エピソード9 グレイロード1〜復讐の盗賊娘〜

                                                   2.新しい仲間、新しい依頼

リラはパーティーの一員に加わるのでしょうか?そして町長の依頼とは?

※プレイヤーとキャラクターについての説明はこちらをご覧下さい。


■腐れ縁

フィルバート:あー、そう言えばナイロ。おまえの知り合いって女はどこに行ったんだ?
ナイロ:居ますよ。私の周辺に…、お得意の隠れ身を使っているだけです。今、姿を見せますのでちょっと離れていてもらえますか?私の周りに人が居ないのを確認してフィルから貰ったお酒を周囲360度に振りまきます。そして不自然に水が滴り落ちてる所(空間)を探します。

リラ:ちょっとぉ、いきなり何すんのよ、もー。カウンターの椅子の影から姿を現す。マスター、何か拭くものない?やだもう、髪べとべとするし。
フィルバート:わっはっは!ナイロも豪快だな!こいつは愉快だぜ!!あー、お嬢さん、ナイロの方が一枚上手だったようだな。ほれ、これで顔でも拭きな。リラにタオルを投げます(どこに持ってたんだ?ってツッコミは無しということで…)。
リラ:フィルに投げてもらったタオルでわしわしと頭を拭きます。ったくもー、あたしに女らしくしろっていうわりに女扱いしないんだからナイロは…。この店入らなきゃ良かったわ…。

リリィ:なんか楽しそうだな、みんな…。おり?なんだ、この小娘は?
フィルバート:ん?おお、リリィとオブか。この娘はナイロの知り合いらしいぜ。俺もどっかで見たことがあるような気がしないでもないんだよな。ところで、そっちの首尾はどうだ?金になったか?

オブリビオン:バッチリ、300gp頂きましたよ!どうも、初めまして。ボクはオブリビオンといいます。昼間っからビールかけとは、なにかお祝い事ですか?
フィルバート:ああ!これが生イッキって奴だ!!実に愉快な酒だぜ!
リラ:あのねぇ、あんたにはこれがお祝い事に見えるっていうの?ま、名乗られたからには名乗っておくわ。あたしはリラ。そこの二人(フィルバートとナイロ)とは…、そうね腐れ縁って奴?

オブリビオン:なるほど、再会のお祝いって訳ですか、って風には見えないね。ところで、どんな関係なの?
DM:何で知り合いのなのか?明かした方がプレイし易いですね(笑)。それでは明かしましょう!フィル、ナイロ、リラの出会い編です。

フィルバートとナイロはとある村で出会った。きっかけは一人の少女が酔っ払いの男数人に絡まれていたのを一緒に助けたことだ。その少女はリラと名乗った。
酔っ払いの一人が「銀の短剣を盗まれた」と激怒していたが、リラにしてみれば、おそらく男の短剣が落ちて、たまたまリラの子袋に入っただけのことだ。ただし、そんなことはリラにとっては日常茶飯事だけど。

リラは高名なローグ、ドモンの弟子であった。ちょうどフィルバートとナイロもドモンに一度は会ってみたいと思って、この村に立ち寄ったのだ。

リラの案内でドモンの家に着いてみると、ドモンが血を流して倒れていた。リラが抱き起こすと「グリーンウェルが…」という言葉を残して息を引き取った…。グリーンウェルもドモンの弟子でリラの兄弟子にあたる。ドモンの愛剣【レイピア・オブ・イーヴル・“アウトサイダー”ベイン(悪の来訪者殺しの剣)】と共にもグリーンウェルは行方知れずになった。そしてリラは旅立った、師匠の仇グリーンウェルを追う旅でもあった。

リラ:わー、知らない設定がどかどか出てきたー!フィルのキレ癖はその助けてもらったときに聞いた(あるいは実際目にした)ということで。
DM:一応、リラの設定からずれないようには努めましたが。
リラ:この辺りが中途採用のむずかしいところですねー。どーぞ、ばしばし設定しちゃって下さいませ(笑)。そーだったのか!というサプライズも楽しいものです。
フィルバート:了解。フィルは女子供を助けるの日常茶飯事なので、現在リラのことは忘れていることにしてください。

裏コメント:ようやくここで、”過去の事実”の設定を発表するタイミングもあまりよろしくないですね。プレイヤーも少なからず対応に戸惑っていたようです。悪いマスタリングの例です(汗)。

DM:ちなみにリラの記憶。グリーンウェルは白金の長髪で女性のような外見で常に優しい笑顔を浮かべている青年だった。リラにもとても優しい兄弟子であった。人間です。美形キャラ登場♪
オブリビオン:美形?ナイロのライバル登場ですね(笑)。

フィルバート:ナイロとは旅に出たばかりのときに知り合った親友という設定ではどうでしょうか?直情的なフィルと冷静なナイロは正反対の性格ですので、お互いに認め合っている感じで。炎のフィルと風のナイロってところでしょうか。
ナイロ:OKですよ。
フィルバート:では、マブダチということで(笑)。
DM:ではそうしましょうか。
オブリビオン:なんだか軽々しく設定を覆したーっ!

裏コメント:DMとプレイヤーが一緒に納得できる設定を作り上げて行くのは良いことだと思います。


■リラ、パーティーに加わる

リラ:ちなみにあたしは現在この場から遠ざかることしか考えておりません。理由は追っ手に追いつかれたというのと、顔見知りがいると動きづらいということの2点。それじゃよろしくっ!
オブリビオン:「お父さん、外で怖いおじさん達がウロウロしてるよ。誰か探しているのかなぁ?」とダイア。マスターの娘登場。
DM:うお!勝手にNPCになって…。しかもなんだ「怖いおじさん達」?ブラックハイボールは一匹狼だぞ。まあいい…。
オブリビオン:フィル、また外で誰かに喧嘩売ったんじゃないだろうね?て事で、「外は危険だよ〜」という雰囲気を漂わせる(笑)。
DM:そうだ!外は危険なのだぞー。リラはパーティーと合流した方がいいんじゃないかという雰囲気作りに便乗する(笑)。

リラ:ま、予想通り外に張り込んでるか…。ともかくどうにかこの店を出なきゃまずいわね。マスターに頼んで裏から逃がしてもらってもいいんだけど、せっかくお人好しがいることだし、追っ手を撒くまで利用させてもらいますかっ。と、心で舌を出しつつ…。
リリィ:ぬ?

リラ:…ねぇ、ナイロ。しばらく一緒に動いてもいい?外にいる奴はお察しの通り、あたしを追ってる。フィルと、そこのいかついおっさんが一緒にいれば追うのを諦めてくれるかもしれない。あんたたちには迷惑をかけるつもりがないし、一緒にいる間はあたしに出来ることがあれば協力する。かよわい女の子を助けると思って一つ、ね?
ナイロ:…。
リリィ:ふんぬーっ!誰がいかついオッサンじゃー。ワシはリリィ・オンザヒルという立派なドルイドだ!なあ、みんな?
オブリビオン:立派かどうかは微妙だけどね。
リラ:おっさん、あんた顔と名前に違和感ありすぎ(笑)。

リリィ:そしてワシの傍らに控えおるのは、忠犬カンフーだっ!
DM:しかし、どこにもカンフーはいない…。
リリィ:(裏返った声で)カ、カンフー?どこ?
DM:…というどうでもいい描写はおいといて…。

フィルバート:ナイロの顔を見つつ、まあ、俺の方はかまわんが…。ところで、お嬢さんは何で俺の名前を知って…って、あー!あのときの女の子か?!また酔っ払いにでもからまれたのか?懲りないやつだなぁ。
リラ:そ。久しぶり。相変わらず元気そうじゃない。
オブリビオン:ナイロとフィルの知り合いならボクに断る理由はないよ。ねぇリラ、この人達は頼りになるから安心していいよ!
ナイロ:私達と行動するのでしたら、トラブルは起こさない様にお願いしますね。
リリィ:ご意見番の許可が下りたようですな。
リラ:ラッキ〜♪

DM:ということで、一応、リラもめでたくパーティーの一員になりましたね☆

裏コメント:PCの素敵なロールプレイのおかげで、とりあえずリラはパーティーの一員に加わったようです。


■町長の屋敷へ

オブリビオン:そういえば、フィルたちの活躍が街の噂になっているみたいだよ。なんでも町長がボクたちに会いたいってさ。相談ごとらしいけど、どうする?
フィルバート:いったい何だろうな?話はとりあえず聞いてやろうぜ。
オブリビオン:町長の家はどこでしょう?『太っ腹のアナグマ亭』のマスターに聞いてみましょう。マスター、この街の町長の家はどこですか?なにか困りごとを抱えている様ですけれど。

DM:「へい?なんでげしょう?町長の家なら…(場所を説明した)…でごぜえやす。困りごとについては、あっしは存じませんです」とマスター。
リラ:マスターの芸風が変わってる(笑)。
オブリビオン:ナイス突っ込み(笑)。思いっきり下っ端風になってるじゃん。こんな人じゃなかったのに〜(エピソード8のDMより)。
DM:あ、あれ(汗)?

オブリビオン:じゃあ皆で、町長の家に行ってみようよ。
フィルバート:ああ。早速行ってみほうぜ。って、あれ?カンフーがいないのか?また発情でもしているんじゃないか。
DM:「カンフー、おいで。おっちゃま、カンフー連れてきたよ♪」とダイア。
リリィ:おお。戻ってきたか、カンフー。よし行こう、皆の衆。

DM:それでは町長の屋敷に向かいましょう!…着きました(笑)。
一同:うお!


■兄たちの依頼

町長の屋敷は見事な豪邸だった。品の良さそうな召使いに招かれて屋敷の中を歩いていると、二人の青年が行く手を塞ぐように立って入る。
召使いが「これは、お坊ちゃまがた…」と言うのを遮るように、「あんたたちが親父の雇った冒険者か?」と聞く。お坊ちゃん風だがそれなりに武芸の心得がありそうな精悍な男たちだ。一人は片腕を包帯でつっている。かなり憤慨しているご様子だ。


オブリビオン:ボクたちは、相談があると言うので来ただけですよ。
フィルバート:いや、まだ返事はしてないぜ。っていうか、まだ話すら聞いてないぜ。
リラ:そもそも、会って話しを聞こうとしたら呼び止められたんだけどねー。
リリィ:そういうことだ。

DM:「そうか。それはすまなかった…。しかし、親父があんたたちに依頼したいことはわかってる。妹のサエラをあのドラウ(闇エルフ)野郎から連れ戻してくれ」と片方の青年が言う。
フィルバート:妹さんが誘拐だとぉ!?そりゃ大変だ!このフィルバートあんたたちの力になることを約束するぜ。
リリィ:は、早…。
フィルバート:というわけで冷静な交渉は他の皆さんにお任せします…(笑)。
DM:「おおー。頼もしい冒険者さんだ。他のみなさんもよろしく頼みます」と青年は涙を浮かべてフィルバートとガッシリ握手。
オビリビオン:早っ(笑)。一応交渉はオブとナイロでやりましょう。
ナイロ:交渉はオブちゃんに任せます。私は前半飛ばしすぎちゃいましたしね(笑)。

オブリビオン:では、その腕はどうされたんですか?
DM:「二日前にドラウにサエラが連れさらわれた時、オレたちはすぐに後を追ったんだ。だが、奴にやられて弟はこんな目にあわされた」と話した男は、腕を包帯でつっている男の方に目をやる。

オブリビオン:出目10でドラウ(闇エルフ)の知識を【知力】で能力値判定をしておきます。判定結果は14です。
DM:ドラウは地下に棲む堕落した悪しきエルフ支族である。漆黒の肌をしているのが特徴だ。一般的には属性は”中立にして悪”。

オブリビオン:妹さんの件はボクたちも力になれると思います。ちらっとリリィを見る。このおやじ、きっと頭の中で報酬の計算してるな…。
リリィ:悪魔的な笑みでニヤリとオブに笑いかける。
オブリビオン:気になるのは相手がドラウって事ですね。彼らは地下に住む種族のはずでは?いずれにしても詳しくお話を聞きたいですね。町長さんの所へ案内して頂けますか?と、召使いを見る。


■母と妹の依頼

「それではこちらへ…」とさらに召使いに招かれて屋敷の中を進むと、廊下の壁に寄り添って二人の女性がすすり泣いている。
召使いが「これは、奥様とお嬢様…」と言うと、奥様が「あなた方が主人のお呼びになった冒険者の方々でしょうか?」と聞く。気品に満ちた美しい女性だ。

ナイロ:はい。なにやらご相談事があると聞き及び参上した次第で御座います。
DM:「それはご苦労様です」と奥様。

フィルバート:細いことですが、二兄弟、召使い、母親の年齢はどのぐらいに見えるのでしょうか?
DM:兄弟は20歳前後、母親は40代、召使いは50代後半といったところ。ついでにお嬢様は15歳くらいでしょう。

DM:お嬢様は小声で「姉はブロークンソードと愛し合っていました…」と呟く。
ナイロ:ブロークン…ソード…?その言葉を気に止めておきます。
DM:さらにお嬢様は続ける、「姉はブロークンソードを追って行ったのです。ハイゼンベルグへ行くと言っていました。そこでブロークンソードと二人だけの世界に旅立つと…」と言って、はらはらと涙をこぼす。お嬢様は大事に育てられた庭園の花のような可憐さとはかなさをあわせ持ち、母に似た美しい女性だ。

フィルバート:そのブロークンソードって奴は何者なんだい?
DM:「ブロークンソードはドラウです。ああ、サエラ。悲しい運命の子…。所詮、ドラウと共に叶う幸せなどないでしょうに…」と奥様。そして言う「主人と会ってくださいな」。
リラ:…じゃあ誘拐じゃなくて駆け落ちなんじゃないの?家族の言葉や態度に複雑な表情を浮かべる。
フィルバート:む、むむむ?良くわからなくなってきたぞ。ということは俺の斧でドラウを黙らせるのはまずいってことか?俺の頭じゃもう一杯一杯になってしまったぜ。

リリィ:ふむ。兄弟が言っていること、このお嬢さんが言っていること、ワシらがどちらを信用するかだな。
オブリビオン:どちらも正しい事を言っているとも考えられますよ。誘拐は事実。ただし、お嬢様(サエラ)はそれを望んでいた。現時点では判断できないね。
ナイロ:だれが何を言おうと真実は一つですよ。ただ…、これから依頼されるのであれば、その依頼と真実とは違う方向を向いているかもしれませんね。

オブリビオン:お嬢さん、その話、後で詳しく聞かせてもらえませんか?ボクたちがご主人に呼ばれてここに来たことはご承知の事ですが、実は肝心のご主人からまだお話を伺っていないんですよ。それから、二人の兄上殿からも詳しくお話を伺いたいですね。ボクの研究や実験では恋する気持ちって分からないからなぁ。どうも色恋沙汰は苦手だな…。真の依頼主である町長はこの街の権力者でもあるから、なにか別の思惑がなければいいんだけど。では、町長の話を聞きましょう。

裏コメント:単に仕事を依頼するだけではつまらないので、真の依頼者(町長)が登場するまでに、冒険者に期待と不安を煽らせる二重、三重の依頼者を登場させてみましたが、どうでしたかね?


■町長の依頼

召使いに最終的に案内されたのは静かな一室であった。町長は初老の男ではあるが『辺境』に程近く、邪悪軍の侵攻にも屈しない活気のある街の代表者らしく意志の強そうな顔つきである。しかし、どこかくたびれた感じが漂っている。
召使に耳打ちをされた町長は「だいたいのことは家族から聞いてくださったようですな」と言う。


オブリビオン:ボクたちが聞いた話は、お嬢様がドラウに連れ去られた事、お嬢様を連れ戻してほしい事、お嬢様がドラウに恋していた事です。この話に間違いはありませんか?

DM:「ふむ。私も家族から話は聞いた…。そうだな。そのドラウの話からしようか」と町長。

20年前くらいから、ブロークンソードと名乗るドラウがリプテルから少し離れた丘に住み始めた。ドラウということで街の人々は恐れていたが、私の知る限り今まで不思議と街で問題を起こしたことはない。一方で、ブロークンソードは“ライス・キャッスル”でも最も凶悪な暗殺者ギルド”狼牙会(ウルフファング)”の”四長老”の一人という噂もある。

DM:暗殺者ギルド”狼牙会(ウルフファング)”の”四長老”に興味がある方は【知力】判定をどうぞ。
オブリビオン:【知力】判定します。あまり関わりたくないなぁ。
オブリビオン:d20+4=(18)+4=22
フィルバート:流石ですね。【知力】になるとオブの本領発揮!エピソード8ではこれが足りなかったんですよ♪

リラ:暗殺者ギルドねぇ…。じーさまから聞いた記憶あったかなぁ。
リラ:d20+3=(2)+3=5
リラ:そういえば。「ドジが過ぎるとローグギルドからアサシンギルドに依頼が行って消されるぞ!」っていっつも怒られてたっけなぁ。
DM:師匠ドモンにそんなこと言われてたのかもね〜。

DM:オブリビオンは流石の【知力】です。オブリビオンの知っている知識です。

”狼牙会(ウルフファング)”の暗殺者の中でも、特に最凶の暗殺術を持った四人の暗殺者がいた。人によっては、単に気まぐれな、あるいは偏屈な、あるいは何事にも無関心などの一風変わった暗殺者たちであるという者もいる。いつしか彼らは“狼牙会”の”四長老”(”アサシンギルドの四長老”)と呼ばれるようになった。
彼らは別に老人というわけではない。あるいは本当に老人かもしれない。というのも、彼ら四人全てを知る者はほとんどいないと言われている。なぜなら彼らがどんな種族であるかすら不明なのだから。現在は“狼牙会”を脱退しているというのがもっぱらの噂である。

オブリビオン:ドラウがもし”四長老”の一人だとすると、かなりの危険を覚悟する必要がありますね。ところで”四長老”に狙われる心当たりはあるんですか?
DM:「いや、そんな心当たりはない。しかし、ブロークンソードが娘のサエラと街を出て行ったのは事実だ。次女の話ではブロークンソードとサエラは愛し合っているのだ、と言う。行き先は『辺境』の村ハイゼンベルグ。かつて恐ろしい力を持った女吸血鬼に支配されていた忌まわしい村だ。なぜその村に向かっているのかはわからないが」と町長は言う。

DM:さらに町長は続ける、「娘が決めたことであれば、私は止めはしない。所詮ドラウと共に過ごせる安住の地が仮にあるとすれば、『辺境』にしか望めないのだから。しかし、私もこんな年になるとこの世界の固定観念というものに縛られてしまってな…。“ライス・キャッスル”でドラウと言えば邪悪な種族以外の何物でもない。過去の忌まわしい歴史が証明している。やはりサエラはブロークンソードにさらわれたのではないか?!しかし、最近ではブロークンソードが邪悪軍から街の人を幾度か救った、という噂もある」 。
フィルバート:よくわからねぇが…。外見や先入観で人を判断するのは良くないぜ…。

オブリビオン:ご子息殿は実際にドラウに襲われたと言っています。そして今のお話ですとお嬢様がブロークンソードと街を出たところも目撃されています。でも、これらのことはあなたにとっては全て人から聞いた話のようですね。娘の気持ちを止める気持ちはないという反面、ボクたちのような冒険者を呼ぶというのは、なにか他に気になる事があるんじゃないんですか?
ナイロ:ここまでの話を聞く限り、ブロークンソードは最近良い行いをしているみたいですね。しかし、昔の噂を考えると不安という事ですね…。とにかく、話だけでは解かりません。町長殿、私たちに正式にお嬢様の救出あるいはブロークンソードが善人である事を確める依頼をなさいますか?依頼されるのであれば、私達は全力を尽くす次第です。礼儀正しくお辞儀します。

DM:「おお!私が期待したとおりの方々だ!私からの依頼もまさにその通り。君たちにサエラとブロークンソードに会って真意を確かめてもらいたいのだ。本当にサエラとブロークンソードが愛し合っているのであれば、目的地まで見守ってほしい。ブロークンソードの陰謀でサエラが拉致されたのであれば、サエラを連れ戻してほしい。結果はどうあれ、再びこの街(リプテル)に戻ってきて『この出来事の結末』を聞かせてほしい」と町長は興奮して言う。

リラ:町長の発言に対して<真意看破>判定。ま、話しとしては筋が通ってるけど…。ドラウと娘が駆け落ちしたのを場合によっては黙認とは、理解があるのか、はたまた裏があるのか?はて。
リラ:d20+5=(15)+5=20
DM:なんの!<はったり>で対抗判定だ!…って、町長は嘘を言っている様には見えないよ。
オブリビオン:流石ですね、リラ。町長は白ですか。

オブリビオン:ナイロがやる気なのでボクも従うよ。人の心を惑わす秘術呪文も存在しますからね。お嬢様の無事を確認する事が先決ですね。誰もが思っているのと同様にボクもドラウに対する印象は良くないです(フィル、ごめんね。先入観で見てます)。
フィルバート:そんな魔法もあるのか。おまえがいなかったら俺はうっかり騙されてしまったかもしれないぜ。流石オブだぜ。

ナイロ:サエラお嬢様の身体的特徴を教えて頂ければ探し易いのですが?可能であればブロークンソードの方も知りたいですね。
DM:「サエラは妹とよく似ているので、君たちが先ほど会った妹の面影を頼りに探せばよかろう」と町長。「ブロークンソードに関しては、私にはドラウという印象が強烈でしてな…。見た目は若い青年のようだ。大抵は黄色い着物を着て、青い長衫(ちょうさん)を羽織っている」と町長。

ナイロ:それと…、チラッとカンフーの方を見て、サエラお嬢様が身に着けていた物があればお貸し願いたい。我らの友犬の鼻が役に立ちます。
DM:しかしカンフーはソファーの下でスヤスヤ寝ている。そしてソファーの上ではリリィがガーガー寝ている…。
オブリビオン:妙に静かだと思ったら、そんなオチか…、ナイス!

裏コメント:DMやっていると、どうしてもリリィ(NPC)のロールプレイがおろそかになってしまいます…。

DM:「あとでサエラの部屋に案内いたしましょう…。だけど、その犬寝てますけど」と町長。
ナイロ:案ずる事は御座いません。役どころを心得ている犬ですから、用事が無い時はこの様に休んでいます。
DM:「そ、そうであれば安心ですな」と町長はナイロの言葉に説得された(笑)。
フィルバート:うーん、流石ナイロ。

裏コメント:この辺りのナイロのロールプレイには冷静さと鋭さを感じますね。プレイヤーまりあさんの成長が伺えます。「D&Dの世界なのでリアリティを出す事にチャレンジ中です!」(本人談)とのことです。

フィルバート:ナイロとオブを関心して見る。流石、俺のマブダチだぜ。まあ、要するにサエラお嬢さんの希望に沿うようにすればいいってわけだな。ナイロとオブが引き受けるってんなら、俺も賛成だぜ。

DM:「そうですか。引き受けてくださいますか!」町長は涙を浮かべて喜んでいる。さらに「報酬は前金で1000gpです。君たちが戻って来たらさらに1000gpだす」と付け加える。
リリィ:ぴくっと目覚める。

オブリビオン:ところで、『辺境』の地へはどうやって行くんですか?
DM:「それにはうってつけの物がある。グレイロードを行き来する駅馬車が今日の午後リプテルを出る。それに乗って行ってはどうかな。目的地のハイゼンベルグはちょうど駅の村だ。一週間ほどで到着するだろう。
ハイゼンベルグまでの交通費も私が出そう」と町長。
オブリビオン:太っ腹〜♪

DM:「最後に忠告しておこう。注意してほしいのは、息子たちがサエラを取り返すために、君たちの他にもう一組、賞金稼ぎを雇っているということだ。『辺境』でも凄腕と呼ばれるクーロン兄弟だ。場合によっては君たちの敵となるかもしれない…」と町長。
ナイロ:かなりの冒険家なのですか?
DM:「クーロン兄弟は冒険者としてもかなりの者たちだろう。金次第でどんな汚い仕事でも確実に遂行する連中のようだ」と町長。
ナイロ:少し厄介な方達のようですね。要注意と言った所でしょうか…。オブちゃんに視線を移します。
オブリビオン:クーロン兄弟はボクたちとは別の依頼をサエラさんの兄上から受けていますね。恐らく、ドラウを殺してでも強行にサエラさんを連れ戻すような。サエラさんが本当に自ら望んでブロークンソードとの暮らしを選んだならば、こいつ等はかなり厄介な存在になるね。兄上殿にお願いしてクーロン兄弟への依頼を取り消してもらえないでしょうか?
DM:「もう無理だ。すでに猟犬は放たれた。我が息子ながら短絡的な行動に出たものだ…」と少しくたびれた感じの町長。

オブリビオン:依頼はたしかに引き受けました。どんな結果になろうとも真実をお伝えする事を約束いたします。
リリィ:ジュル…(涎をすする音)。ご安心めされい!我らがパーティーめが、きっとサエラお嬢さんの真意を聞き出し、滞りなく事態を収拾させましょうぞ!行くぞ!皆の衆。いざ!駅馬車へ。GO!
オブリビオン:おっさん、今まで寝てたくせに切り替え早いなぁ。

フィルバート:わかった。そうと決まれば早速行動しようぜ。ところで、リラ、おまえはどうする?おまえも誰かに追われているみたいだし、とりあえず俺たちと一緒に行動するか?もっとも、こっちのほうが危険かもしれないんだがな。ニヤリ。
リラ:ま、1人でいるよりは取れる手段は増えるし、しばらくやっかいになるよ。報酬の分け前も欲しいし。
オブリビオン:ここには頼りになる仲間が大勢いるからしばらく一緒にいたほうが安全だと思うよ。
リラ:あのおっさん(リリィ)も?まあ人は見かけによらないとか言うし、しばらくお手並み拝見と行きましょ♪
リリィ:小娘よ。いずれワシの実力を嫌と言うほど目の当たりにすることになるだろうよ。ガハハハー。

オブリビオン:ちょっと待って。妹さんや奥様にサエラお嬢さんとブロークンソードの関係を聞き出したり、兄上殿からクーロン兄弟への依頼内容とか、怪我を負った経緯とか確認した方がいいんじゃないの?
DM:慎重ですな。家族に質問してもいいですよ。みなさん屋敷におりますので。

裏コメント:この辺りは、情報の出しすぎでプレイヤーが混乱しないか?心配でした。



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