THEプロレス |
THE PROWRESTLING |
LCDゲームデジタル/バンダイ |
Written by T鈴木 |
元気ですかー! |
今や、一ジャンルを確立したと言っても過言ではないプロレスゲーム。
フルポリゴンCGやモーションキャプチャーなんて当たりまえ。技やレスラーの数は●百種類。本物と見間違えそうな入場シーン。
・・・・もはやゲームというよりも、限りなく実際のプロレスをシミュレートした観覧物となってしまったような感が否めません。
そんな家庭用ゲーム機でプロレスゲームが登場するはるか以前に、何と電子ゲームの世界ではプロレスゲームが既に登場していました。
今回紹介するバンダイ「THEプロレス」。
ハッキリ言ってリアルさを追求するのは無理!な電子ゲームにあって、どこまで“プロレス”を再現しているのか気になるところですね?
果たしてどうやって相手に技をかけるのか?スリーカウントフォールはあるのか?場外乱闘は?タッグマッチは・・・・!?
「ごちゃごちゃ言わんと、実際にやってみたらええんや!」
というわけで、ごちゃごちゃ言わずに実際にゲームを紹介してみたいと思います。
どーですかお客さん!?
闘いのワンダーランド |
上、中、下段で技が変化するぞ |
敵覆面レスラーと1対1のシングルマッチです。
昔から悪役レスラーは覆面と相場が決っていますが、本作品もその例に漏れず、ヒネリも何もない、ただの赤覆面マスクマンが敵として設定されています。
主人公は緑のロングタイツの日本人。
三沢!?・・・・はこのころまだいなかったし、特にモデルはいないようです(汗)。
敵は、上段、中段、下段の3段階に移動して攻撃を仕掛けてきます。
主人公もそれに合わせて上中下段に移動させ、相手が技を繰り出してくる前にタイミングよくアタックボタンを押して迎撃しましょう。
ちなみ上段はドロップキック、中段はブレーンバスター、下段はキック(今風に言えばヤクザキックか?)と、技が変化します。
コーナーに登った相手が蹴り落とされて地面に激突したり、ブレーンバスターで「ぽいっ!」と場外に投げ捨てられたり、なかなか激しい団体のようです。
途中、リング外から、敵の仲間の覆面レスラー(デストロイヤー風)が凶器攻撃を仕掛けてきます。いつまでもその場にいるとイスやビールビンで殴られてしまうので、上下に移動してかわしてください。
得点が1000点に達するごとに、レフリーが主人公の手を上げて500点のボーナスが加算されます。
お前は●●だろ!? |
と、ここまで読んでピンと来た方も多いと思われますが・・・・そう、同じバンダイのLSIゲーム「キン肉マン対決悪魔超人」と同内容となっています(汗)。
まあ同じプロレスゲームなので、さほど違和感はないのですが、レフリーがミート君になっていたり(なぜだ!)、技が本作と同じなので、キン肉マンがブレーンバスターやドロップキックなど、ひたすら地味な技を使い続けたり、「何だかな〜」って感じの出来です(苦笑)。
ちなみに、「キン肉マン対決悪魔超人」の、さらにその数年後に発売された「王位争奪編」も同内容らしいです・・・・。
いーかげんにせーよ、バンダイ。
「キン肉マン対決悪魔超人」 |
■帰電くんアドバイス 敵が技を仕掛けてきたからって、無理に迎撃することはない。後ろに凶器を持った敵がいたりしてヤバいときは、そのままやり過ごそう。 |
青春エスペランサ |
「THEプロレス」のパッケージ |
というわけで、この「THEプロレス」。電子ゲームながら立派に“プロレス”しているじゃありませんか?
確かに相手レスラーは一人しかいないし、技も3種類しかありません。
しかしひとつのゲームとして見た場合、大変テンポがいいし、展開が早いのでプレイ中ストレスを感じるようなこともありません。
動きもダイナミックだし、次々と技が決るとなかなか爽快です。
どうしても操作やルールが複雑になりがちなプロレスゲームの中にあって、ここまで単純なタイミング・アクションゲームにしたバンダイの割り切りが、逆に功を奏したのかもしれませんね(って電子ゲームではこれが限界なのかもしれませんが汗)。
ところで、2001年現在では、プロレスというジャンル自体、他の格闘競技に押され気味のようです。
筆者も幼少の頃は、タイガーマスクの華麗なムーブメントに感嘆の声を上げたり、アンドレ・ザ・ジャイアントのデカさに驚愕したり、反則の限りを尽くすタイガー・ジェットシンに心底罵声を浴びせたりしましたが、現在ではそういうこともなくなってしまいました。
何か少年ファンが憧れるような夢が無いんですよね〜。今のプロレスって。
それはそれで時代に受け入れられているのかもしれませんが・・・・。
常勝無敗のヒーロー。心底憎いと思えるような悪役。人間離れした巨体と体力。そして夢多きドラマ。
そんな古き良き時代のプロレスの復興を期待してやまない、今日この頃です。