風 誘 讃 花    


    第 15 回  す み れ の 花 咲 く 頃   (2016年4月1日)   

  「 春 すみれ咲き 春を告げる   春 何ゆえ人は 汝を待つ 」 で始まるのは、宝塚歌劇団の愛唱歌

 である、「すみれの花咲く頃」です。

  この歌が、宝塚の舞台で初めて歌われたのは、昭和5年といいますから、もう80年以上も歌い継がれて

 いることになります。当時の劇団演出家の白井鐵造氏が、ドイツ語の原詞を日本語に訳すとき、原詞では

 ライラックだったのを、日本に合うようにすみれに変えたのだそうです。(私はライラックでも素敵と思います)

 そして今や宝塚といえば、このすみれの花咲く頃、となるまでに有名になりました。

  歌詞にもあるように、すみれは春を告げるつつましく可憐な花で、大好きです。西洋では理想の女性を象

 徴する花として、優雅な美のバラ、威厳と純潔のユリ、そして謙虚・誠実のすみれの3つがあげられていま

 す。このように洋の東西を問わず、女性に人気のある花の一つといってよいのでしょう。

  また、ギリシャやローマ神話には、美しい娘が神によって変えられてしまったのが、すみれだという悲話

 もあります。美しい娘さんといえば、3月30日にタカラジェンヌを目指して競争率27倍という狭き門をくぐり

 抜けた宝塚音楽学校の合格発表の様子が報じられていました。これもまた、すみれの花咲く頃のいつもの

 光景の一つですね。

  余談ですが、かの白井鐵造はお隣の浜松市出身で、私の住む豊橋市の二川町にお墓があり、すみれの

 花咲く頃の歌碑も建てられているのです。

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