3 Minutes Networking Step-by-Step
No.13

ネットワークなぜなに講座

構築第12回メールを受け取ろう

■ 構築問題 第十二問

おねーさん

おね〜さんと、

ほげたん

ほげたんのっ!!

おねーさん

3 Minutes Networking、

ほげたん

Step by Step !!

おねーさん

さて、ドメイン名をげっとして、ネームサーバ置いて、URLでのアクセスもできるようになったわね。

ほげたん

だね。内部と外部の2つのネームサーバを配置するんだね。

おねーさん

まぁ、1つでもいいことはいいけど、内部サーバもドメイン名で接続したいなら、内部のドメイン名を解決してくれるサーバが必要ってことなのよ。

ほげたん

兼用してもいいんだよね、外部と内部。

おねーさん

いいけど、外部に内部のドメイン名を解決できるようにしてしまうと、外部から内部のIPアドレスがバレる可能性があるからねぇ、ちょっとねぇ。

ほげたん

あー、なるほど。

おねーさん

さて、今回だけどさ、ほげたん。せっかくドメイン名も使えるようになったんだから、インターネットサービスのもう1つの花形、メールも使いたいなぁ、おね〜さん。

メールを送受信可能にしなさい

第十二問

[FigureSS12-01:第十二問]

  • メールをドメイン名を使って送受信できるようにしなさい
    • 現在のネットワーク構成は第十一回の問題と同じとする
    • ドメイン名として3min.jpをJPRSに登録済み
    • プロバイダのネームサーバ(name.prov.ne.jp)をセカンダリとして使用する
    • 内部同士でもメールのやりとりを行う。
    • セキュリティも考慮しなさい
ほげたん

外部からメールはくるんだよね。

おねーさん

もちろん。外部のメールアドレスに送信できるし、外部からメールもくるわ。

ほげたん

で、内部同士って、例えばフロア間どうしとか、フロア内で?

おねーさん

もちろんもちろん。社内メールって奴ね。

ほげたん

ん〜〜〜。

解答は非表示になっています。自分なりの答えができた方は表示させてください

■ 構築問題 第十二問 解答

おねーさん

さてさて、ほげたん、できたかな〜。

ほげたん

ん、うん。なんとか。

おねーさん

もちろん、外部メールサーバと内部メールサーバは分けたわよね。

ほげたん

ぎく。

ほげたんの解答

[FigureSS12-02:ほげたんの解答]

ほげたん

分けなきゃ、ダメ?

おねーさん

ん〜〜〜。そうね、メールは無理に分けなくてもいいと言えばいいわね。

ほげたん

うんうん。じゃ、これでOK?

おねーさん

ちょっと考えて見ましょ?
じゃ、まずデータの流れを書いてみるわね。

データの流れ

[FigureSS12-03:データの流れ]

おねーさん

サーバはSMTP/POP兼用サーバで、外部からはSMTP。内部からはSMTPとPOPがくることになるわね。

ほげたん

だね。

おねーさん

まず、不正中継対策をしっかりとならないといけないわね。
不正中継をするようなメールサーバをもつ会社はインターネットから隔離されるべきよ。

ほげたん

うわぉ、言い切った。

おねーさん

もっとヒドイ事言おうと思ったけど、ちょっとマイルドにしました。

ほげたん

それでマイルドなの? なんて言こうと思ったの?

おねーさん

そんなサーバ立てた管理者LANコードで首つって死ねかな?
違うかな、アンタんとこの会社は産廃垂れ流し企業と同列だかしら?

ほげたん

なるほど、それに比べればすいぶんとマイルドだね。

おねーさん

まぁ、それはそれとして、送信元IPアドレスなんかで区別して不正中継すべきね。
このネットワークのNATは前書いたから、それと合わせてこんなのとかね。

分類インタフェースIPアドレスインタフェースIPアドレス
NAPTWAN200.100.10.3LAN172.16.0.0/24
LAN172.16.1.0/24
LAN172.16.2.0/24

[TableSS10-01:NATテーブル]

送信元IP宛先IP動作
200.100.10.3*中継
**禁止

[TableSS12-01:不正中継防止]

おねーさん

大体、こんな感じで不正中継を防止する、と。

ほげたん

200.100.10.3って、内部のホストがマスカレードかかって使うグローバルだね。
内部からは転送をするけど、外部からは転送しないってことだね。

おねーさん

ん、そゆこと。まぁ、詳しくはそれぞれのSMTPサーバアプリケーションで設定方法があるから。
で、一方POP。POPを外部に公開しているということは、メールを外部から受け取れるということね。

ほげたん

それ便利かも? だって、自宅で会社のメールが見えるんだよね。

おねーさん

ん〜〜〜。どうかな。そこらへんは会社のセキュリティポリシー次第ね。駄目な会社は駄目だから。
まぁ、万が一に備えて、POPも送信元IPアドレスを固定にすべきかも。

ほげたん

社内からのみ、にするんだね。

おねーさん

そうね。こう考えてみると、2つのサーバにしてしまった方が楽といえば楽になるかも。

ほげたん

そうなの? 2つもあると大変なようだけど。

おねーさん

サーバ2つだと、こうなるわね。

サーバ分割

[FigureSS12-04:サーバ分割]

ほげたん

うん、こないだのネームサーバの時と同じ考えだよね。

おねーさん

そうね。違うのはデータの流れね。こうなるわ。

サーバ分割・データの流れ

[FigureSS12-05:サーバ分割・データの流れ]

ほげたん

なんか、ずいぶん線が多いね。

おねーさん

ポイントは矢印の向きよ。
サーバ分割により多くの利点が生まれるわ。

  1. 外部メールサーバ(mx)は、内部メールサーバ(mx2)にのみ転送を行う。
  2. メールは必ず外部メールサーバ(mx)を中継する。
  3. 内部メールサーバ(mx2)が外部に公開されない。
ほげたん

(3)はわかるよ。外部に公開されない分、セキュリティが高まるよね。
あとの2つは?

おねーさん

まず(1)。不正中継って結局のところ、「任意の宛先への中継」を許可するかしないか、よね。
サーバが1つの場合、内部からのメールを外部へ送るため、どうしても「任意の宛先への中継」を許可せざるを得ないわけでしょ?

ほげたん

うん、それをしないと、外部へメールが送れないからね。

おねーさん

サーバを分割すると、「受け取ったメールはすべて内部サーバへ転送」という設定ができるわけよ。それ以外はすべて禁止ってことになるの。

ほげたん

あまり変わらないように見えるけどなぁ。

おねーさん

そうでもないのよ、これが。メールサーバアプリケーションでは、「転送」と「中継」は別物として扱われることがあるのよ。こうなってくると、「中継」は一切禁止な分、前の「これはOK。こっちはダメ」なんていう設定より強いわけなのよ。

ほげたん

う〜ん。中継設定の穴を突かれる可能性がなくなるわけだね。

おねーさん

そうね。外部への転送はすべて内部メールサーバからのみ行うわけだからね。

ほげたん

なるほど。で、(2)は?

おねーさん

(2)は、外部からのメールは必ず外部メールサーバを中継するわけだから、この外部メールサーバの時点でチェックがかけられるのよ。

ほげたん

ウィルスチェックとか?

おねーさん

そう、あとはspamとかね。ウィルスチェックが侵入段階でチェックできれば感染の危険性が激減するし、spamをはじけるということは、各クライアントで余計な処理が減ることになるわけだからね。

ほげたん

は〜。いいことずくめっぽいねぇ。

おねーさん

特に不正中継対策としては、おね〜さん、これが有効だと思うな。
ん〜っと、あとはネームサーバのゾーンを変更しておしまい、かな?

NameTypeRData
3min.jp.SOA-
3min.jp.NSns.3min.jp.
3min.jp.NSname.prov.ne.jp.
3min.jp.MX10mx
wwwA200.100.10.14
nsA200.100.10.13
mxA200.100.10.12

[TableSS12-02:ns.3min.jpのゾーンファイル]

おねーさん

今回追加したのは色を変えたわ。MXレコードと、そのAレコードを追加ね。
あ、プリファレンスも忘れないように。

ほげたん

優先度だね。これって、プライマリは10にするのがお約束なの?

おねーさん

そういうわけじゃないけど、なんかみんな10にするわね。不思議ね。
じゃ、今回はこれでおしまい。また次回。おね〜さんと、

ほげたん

ほげたんのっ!!

おねーさん

3 Minutes Networking、

ほげたん

Step by Step !! でした〜〜〜っ!!
まったね〜〜〜!!

そんなサーバ立てた管理者
しまった、昔1度ある。慌てて不正中継禁止にした思い出が……。
逝ってきます。(プラーン)

3 Minutes Networking Step-by-Step No.12

管理人:aji-ssz(at)selene.is.dream.jp