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久遠の空 −1枚の写真に寄せて−
「昭和」という響きがもう既に懐かしい過去のものであるかのようになってしまった今、「昭和」というのはすべてがレトロであり、レトロというのは「昭和」であるかのように語られることが多くなりました。しかし、「昭和」というのは64年もの長い年月をさすもので、とても昭和レトロの一言でくくられるものではありません。特に私たち昭和生まれの人間にとっては、昭和の各年代はそれぞれ全く別の時代であったはずです。
そこで、そういった昭和のある一コマを切り取った写真をご紹介するコーナーを作ってみました。
白樺湖のボンネットバス(1951年)
撮影:後藤様(長野県 1951.9.11)
長野県の後藤様から頂いた写真です。場所は白樺湖畔とのこと、現在の「西白樺湖」という名称の場所でしょうか。
4台のバスが止まっていますが、いずれも戦前から終戦直後の垢抜けないスタイルのボンネットバス。奥の2両は戦前の流れを汲む濃い色使いですが、手前2両は明るい色ベースのカラーデザインで多分戦後に導入されたもの。残念ながら会社名までは分かりません。
ただ、写真中央のトラックを見ると、側面に「日本国有鉄 」の文字があり、正面には動輪マークが見えます。恐らく国鉄の貨物自動車だと思われます。荷台に人が乗っている理由は分かりませんが・・・。
なお、この写真は戦中に陸軍のカメラマンをしていた後藤さんのお爺さんが撮影されたもの。ネガの裏に撮影日の記載があったそうです。
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