ウルトラマン
怪獣大決戦
ULTRA MAN
LSIGAME PUSH−UP/バンダイ


Written by T鈴木

光の国から

今でこそビッグバンプロジェクトのごとくウルトラマンの商品展開に力をいれているバンダイ&円谷プロですが、電子ゲームブームであった1980年代はそれほどでもなかったんですよ。
当然ウルトラマンの電子ゲームなどほとんど発売されるわけもなく、今回紹介する「怪獣大決戦」を除けば、ポピーの「みっけてキッド」ぐらいしかありませんでした。
(電子ゲームブームが過ぎた80年代後半以降は、セレンテ版(バンダイGDと同じ形)を始め、割りと出たようですが)
ガンダムの電ゲーが「これでもか」というぐらいたくさん出たのに対し、冷遇されてたんですね、ウルトラマン。
そんなわけで、唯一無二のFL仕様であり、SDやウルトラマンキッズではない、リアルタイプのウルトラマンのゲーム「怪獣大決戦」。やはりウルトラマンはリアルタイプだぜ!(と思う)

PUSH−UP

「LSIGAME PUSH−UP」の名が示す通り、本体上部のカバーをパカっと開けると、スクリーンが登場します。
同社「どこでもドラヤキ」や、「来てよパーマン」と同じシリーズですね。
たまに古くなった本体だと「パカッ」ではなく「モソッ」と開くので注意!(油でもさしときましょう)。
ゲームは3つのパターンから成り立っています。それぞれのパターンを紹介していきましょう。


パターン1:円盤が来た!


UFOの攻撃をかわせ!

なぜかいきなり円盤に追いかけられているハヤタ!
円盤は爆弾を投下してくるので、ハヤタを左右に操作して爆弾をかわしつづけましょう。
(要するにゲームウォッチの「ヘルメット」!
2秒たつごとに20点入ります。
このパターンではハヤタの方から攻撃は出来ませんので、ひたすら逃げるしかありません。
500点までいったら、いよいよカプセルを取ってウルトラマンに変身!第2パターンへ移行します。
(このときの変身アニメはかっちょいいので必見!)


ウルトラマンに変身!


パターン2:怪獣無法地帯


4匹の怪獣相手に戦え

ゼットン、エレキング、バニラ、ドドンゴの4匹の怪獣がビルや戦車を破壊してきます。
ウルトラマンを怪獣の真上に移動させ、パンチやキックで倒しましょう。
怪獣の吐く炎や光線に当たったり、ビルや戦車が2つ破壊されればミスです。
そして何と、このパターンではBGMが鳴ります!
「胸〜に付け〜てる、マークは流星〜」のおなじみにテーマですが、やはりBGMがあると盛り上りますね!
それにしても、ゼットはともかくバニラとドドンゴとは・・・・。なぜこんなマイナー怪獣を登場させるかな〜(エレキングにいたってはセブンの怪獣だし)。


パターン3:侵略者を撃て!


スペシウム光線発射!!

このパターンはボーナスステージです。
バルタン星人が画面左上に来たときを狙って、スペシウム光線を発射しましょう。
スペシウム光線を撃てるのは3回まで。外したからと言ってミスにはなりませんが、ボーナス得点を獲得する為にすべてバルタン星人に命中させましょう。
因みに、スペシウム光線には時間制限があって、15秒以内に撃たねばなりません。
残り5秒になると、何とカラータイマーが点滅します。う〜ん、凝ってる!


外国人の限りなきチャレンジ魂

と言うわけで、この「怪獣大決戦」。マイナーな割りにとても出来がいいです。
細かい演出、派手なBGM、ダイナミックなキャラの動きと、さすが後期FLだけありますね。

「怪獣大決戦」のパッケージ

が、やはり後期だけあってとても数が少ないです(って言うかかなりレア!)。
他社のFLにも言えることですが、後期になるほど技術的には凄くなっていくのに、数は少なくなっていく・・・・。
このパラドックスがいかんともし難い事実なのです。
本当に残念ですね。

事実、この「怪獣大決戦」がネットオークションに出てくると、たちまち外人、ウルトラファン、電ゲーコレクターの奪い合いになってしまいます。
まさに「怪獣VS超獣VS宇宙人」と言うに相応しい、凄まじい入札合戦が展開されるのです!(筆者も●万●千円という常軌を逸した値段で何とかGET・・・トホホ)

ところで、筆者の友人が幸運にも新品を2個発掘したのですが(何と筆者がオークションで落とした直後!)、たちまち外人からのトレードのオファーが来て、すべて持っていかれたようです(汗)。
「今新しいパソコンが欲しいので、これは売りたいんだ!」と言っても
「ソンナノハ 後デモ 買エルダロウ」の一点張り・・・。
何か凄い話ですが、ウルトラマンは海外でも人気キャラクターなので、当然といえば当然かもしれませんね。
外国人コレクターの、コレクションにかける執念には本当に頭が下がる思いです。ギャフン。



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