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久遠の空 −1枚の写真に寄せて−
「昭和」という響きがもう既に懐かしい過去のものであるかのようになってしまった今、「昭和」というのはすべてがレトロであり、レトロというのは「昭和」であるかのように語られることが多くなりました。しかし、「昭和」というのは64年もの長い年月をさすもので、とても昭和レトロの一言でくくられるものではありません。特に私たち昭和生まれの人間にとっては、昭和の各年代はそれぞれ全く別の時代であったはずです。
そこで、そういった昭和のある一コマを切り取った写真をご紹介するコーナーを作ってみました。
スキー場の観光バス(1960年代)
提供:栗原大輔様
栗原大輔さんの親類のお宅から発見されたという白黒写真です。
よくバス会社の社史などで見かけることがあるのですが、甲板に水揚げされたマグロのようにバスがひしめき合っている風景。学生を運んできた観光バスが駐車場に待機しているのだと思います。奥のバスが出るときはどうするのかと疑問が浮かびますが、すべてプロのバスドライバーとガイドが乗務していますので、その辺は融通が利いたのではないでしょうか。自家用車が普及するとこうは行かなくなります。
栗原さんによるとここは新潟県であろうとのこと。雪深い感じから、そんな気がしました。
左のほうの三菱車は、後面や屋根肩の文字から埼玉県の光和観光のようです。右のほうの金産ボディは後面に細かいローマ字がありますが、よく分かりません。撮影年はこの金産ボディの後面連続窓から察するに古くても1964(昭和39)年。新しくてもその後1〜2年の範囲内だと思います。
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