エピソード9 グレイロード1〜復讐の盗賊娘〜

                                                          3.駅馬車出発

町長の依頼は、娘サエラの行く末を案じたもの。依頼を受けたパーティーは遂に旅立ちます。

※プレイヤーとキャラクターについての説明はこちらをご覧下さい。


■ブロークンソードの力

オブリビオン:ボクは兄上殿にドラウとやり合った経緯を確認しに行きたいのですが、フィルに同行してもらおうかな?ナイロとリラは妹さんからサエラお嬢様に関する情報を聞き出してもらえるかな?リリィさんは…、中庭でカンフーと戯れてていいよ。
リリィ:ふっ…、オブよ。ではお言葉に甘えるぜっ!とカンフーとキャッキャッと中庭に走り出す。
オブリビオン:…要らないんじゃないのその演出(笑)。
DM:…(涙)。

フィルバート:わかったぜ。俺もドラウの腕っ節がどの程度なのか聞きたいからな。あの兄弟もなかなかできる奴とみたが、二人がかりで返り討ちになるぐらいだから、余程のやつだろうぜ。

DM:オブリビオンとフィルバートは兄弟と再び会った。「オレたちはグレイロードを北に向かってリプテルを少し出たところでサエラとあのドラウに追いついた。ブロークンソード…、あいつは悪魔だ。剣の抜く手も見せず、奴の身体が翻ったと思ったら、オレは鳩尾に強烈な衝撃を受けて吹っ飛ばされていた。同時に弟は左腕の骨を折られていた」と青ざめた顔で兄は言う。「クーロン兄弟には『ブロークンソードを殺してでもサエラを奪い返せ』と依頼してある。これであのドラウも終わりだ。サエラもつまらない夢から目を覚ますだろう」と弟が言う。

オブリビオン:兄上達もサエラさんの気持ちは承知してるね。その上でクーロン兄弟に依頼しているので、ボクたちとは敵対関係にある訳だ。今の時点で彼らを敵に回さない方が良いでしょうね。て事で、町長から受けた依頼の内容は伏せておきます。ボクたちもこれからブロークンソードを追います。今の話を参考に対処したいと思います。とりあえず、この場を去りましょう。

リリィ:打撲と骨折か。ブロークンソードは剣の刃は使わなかったということだな。剣を鞘に納めた状態で殴打したのかもな。あんたたち兄弟には本気を出すまでもないということか、手加減を加えてくれたか、そんなとこだな。
オブリビオン:うおっ、いつの間に現れたの!さっきまでカンフーとじゃれていたはずなのに…。無用な殺生はしないって事かな。残虐なドラウのイメージとはちょっと違うね。かなりの実力者である事は間違いないね。

裏コメント:ブロークンソードとは何者なのか?

フィルバート:なるほど。居合いの達人ってやつだな。なかなか手強そうだぜ。何故か嬉しそうに答える俺。さっきはあんたたちの力になると言ったがどうやらそいつは確約できないかもな。だが、妹さんを助けることは約束するぜ。
DM:「ぬぐ…」、「親父は何を依頼したんだ…?」といぶかる兄弟。
オビリビオン:やばっ、気付かれる〜。ボクたちが邪魔な存在と気付かれて、先にクーロン兄弟に排除される恐れがっ!フィルを制して、ブロークンソードの陰謀でサエラが拉致されたのであれば、サエラを連れ戻してほしい、と言われたんだよ。<はったり>判定。
オブリビオン:d20+1=(18)+1=19
DM:「おお。そ、そうでしたか。よろしくお願いします」となんとなく納得した様子の兄弟。

オブリビオン:ふぅ〜、よかった。ボクたちの力量じゃ、とてもブロークンソードを倒すことは約束できないけど、お嬢様にとって最善の結果となるよう全力を尽くすよ。
フィルバート:ああ、オブの言うとおりだぜ。あー、そうだ。ブロークンソードの得物(武器)はなんだんだ?流石に相手の手の内がわからないと、俺の斧でも黙らせそうにないぜ。
DM:ブロークンソードの武器はロングソードで、魔法も操ることができるらしいとの情報を得た。
フィルバート:どうやら相手は魔法も使うようだな。…。オブ、やつと出会ったときはアドバイスを頼むぜ。接近戦になればこっちのもんだからな。それまではおまえの知識と経験に命を預けるぜ。
オブリビオン:相手が呪文の使い手ならばボクの出番もありそうですね。接近戦はフィルに任せたよ。

フィルバート:というわけで、あんたたちの知っていることがこれで全部なら、早速妹さんを探しに出掛けるぜ。


■二人だけの世界に旅立つ

ナイロ:それではリラさん、サエラお嬢様の妹君に会いに行きましょう。
リラ:りょーかい。とりあえず、妹さんの知ってる限り…。サエラお嬢様とそのドラウの馴れ初めとか、出会ってから家を出て行くまでの様子とか、何か言い残して家を出たりしなかったかとか、そういう話しを聞けばいいかしらん。
ナイロ:そうですね。リラさんの意見で良いと思います。

DM:「姉とブロークンソードがいつどこで知り合ったのかはわかりません。でも夜中にブロークンソードが誰にも知られずによくうちの屋敷に忍び込んで、姉を外に連れ出して会っていたようです」。「姉は旅立つ前に『二人だけの世界に旅立つ』と言ってましたが…、まさか二人で命を絶つようなことはないかと心配で…」と妹ははらはらと涙を流す。

ナイロ:確かに気になる発言ですね…、「二人だけの世界に旅立つ」ですか…。
リリィ:なるほど。「二人だけの世界に旅立つ」ということがどういう意味なのか…?まあ、我々にまかせて下さい、お嬢さん。
リラ:てゆーかアンタ神出鬼没ね。庭にいたんじゃないの(笑)?
リリィ:ぬふふ。NPCの特権だ。

ナイロ:大丈夫ですよ。あなたの様な大事な妹君や家族を見捨てて、自ら命を落としたりはしないでしょう。きっと別の意味があるはずですよ。と慰めます。
DM:「姉を頼みます!」とうるうるした無垢な瞳がナイロに向けられる。そして少女はほのかに頬を紅らめる…。
リリィ:な、なんだ?この乙女チックな雰囲気は…?
DM:「旅のクレリック様。よろしければお名前を?」とお嬢様。
ナイロ:私はしがない冒険者のクレリック、ナイロ・サリヴォルです。姉上の件は私が見定めて幸せになるように心がけます。どうぞ、ご安心下さい。正式的な礼儀でお答え致します。
DM:「ナイロ様…」と妹は自分の心に刻み込むように呟き、その場を走り去って行った。

リラ:あとそのお嬢様から何か借りといた方がいいんじゃない?あの犬、あてにしてるんでしょ?
ナイロ:サエラお嬢様の身に着けていたものは?なにか、受け取った事で良いのでしょうか?
DM:サエラのハンカチをもらえたことにしましょう。これは後々役立ちそうですね。
ナイロ:情報は仕入れたので、皆に合流します。
リリィ:ああ、行くか。あの少女(妹)もいなくなったことだしな。ナイロよ、あの少女おまえに惚れたな。
ぬふふ。

ナイロ:フィルさんたちと合流後、今日の午後、駅馬車で出発します。
フィルバート:俺も合流でいいぜ。
オブリビオン:フィルと同様に合流します。間に合うようなら午後便で行きましょう。
リラ:ようやくあのしつこい追っ手も撒けるかしらん。

DM:みなさん合流したということで、町長の屋敷のシーンはこの辺りで切りますか。駅馬車の停留所に行きましょう。
一同:はーい。

裏コメント:ここまでがグレイロード編のBIGプロローグです。しかし、風呂敷広げすぎたかな〜。あとは、PCのみなさんにどうにかこの風呂敷をたたんでいただければと…、丸投げしたりして。


■駅馬車に乗車

オブリビオン:移動は一週間ですよね。途中停車とかはあるんですか?保存食の準備とか必要ですね。
DM:途中に駅はいくつもあるよ。一応、保存食7日分準備しておけば目下の目的地ハイゼンベルグまでは問題なしということにしましょう。ということで、準備おねがいします。
一同:了解〜。

オブリビオン:ボクの荷物のうち、二輪馬車、ミュール、錬金術実験道具は宿屋に置いていきます。
DM:ごめんね。買ったばかりの装備を置いていく状況になってしまって。『太っ腹の穴熊亭』の主人が快く預かってくれたよ。
オブリビオン:高価な実験道具だからちゃんと管理してね。それから、ミュールの面倒もよろしく頼むよ。主人に20日分の宿代10gpを渡します。

オブリビオン:しかし、荷物が…重い…(汗)。
フィルバート:ん?オブ、そんなんで足りるのか?(小型は保存食の重量1/4ですね)。そんなんじゃ、俺なら二日持たない…って、おい!ふらふらじゃないか!
オブリビオン:バタっと倒れる…。
フィルバート:オブの食料を持ってあげます。荷物は俺に任せな。おまえはその優秀な脳味噌だけ運んでくれればいいんだからよ。グッと親指を立ててニタッと笑う。
オブリビオン:ありがとう、助かるよ。グッと親指を立てて返します。背負い袋をフィルに預けます。

フィルバート:ところで、前金の10000gpは5人で山分けか?
DM:お好きにどうぞ♪
一同:そうしましょう。
リラ:あら、前金の取り分に混ぜてもらって良いわけ?ふむ。案外こいつらに着いていけば楽に稼げるかも知れないな〜♪とほくそ笑んだりして。

DM:君たちパーティーは駅馬車の停留所に到着した。ヘヴィ・ホース四頭立ての四輪馬車は君たちの想像以上に重量感があり迫力がある。数人の街の若者が馬車の屋根に交易品を乗っけている。御者らしい一人の年老いた男がのんびりとたたずんでいる。

オブリビオン:これはハイゼンベルグへ行く駅馬車ですか?ボクたち5人乗車しますので、よろしくお願いします。
DM:「おお〜。町長の使いから聞いとるよ〜。今はちょうど乗客がおらんでの〜。全員乗れるぞい。すぐに出発じゃぞ〜」と御者の爺さんはのんびりと言う。
フィルバート:よし、じゃあ、とっとと出発しようぜ。

DM:では。駅馬車は出発しますが、よろしいですか!?
一同:おーう!!

DM:遂に駅馬車はリプテルを出発した。”灰色街道(グレイロード)”を北へと向かって。

ダイアとバレエが駅馬車を見送って手を振っている。
そしてリラだけは気づいた。ブラックハイボールがまだリプテルの雑踏に紛れて歩いている姿に…。こちらには気づいていない様子だ。
リプテルの街はどんどん小さくなっていく…。

そして想像以上のスピードで駅馬車は一気に『辺境』と呼ばれる地帯に入る。
遥か西に見える山並みは“世界の果て山脈“さらにその西には”暗黒海“が広がるということだが、”世界の果て山脈“を越えた者はそうはいない…。


DM:この”灰色街道(グレイロード)”でどのような冒険が君たちを待ち受けているのだろうか…。

裏コメント:駅馬車は無事出発しましたが、実はこれからがエピソード9の本編です(笑)。どの伏線が絡んでくるのか?乞うご期待。



<<その2へ その4へ>> リプレイ&ダイジェスト Come&Begin ホーム