頃の歌碑も建てられているのです。
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