エピソード13 マジックブルーケース

                                                        6.”箱”が開くとき

アニッコ先生が残したヒントを解読したパーティー。タングの街で女性ドワーフの理容師を捜索する。はたして”箱”は開くのか。

※プレイヤーとキャラクターについての説明はこちらをご覧下さい。


■タングの理容師

DM:では、タングの街で情報収集です。各自<情報収集>判定を2回までお願いします。

オブリビオン:「タングの理容師」について2回<情報収集>します。
オブリビオン:1d20+1=(1)+1=2
オブリビオン:1d20+1=(1)+1=2
オブリビオン:なんなんだー!この奇跡的な出目は(涙)。他の方にお任せします・・・。
フィルバート:もう神の領域ですな(笑)。
DM:たしかにある意味奇跡。何も情報を得ることはできなかった。

ジョナサン:2回とも「ドワーフの女性の名前」について聞いて回ります。
ジョナサン:1d20+1=(10)+1=11
ジョナサン:1d20+1=(20)+1=21
DM:タングの街に女性のドワーフの理容師がいることがわかりました。名前まではわかりません。ただし、床屋の場所はわかったことにします。

オブリビオン:その床屋に行きたいですね。
ジョナサン:えーと、大通りを進んでパン屋の角を右に〜、といった感じで伝えてます。
フィルバート:じゃあジョナサンの調べたところから当たってみるか。
ナイロ:そうですね。一つづつ当たって見ましょう。
リラ:ここは急いだ方がいいんじゃないの?
オブリビオン:時間も限られてるから、早速行ってみようよ!とりあえず床屋で女性ドワーフに会ってみようよ。

DM:床屋に行く方向でよさそうですね。


■女性のドワーフ

時刻は昼の2時頃。君たちはジョナサンの得た情報の女性ドワーフの理容師がいる床屋に向かった。
床屋は客もなく閑古鳥が鳴いている。ずんぐりした女性のドワーフが煙草をふかしながら、けだるい雰囲気で店の中から窓の外を眺めている。
「お客さんかい。散髪と髭剃りで銀貨5枚だよ」
ハスキーな声で女性ドワーフの理容師が言う。

フィルバート:いや、俺はそもそも髪もヒゲも切るなんて考えたことも無いんだがな。人間ありのままが一番だぜ。
リリィ:ワシもこのヒゲがチャームポイントだからな。ワサワサとヒゲをまさぐる。
オブリビオン:そういえば、長旅でボクの髭と髪も結構荒れ放題だな・・・。それじゃ、ボクの髭と髪を整えてもらおうかな。5spを払って椅子に付きます。そして、女性ドワーフに髭が無い事を確認。
DM:この女性のドワーフには当然ヒゲはないよ。
フィルバート:個人的にはオブが角刈りとか似合わない髪形になるのを望みます(笑)。
リリィ:かくかくじかじか…、えーと、ここをこうカットしてだな…。
オブリビオン:オッサン、勝手に指示を出すなよ。この町で、女性ドワーフの理容師はあなただけですか?随分と腕がいいと聞いたのもで、友人のノームにも紹介したいのですが、お名前を伺ってよろしいですか?
DM:「ああ。タングには何人か理容師がいるけど、ドワーフはわたしだけだね。名前かい?わたしはエドノールという名前だよ。ノーム?そういえばあの”テックル”のノームは顔出さないね。タングに来たときは必ずうちの店にくるんだけどね」。
フィルバート:もしかしてアニッコ先生のことか?
DM:「あらま。あんたたちアニッコさんを知っているのかい?先生は元気かい?」。
フィルバート:…アニッコ先生は亡くなったぜ。店から静かに退場します。情報収集は他の仲間に任せた。
ナイロ:ドワーフと言う事なので私もフィルと外に出ておきます。ハーフエルフですが、ドワーフに偏見は無いまでも良い感じは持っていないはずなので。今のところはですけど。
フィルバート:それ重要ですね。やっぱりエルフとドワーフは仲が悪くなくっちゃ♪
リラ:とりあえずフィル達と一緒に表にいましょ。

ジョナサン:あなたの名前の綴りを教えて頂けないでしょうか。この件にはアニッコ先生が関わっており、今の我々には綴りが必要なのです。
DM:綴りは「EDNOLL」です。
ジョナサン:うーん。文字数が合わない。

DM:「そうかい。先生は亡くなったのかい」。オブの頭を坊ちゃん刈りにしていたエドノールは寂しげに肩を落とす。
オブリビオン:こらーッ!なにやってくれてんだよ!と、ますますとっちゃん坊やになってしまったボク。髭はちゃんと残しといてね〜(泣)。
DM:テカテカの坊ちゃん刈りになってしまったオブリビオン。もちろんヒゲもきれいになくなっている。
リリィ:オブよ。ナイスなイメチェンだ。
オブリビオン:これじゃ、人間の子供と変わらないよ。

裏コメント:髪型など細かい設定で遊べるのもキャラの設定がしっかり固まってきた証拠ですかね。

DM:「それなら、あんたたちにアニッコ先生からの伝言があるよ…」。
オブリビオン:エドノールさん、アニッコ先生からの伝言ってなんですか?ボクたち先生に頼まれて”箱”を持ってるんです。ひょっとして、それに関係することでしょうか?
DM:「”箱”なんてものは知らないけどさ。アニッコ先生にもしものことがあったら、先生の使者に伝言を頼まれているのさ。それは…」

”1つの言葉が新しい扉を開ける”

DM:「これが伝言だよ。なんのことやら」。エドノールはまたけだるそうに煙草をふかし始める。 みなさん、もうわかったかな?

裏コメント:賢明な読者のみなさんも分かったでしょうか?

オブリビオン:そうか!みんな!”箱”の開け方が分かったよ。リラから”箱”を借ります。
リラ:ん、何かヒントでも聞けた?って…うわっ、何その頭(笑)。
DM:そういう細かいリアクションはナイスです♪
リラ:とりあえず”箱”を渡す。
オブリビオン:エドノールさんは”箱”を開けるヒントをアニッコ先生から聞いていたんだ。それは「新しい扉(=NEW DOOR)」だよ。”箱”のダイヤルの文字を並び替えてみます。

「O」「N」「E」「W」「O」「R」「D」(1つの言葉)
を並べ替えて、
「N」「E」「W」「D」「O」「O」「R」(新しい扉)
へ…

DM:”箱”の蓋の7つの回転輪は「NEWDOOR」を表示する並びになった。さて、蓋を開けてみますか?キーワードが間違っていると電撃ですよ。
オブリビオン:文字を並べて、そのままボクが開けます。
DM:勇気がありますね。プリティーな髪型になったオブリビオンが”箱”の蓋を開けると…

”青い魔法の箱(マジックブルーケース)”は開いた…。中には拳大の緑色に輝く植物の”種”のようなものが入っている。

オブリビオン:開いた!・・・ん?種かな?そうか、箱を持ってきたドルイドが言っていたのは、この事だったのか。この種を”嘆きの森”へ届ければ、邪悪軍の侵攻を防げるかもしれないよ!フィル、ナイロ!
フィルバート:おお!開いたか。やるじゃないか。歓喜の声を上げる。髪型も決めてますますお前の頭に磨きがかかったようだなぁ。
リリィ:そうだろう。
オブリビオン:いや、髪形は全然決まってないんだけど…(笑)。
ジョナサン:これなら人間の子供を装って危うい所に忍び込んで立ち聞きとか、そういう事が難なくできるに違いありません。
リリィ:フォローありがとう。
ジョナサン:箱の中の拳大の緑に輝く”種”を見て。こ、これが”種”ですか、奇妙な見た目ですね。

DM:どうやら謎は解けたようですね。さて、”種”も出てきました。これからどうするか宣言をお願いします。

裏コメント:今回のシナリオのテーマとして謎解きを入れようと思っていました。パーティーが無事に答えにたどり着いてくれたのでDMとしても胸をなでおろしました。


■”種”の扱い

ナイロ:この”種”を”嘆きの森”に持って行けば邪悪軍の侵攻を防げる?どう言う事でしょう。
オブリビオン:それは分からないけど、世界を救う鍵だってアニッコ先生が言ってたよ。”嘆きの森”のドルイドに見せればなにか分かるかもしれない。
ナイロ:とにかく、”種”だけ持ってても仕方ないですし”嘆きの森”に向かいますか?
オブリビオン:うん、行こうよ!
フィルバート:そうだな。そいつを無事、森に届けることがアニッコ先生の供養になるだろうぜ。
ジョナサン:そうですね。
リラ:森に行くのは賛成なんだけど、ちょっと手がかりが漠然としすぎてる気がする。森に行けば分かるシロモノなら良いんだけど、そうでなかったら森で右往左往して間に合わなーい、なんてことになったら後味悪すぎるしねぇ。とりあえず、「森のドルイドたちに会う」、「アニッコ先生の研究について、町に”箱”を届けたドルイドについて調べる」って感じかしら。
フィルバート:うむ。確かにリラの言う通りかもしれないなぁ。森は広いだろうからなぁ。目的地点がわからなければ、いくらドルイドのリリィとハーフエルフのナイロでも見つけられるかどうかわからないしな。ヴァーホーさんあたりが何か聞いてないかな?

DM:”嘆きの森”に向かう方向でまとまりつつありますが、ヴァーホー三世に会うという案もでていますね。ここで街の状況の描写を。タングの街がにわかに騒がしくなる。

「”嘆きの森”から邪悪軍が攻めてくるぞ」
「キュプラ男爵の兵は1500人。邪悪軍の兵の数は圧倒的だって話だ」
「だめだ。もう終わりだ」
「夜には”嘆きの森”に侵攻するらしいわよ」
「邪悪軍のモンスターは夜でも平気で行動するんだってよ」
「ゴルマン本隊はどうした」
「だめだ!ゴルマン王都からの増援は間に合わないらしい」

DM:現在14:30。タングから”嘆きの森”までは4時間くらいです。さてどうしますか?
オブリビオン:それは真っ直ぐ”嘆きの森”に行かないと邪悪軍の侵攻に間に合わないってことじゃないですか!
リリィ:なんという強引な”引き”だ。
オブリビオン:町の混乱を見て言います。ヴァーホー三世に確認してる時間はないみたいだね。”嘆きの森”に入れば侵入者のボクたちをドルイドたちが発見する筈だよ。その時、”箱”とアニッコ先生から預かった指輪を見せれば、意志を伝える事ができると思うよ。
フィルバート:ああ。どうやら時間がないようだな。ここは森でのリリィとナイロの直感に任せるか。

ジョナサン:差がどれだけ縮まるか分かりませんが、リラ、ナイロ、オブらの為に馬を借りて、全員が30フィートで森に進めるようにしたいのですが、どうしましょうか。
フィルバート:急ぎということなので、馬が確保できるなら良い案だと思います。
オブリビオン:馬を借りるのなら、ナイロかリラに交渉してもらって、少しでも安く借りられないかなぁ。ボクたちはタングを救う救世主です、みたいな感じで町人の協力を得るとか。もし、お金が必要ならばボクが出しますよ。

DM:”嘆きの森”まで約10マイル。時間との争い。馬を購入するか?こういう葛藤は今までありませんでしたね。今回のシナリオは今までにない試みがあってDMとして楽しいです。徒歩で移動すると、一番移動速度の遅いオブリビオンに合わせるので5時間ですね。ライト・ホースを購入、オブリビオンはポニーを購入すると2時間半で到着します。ただしジークンドーは乗り物に乗れない(馬車は別)ですが、ポニー並みのスピードで2時間半で到着可能です。

パーティーの相談が始まった。そもそもD&Dの世界設定のベースになっている中世時代は馬のレンタルというのが存在したのか?という疑問もありつつ、そこはDM裁量で冒険世界”ライス・キャッスル”はレンタル可能ということに。オブリビオンがお金を出すことで、ウォーポニー1頭と、ライト・ウォーホース1頭をレンタルすることになった。

DM:よし!準備もOK。ウォーポニー1頭とライト・ウォーホース1頭を借りて歩みの遅い者、荷物を載せてパーティーは”嘆きの森”へ向かいます。

裏コメント:我々が行っている掲示板セッションではオフセッションに比べて非常に時間がかかるので、このような相談には不向きなのですが、プレイヤーたちは根気よくプレイしてくれています。感謝です。


■”嘆きの森”、魔将軍現る

君たちは高い丘の上で眼前に広がる絶景を眺めている。
眼前には急峻な岩山がタング国境を囲んでいる。あたかも自然の城壁だ。一箇所だけ深い渓谷があり、そこには緑豊かな深い森が広がっている。それが”嘆きの森”である。
”嘆きの森”の先に広がる遥かなる平原の地平線からかすかに砂塵のようなものが渦巻いている。何かの大軍が迫ってきているのだ。そう、それは邪悪軍に他ならないであろう。

君たちは急いで丘を下りて”嘆きの森”に入る。馬は入れないので森の入口の木に手綱を繋ぐ。”嘆きの森”に入るとすぐ、ジークンドーが「ウホ!」と警戒した様子で前方に注意を向ける。

森の中でそこだけ照明のように明るい陽が射している。静かな佇まいで陽の光を浴びる一人の男。
ウェーブがかかった真紅の長髪。紅いマントに全身紅い装束。背中には孔雀のように赤や白の大きな羽を差している。顔は女性のように濃い化粧。紅いルージュにアイシャドウ。大きな瞳が濡れ光っている。自分の置かれている状況に酔いしれているかのように。

「美しい…」

男はひとりごちてから、君たちの方を見る。

オブリビオン:自己陶酔してる変なキャラが登場したよ(笑)。
DM:「遅かったな。もうすぐザメンホフの軍勢がこの森に到着する。”箱”の中の”種”は持ってきてくれたか」
ジョナサンはこの男を見知っている。邪悪軍の魔将軍ゲイドルフだ。筆頭魔将軍ザメンホフほどではないにしろ、恐ろしいソーサラーだという噂だ。それ以上のことは知らない。

裏コメント:明らかにゲイドルフの元ネタは「北○の拳」のユ○様ですね(汗)。安易なキャラ作りに走ったことに今更ながら少し後悔しています。しかし、初の魔法使いの敵プレイに挑戦。

オブリビオン:戦い難そうな敵の登場だね。先手必勝でボコれば勝てるかな?『ワンド・オブ・マジック・ミサイル』を身構えます。
ジョナサン:こんな悪趣味な奴は術者に決まってます。とても戦士には見えません。
DM:「戦士?私はそんな野蛮な輩ではない。優雅に秘術呪文で悶絶させてあげるわ」と爽やかにネタばらしをするゲイドルフ。
リリィ:い、いかん。アホが登場したぞ。
フィルバート:魔法使いか…、そいつは厄介だな。
オブリビオン:敵は魔法使いか。お前の魔法の使い方は間違っているぞ。魔法とは「自分の出来ない事をいかに楽にできるようにするか」という時に使うんだ!
リリィ:それもどうなのかな。
オブリビオン:ボクとの魔法対決かな?
DM:「あなたも魔法使いなの?おチビさん。魔法は快楽よ!昂ぶった精神の放出なのよっ!」ってなんだこいつは(汗)。
オブリビオン:そんな薄っぺらな魔法なんか、全部引っ張り出して空っぽにしてあげるよ!

GM:「ふーん」と君たちを舐めまわすように眺めるゲイドルフ。「小娘に用はなし。そこのハーフエルフはなかなかの美形ね。そのすました顔を苦悶で歪めてあげる。ふふふ、昂ぶってきたわ!」と唇を釣り上げて笑みを浮かべる。すると、ゲイドルフの装束の懐から、頭に長い2本の角が生えた青いトカゲのような生き物が出てきてゲイドルフの体を這いずりまわる。3匹いるようだ。青いトカゲは時おりパチパチと体から放電している。
ナイロ:かなり嫌な予感が(笑)。相手も戦う気があるようなので、こちらも戦闘態勢をとります。貴方は美を勘違いされています。そのように着飾らなければならないのは己に美が無いからではありませんか?
DM:「おほ!意志も強い。ますます気に入ったわ。かわいがってあげる!」。
フィルバート:そうだ!!てめえは間違ってるぜ!この勘違い野郎っ。ゲイドルフに向かって剣をビシッ!と指します。
リラ:あら、気が合うわね。アタシもアンタみたいなキモくてケバくてホモで爬虫類な奴に用はないわ。と弓をかまえましょう。
DM:「おだまりっ!メスの相手はこのかわいいペットのショッカーリザードで十分よ」。ゲイドルフの体から青いトカゲのショッカーリザードがするすると地面に降りて散開する。

リリィ:あいつ、たいした伏線もなしで登場した割りには結構な存在感だな。
DM:「お前たちが情報収集で出目が振るわないからちょっと無様な登場になったんじゃないっ!」とゲイドルフ。
リリィ:メタなことを言っているぞ。
DM:「えーい、戯言はここまで。これより先は私の演出するエキサイティングな快楽の世界にご招待よ。出でよっ、ギラロンちゃん!」。

森の奥から枝葉をバリバリと突き破りながら巨大なモンスターが現れる。
身の丈2.5m。白い毛並みのゴリラだ。しかし腕が4本ある!逞しい4本の腕で分厚い胸板を叩いて咆哮する!ギラロンの登場だ!

オブリビオン:明らかにフィル用のモンスターが登場したよ(笑)。
フィルバート:そ、そうなんですか。
オブリビオン:いや、見た感じの印象です(笑)。妖しい術を使われる前にゲイドルフは倒したいですね。
フィルバート:フィル的には突撃してギラロン殴ったほうがらしくていいですかね。
リリィ:心配するな。ジークンドーも一緒に突っ込ませる。怪獣大進撃、サ○ダ対ガ○ラだ。

裏コメント:遂にラストバトルです。



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