一般復刻
復刻カラーブームに乗って、特にアニバーサリーとは関係なく、過去のカラーリングを復刻する事例も数多く現われました。一般復刻
道北バス
復刻カラー(2004年〜)
撮影:旭川駅(2016.6.11)
道北バス 日産デU-UA440LSN(1994年式)
復刻カラーの採用ではかなり早い2004年ですが、どうやら学習塾の広告として復刻カラーが採用されたとのこと。車両は代替わりしているようです。
長崎県交通局
お買い物バス(2011年〜)
撮影:長崎駅(2018.10.16)
長崎県営バス 日野PB-RX6JFAA(2005年式)
長崎県営バスでは、2011年に長崎バスからコミュニティバス「らんらん」の車両を引き継ぎ、「お買い物バス」として、県営バスの旧カラーに塗り替えました。モニター屋根などのレトロ仕様は、元々のスタイルです。
茨城交通
赤バスカラー(2013年〜)
撮影:水戸駅(2014.11.8)
茨城交通 日産デKL-JP252NAN(2001年式)
2013年に中古車2台をかつての「赤バス」カラーに復刻しました。ワイパーやライトベゼル、バンパーを銀色に塗っているほか、「ワンマン」の行灯も窓内に付けています。
近江鉄道
昭和カラー(2013年〜)
撮影:近江八幡駅(2015.8.29)
近江鉄道 日産デKL-UA452MAN(2002年式)
近江鉄道が2013年9月に、西武バスからの中古車両の施した復刻カラー。同社では「昭和カラー」と呼称します。
国際興業バス
復刻塗装(2013年〜)
撮影:大宮駅(2023.5.21)
国際興業バス いすゞQPG-LV234N3(2013年式)
国際興業では、2013年から、緑色の彩度が異なる旧カラーの復刻カラーの運行を開始しました。このカラーは、1959〜97年の間に採用されたもので、オリジナルの車両が廃車になることから、代わりに登場させたもの。
復刻塗装(2013〜2018年)
撮影:左党89号様(飯能駅 2016.8.21)
国際興業バス いすゞKC-LV380L改(2000年式)
国際興業が1950年に東都乗合自動車を合併した後に採用したカラーを復刻した車両が1両だけありました。使用色はライトパープルとマルーンだそうです。
標準色に塗られていた中古導入車を塗り替えたもので、2018年にこの車両が廃車になって、姿を消しました。
JRバス関東
赤いつばめ(2013〜15年)
撮影:左党89号様(東京駅 2013.12.15)
JRバス関東 日野QPG-RU1ESBA(2012年式)
東京駅高速バスターミナルのリニューアルを記念して、2013年12月に登場した復刻カラー。
臙脂色系のデザインは見慣れないカラーリングですが、名神高速道路開業を前に開発が進められた試作車のカラーです。
青いつばめ(2013〜15年)
撮影:左党89号様(東京駅 2013.12.15)
JRバス関東 三菱BKG-MS96JP(2008年式)
同時期に登場した青系の復刻カラーは、1964年の名神高速バス開業の際に採用されたカラーで、前面の動輪マーク、側面のJNRマーク、つばめマークと国鉄の文字まで入ります。
当時の実物は、青色が紺色に近かったのと、裾の青色はなかったので、復刻カラーというよりそれをモチーフにした新デザインのように感じました。
国鉄カラー(2017年〜)
撮影:ポンコツ屋赤木様(高遠駅 2020.12.8)
JRバス関東 日産デKC-UA460LSN(1999年式)
JRバス関東では、路線バス1両を国鉄バス時代の1972年に採用されたデザインに復刻しました。前面の動輪マークや側面のつばめマークも復刻されています。
上の「青いつばめ」をベースにした路線カラーで、現在でもJRバス東北やJR四国バスでは普通に使用中です。
シティバス立川
復刻カラー(2016年〜)
撮影:立川駅(2016.5.14)
シティバス立川 三菱PJ-MS86JP(2006年式)
シティバス立川では、1990年代の貸切バスのカラーデザインを復刻した高速バスを、2016年1月にデビューさせ、高速バス立川飯田線で使用を開始しました。
このデザインは、小田急グループのカラーをベースに斜めラインと金色ラインを入れたもので、斜めラインが流行している時代のアレンジでした。
ちばシティバス
復刻版塗装車両(2016年〜)
撮影:京成稲毛駅(2022.4.13)
ちばシティバス いすゞPA-LR234J1(2006年式)
公式Webサイトによると、このカラーリングには、下記のような意味があるそうです。
ピンク色は老若男女問わず、お客様に親しみのある色
水玉は輸送する「地域」を表す
リボンはその地域を「結ぶ」という意味
岩手県交通
復刻カラー(2016年〜)
撮影:盛岡駅(2022.12.23)
岩手県交通 いすゞKL-LV280L1(2002年式)
岩手県交通では、2016年に中古車2両に、1970〜90年代のカラーを再現しました。本来は上半分の地色は白なのですが、これは銀1色に塗られています。
特にアニバーサリーとは関係なく、またその後の継続性もなく、復刻した趣旨は不明です。
山梨交通
全面広告バス(2020年〜)
撮影:YS様(甲府駅 2023.9.15)
山梨交通 いすゞKL-LV280L1(2002年式)
ラッピング広告バスで旧カラーを再現したという変わり種。1956〜87年の間に採用されていたカラーデザインです。
位置こそ違いますが、社名ロゴも当時のものが再現されています。ホイールも地色のグレーに塗られています。
江若交通
復刻カラー(2021年〜)
撮影:sakaisuji66613様(朱雀門ひろば 2022.6.12)
江若交通 三菱PJ-MP35JM(2006年式)
江若交通が中古車1両を、1980年代まで使われていたカラーで就役させました。
前面には三菱ふそうのエンブレム、側面のサッシは銀色で出入口表示はHゴム風というあたりに、こだわりを感じます。
網走観光交通
ブルーリボンカラー(2022年〜) 網走観光交通 日野PJ-KV234N1(2006年式)
撮影:網走駅(2022.6.12)
網走交通から2002年に分社し、2009年に東急グループを離脱した後、2010年に現社名となった網走観光交通が、網走交通時代の「ブルーリボンカラー」の復刻カラー車両を登場させました。
側面にブルーリボンのマークが再現され、その脇には、かつての東急グループマークに代えて現在の自社の社紋を入れています。また、前面には日野のウィングマークも取り付けられました。
このカラーの時代には、前ドアのメトロ窓車が用いられていましたが、この車両も中古で前ドアツーステップ車を購入しており、車種選択も的を得ています。
弘南バス
昭和ラッピングプロジェクト(2022年〜)
撮影:左党89号様(弘前BT 2022.11.13)
弘南バス 日野2KG-LR290J3(2017年式)
撮影:左党89号様(弘前BT 2022.11.13)
地元有志による「弘南バス昭和ラッピングプロジェクト」により実現した復刻カラー。1960〜80年代に採用されていたカラーデザインで、2000年代まで残存していました。
ホイールも朱色に塗られています。また、出資者であるクリニックの広告が窓に展開されています。
なお、報道では「つばめカラー」という表現が使われていましたが、当時そういう呼び方があったかどうかは定かではないので、ここではプロジェクト名で呼ばせて頂きます。
横浜市交通局
復刻カラー(2022年〜)
撮影:新横浜駅(2024.2.17)
横浜市交通局 いすゞ2PG-LV290N3(2020年式)
2022年のクリスマスバスから、おでこのブルーと、窓下ラインの銀色枠を復刻した車両が登場。1995年まで採用されていたカラーを再現しています。
横浜市では、1996年からおでこのブルーや窓下ラインの銀色枠がなくなるとともに、前面の塗り分けが直線的に変わりました。2000年から前面塗り分けは曲線に戻っていました。
他社カラー復刻
北海道拓殖バス
関東バスカラー(2023年〜)
撮影:釧オロ様(道の駅おとふけ 2023.9.18)
北海道拓殖バス 三菱U-MP218k(1995年式)
撮影:釧オロ様(道の駅おとふけ 2023.9.18)
北海道拓殖バスが2011年に関東バスから譲受し、自社カラーをラッピングして使用していた車両について、2023年にラッピングを補修するに当たって、右側面と後面のみ関東バスカラーを復刻したもの。バス界では珍しい譲渡元の他社カラー復刻。
関東バス時代の車番C2001は以前から使用されていましたが、復刻後ももちろんそのまま使われています。
車両的にも、姿を消しつつある3扉車で、かつ三菱シャーシに富士重工ボディという珍しい組み合わせです。
教習車
小田急バス
安全運転訓練車(2013年〜)
撮影:sakaisuji66613様(横浜市 2014.11.8)
小田急バス いすゞPJ-LV234L1(2006年式)
小田急バスでは、2013年に一般車を教習車に改造するに当たり、1950年代当時のカラーを再現しました。薄いピンクと紺色のツートンに、白帯と赤い細線が入るデザインです。
このデザインは、2010年に小田急バス60周年を記念したラッピングバスにも施されたことがあります。