風 誘 讃 花    

    第 2 回   桜 を 想 う (2015年3月1日)   

  日本の春は、緑の若葉と美しい桜の花に埋まります。

  今年、桜前線はどのように、日本列島を北上するのでしょうか。

  花の水彩画教室では、2月の声を聞くのももどかしく、桜を描き始めました。実際に咲き始める頃には、ただうっとりとして

 時間の過ぎるのを見送るしかないことを、今までの経験で分かっているからなのですが・・・・

  2月の上旬、立春が過ぎて日が長くなり、日一日と気温が上がってくると、冬の間固い皮で覆われていた桜の花の芽は、

 ぐんぐんと成長を始めます。りん片に包まれた冬芽はだんだんふくらんで蕾となり、気温が摂氏10度になると咲くと言われ

 ています。

  いつ咲き出すのだろう、と気象庁の開花予報が気になり始めるのもこの頃。

  寒風にさらされた裸木の下を歩きながら、満開の花を想像するのもいいものです。それはまた花の散ったあとの若葉の

 季節へと誘います。

  6月の桜といえば、緑も深まり、その葉陰に隠れて目立たなくなった桜の枝のあちこちで、来年に出る芽が用意される時

 なのです。

 緑も深くなる夏の葉陰は、小さな虫たちの絶好の住み家です。蝉、蟻、アブラムシ、毛虫たちが命を育む場所であると

ともに、ぼろぼろに食い荒らされた葉っぱがちょっぴり痛々しく感じられることもあります。

 やがて季節は紅葉の秋へ。

 赤、黄、褐色などの色素でお化粧した桜の木は、やがて休眠の時を迎えます。夏の間に蓄めた養分を使って、厳しい

冬を生き延びるのです。

 かつて生活圏だけでは満足できなくて、桜前線を追いかける旅を繰り返した時代がありました。でも今年は、ゆっくりと

川沿いの桜などを愛でながら、風景の中に佇む様子などを描けたらいいなぁ、と思っています。

 いずれにしても桜は、昔から日本の花でした。

 私たちの祖先が自然と桜を大切にしてきたからこそ、日本中に素晴らしい桜が育っているのだと思います。

 ありがとう、そして私たちもこの文化を大切にして、次の時代へと渡していきたいものですね。

風誘讃花へ
そよ風の小径一覧
そよ風の小径パート2一覧
トップページへ戻る