東京モーターショー2011のバス

みんなが行く場所に行くより、誰も行かない場所に行くのが得意な私にとって、東京モーターショーというのはこれまで足を運んだことがありませんでしたし、今後もないと思っていました。しかし、そんな私が行かずにはいられなくなった動機は、昭和初期の国産バス「スミダM型バス」をいすゞ自動車が出品するからでした。
最古の国産バスと最新のバスとのコラボレーションも面白いかもしれない。そんな思いで足を運びましたが、最新のバスの方はどうも消化不良な感じが否めませんでした。

(撮影はすべて2011年12月9日)

会場を後にして

初めて足を運んだモーターショーでしたが、何か物足りなさというか消化不良の感が否めませんでした。
3社になってしまった国産バスメーカーは、実質的に1台ずつしか出品せず、それも現行モデルからほとんど踏み出すことのない車両ばかりです。これからバスはどう変わってゆくんだろう、と期待に胸を膨らませることなど到底出来ないメニューでした。
以前なら、別コーナーにいた電動バスSAKURAとか、実証実験で走行していた非接触給電ハイブリッドバスなどのような車両が、メインに置かれていて、私たちはこれから登場すると思われる新型バスをわくわくしながら眺めて歩いていたのでしょう。
恐らく日本のバスは、これからもこんな感じ、あるいはもっと不況感を強めて行くんだろうと思います。仮にがんばって日本の将来を担えるようなバスを開発しても、それを購入できるバス事業者は年々減少しています。三大都市圏以外のバス事業者が新車を購入することなど、なくなってしまうかもしれません。貸切バスも同様で、かつて大量に新車を購入していた大規模貸切事業者が減少し、台数を多く持たない新参の会社が貸切輸送の主力になってきています。
市場に魅力がなくなれば、生産者の数は減ってゆき、自然にその商品にも魅力はなくなってゆきます。
環境やバリアフリーに強い規制をかけ、それを実現することが理想のバス作りの目的だと誰もが思いながら進んできた近年の傾向でしたが、作り手も買い手も、末端にいる乗り手=バス利用者が本当に求めているものが何かを掴めないまま、事業を衰退させてきてしまったような気がします。

Alacarte

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