6.前身3社を取り巻く各社(岩手観光バス)
岩手県交通の母体となった3社は、貸切バス会社を分離した系列会社を持っていたり、また各社が共同出資により設立した特急・急行バス会社がありました。それらと合併後の岩手県交通とは、必ずしも関係が深かったわけではありません。
しかし、車両面、カラーデザイン面などで関係性が見いだせる事例もあるため、ここで振り返ってみます。
岩手観光バス
岩手観光バスは1968年に岩手中央バスの貸切バス部門を分離した子会社で、1970年に岩手中央バスともども国際興業の傘下に入りました。その後、1976年に岩手県交通が成立したことで、県内唯一の国際興業グループのバス会社として残ることになります。その後、1986年の岩手県交通の国際興業グループ入りで、再び乗合会社との関係性が生れます。5-1 岩手観光バスカラー
1968(昭43)年〜1983(昭和58)年(1987年頃まで使用)
三菱MR490(1966年式)岩2く359
参考:IBC「いわてアーカイブの旅(第209回 牧場・高原びらき)」
岩手観光バスの基本デザイン。1968年の分社時からこのカラーでした。(1-4 岩手中央バス・貸切カラーと同じ色です)
1983年の新車までこのカラーで入りましたが、同年中に国際興業貸切カラーへの変更が始まり、旧年式車両以外は塗り替えられました。
5-2 岩手観光バス・新カラー(国際興業貸切カラー)
1983(昭58)年〜
いすゞK-CSA650 岩22か2507
岩手観光バスは、1970(昭和45)年には国際興業グループ入りしていましたが、国際興業グループのカラーを採用したのは、1984(昭和59)年の新車からでした。在来車の塗り替えは、前年の1983年から行われていたようです。
前ドア脇の社名は、当初はゴシック体で「株式会社岩手観光バス」と書かれており、1985年からは新たに設定されたロゴの字体に変わり、さらに1986年からは「株式会社」の文字がなくなりロゴのみになりました。画像はロゴのみになった車両です。