新エッセイの部屋

 第 27 回  コスモス    ( H19.11 )

  最近、品格という言葉をよく耳にします。「国家の品格」 「女性の品格」 といった本がベストセラー

 を続けていることが影響しているからかも知れません。

  花にもまた品格という言葉が当てはまる時があるように思われます。

 「あ、描きたい!」

 という花に出会ったときに、そこに先ず見るのが品の良さであるからです。

  この秋、モデルになってもらうためのコスモスを探していたときに、出会ったのが鉢植えの黄色い

 コスモスでした。

  以前、赤、白、ピンクの群れ咲くコスモス畑の一角に黄色いコスモスが揺れているのを見て、違和

 感を感じた記憶が蘇りました。

 「黄色いコスモスなんてねえ・・・・・。」

 とそのときは思ったのですが、逆光の中で透き通るようにほほえみかけてきたその花を見て、一目

 惚れをしてしまいました。

  けれど、月見草のエッセイで記したように、薄い黄色というのは明度差が少なくて絵にはしにくい

 のです。

 今のところ端麗なその花をスケッチ

することでいつもながらの赤、白、ピン

クのコスモスを描いています。

 でもいつかレモンイエローのコスモス

も描けたらいいなぁ・・・・そんな思いを

抱きながら、今日もスケッチを繰り返し

ています。

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