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031. ベンディング・マシーン - 話し
硬貨を投入口に入れ、ホットコーヒーの見本品の下にあるボタンを押す。ガタン、という音がして、取り出し口に缶コーヒーが下りてくる。
それだけで用は足りるが、最近は、妙な機能がついている自動販売機もある。
『今日は金曜日。日曜日までもう一息。ラッキーアイテムはカラオケだよ! 頑張っていこう!』
当たりが出ればもう一本、というものなら少しはお得かもしれないが、しゃべる自動販売機なんて何の意味があるんだか……とは思うものの、アパートの近くにある自動販売機は、この、小さな商店の前にあるひとつだけだ。
仕事帰りに、ここでコーヒーを買って帰る。それが俺の日課だった。
『今週もこれで終わり。来週は他人との触れあいを大事にするといいことがあるよ!』
正直、夜に買うと何となく悪いことをしている気分になる。店の者が一番うるさい思いをしているだろうに、迷惑じゃないんだろうか。
ともかく、選択肢はないんだから、自動販売機の種類が変わるまで我慢するしかない。
今夜も俺は、疲れた身体に甘めのコーヒーが欲しくて、一二〇円を入れてボタンを押す。ガタン、という音ともに、いつもの、アニメの子どものような声が流れた。
『しゃがんで下を見ると、いいことがあるかもしれないよ!』
何だか、いつもより具体的なメッセージだな。
どうせ何もないだろうと思いながら、膝を折って機械の下を覗いてみる。
甲高い音、続いて轟音がした。
何が起こったかわからない。見上げると、青い金属がぐしゃりと潰れ、自動販売機にめり込んでいた。ゆっくり考えて事実を把握すると、ようやくトラックが突っ込んできたのだと理解する。
店の人たちや近所の者が驚いて飛び出してくる。誰が呼んだのか、間もなくパトカーや救急車がやってきて、周囲は騒がしくなる。
幸い、俺にもトラックの運転手にも大した怪我はなく、自動販売機も数日後に新しい物に取り替えられたが、あの自動販売機がしゃべることは、二度となかった。
FIN.
▲UP
035. 髪の長い女 - 背後霊始めました。
相変わらず空は雲もまばらで、日光がガンガン照りつけてくる。
暑い暑いと言いながらクラスメイトの大半はキャンプだの海水浴だのとはしゃいでいたけど、オレのように真面目に部活に打ち込むサッカー部員一年生には夏休みなんぞあって無きがごとし。
「ミツルくんは偉いよねー。毎日欠かさず来てるじゃない」
芝生に座って休憩してると、長い髪を団子みたいにまとめて赤いジャージを着たマネージャーが、氷水入りの紙コップを渡してくれる。
「一応プロ志望だし。それに、そういうお前もな、ミズキ」
彼女はオレとほぼ同時期に入部した。クラスメイトで同じ部活に入ったのはお互いだけなので、一ヶ月の付き合いの割にはすっかり馴染んでる。
そういえば、友人たちの中には『ミズキは変わり者だから気をつけろ』と言ってるのもいたっけ。同じ中学通ってたらしいが、今のところ変わったところはない。いや、女子高生なのに相撲好きで好物がくさやとか、充分変わってるかも。
「マネージャーの勤めだし。……ところで、プロ志望のくせに最近プレーの調子悪いんじゃない?」
ぐさっ。痛いところを突かれた。
「たまたまだよ。暑くて寝れなくてさ」
口から出任せだ。本当の理由はとてもじゃないが他人に言えるもんじゃない。
暑いのは確かだしけっこう上手く言い訳できたと思ったのに、相手は少しの間じっとこちらを見て、やっと口を開く。
「まあ、そういうことにしといてあげる」
「あ、ああ」
ヤベッ、バレたか? と思ったものの、そりゃあり得ない、とすぐに思い直す。なにせ、オレの調子が悪いのは普通なら考えもつかない理由だからだ。
――今夜も出るかな。
思い出してしまうと同時に、自然と憂鬱な溜め息が洩れた。
部活が終わると、一年のオレたちは片付けと掃除を終えてから帰ることになる。雑巾での拭き掃除とその片づけがオレの役目だ。
汚れた雑巾を洗っていると、つい顔を上げて目線を壁の鏡に向けてしまう。見ない方がいいってことはわかってるのに。
「ひっ」
のどが引き攣った音をたてる。
横長の鏡の端に女の顔が見えた。長い黒髪に白い服、白い肌。唇だけ異様に赤い。額にはご丁寧に三角巾。
絵に描いたような幽霊。
振り返ったときには何もない。いつものこと。
――そう、もう一週間以上もこういうのが続いていた。夜道を一人で歩いているとずぶ濡れの女が電柱の陰から覗いていたり、ふと部屋の窓から外を見るとじっとこちらを見ているのと目が合ったりする。
いくら夏だからって、なんで霊感ゼロのはずのオレが。
学校を出ると、今日は絶対に振り返らないぞ、と誓いながら家路を急ぐ。前だけを見て、駆け足で。
しかし、ふとした瞬間。
ひたひたひた。
濡れたような足音が迫ってくるのが耳に届く。
うおっ、マジかよ!
足音を聞いた途端全力疾走。そりゃもう、部活でもなかなか出ないくらいの速さで。
ずべちっ。
妙な音を切欠に足音が聞こえなくなったことに気がついたのは、数拍置いてからだ。
思わず足を止め、振り返る。突然のことに恐怖は頭から抜け落ちていて、そうじゃなくても好奇心が勝った。
「うぐ~っ、痛い……」
白い服の女がアスファルトに這いつくばっているさまはオカルトじみてるが、声ですべて台無し。それに、この声は……。
「何やってんだ、お前」
近付いて、起きるのを手伝ってやる。
近くで見ると間違いない。真っ赤な口紅や化粧で印象は変わってるが、ミズキだ。
「まさか……今までの、全部お前か? どういうことだよっ」
「だ、だって……」
恥ずかしさと怒りが混ざったような信じられない気持ちで一杯のオレに、彼女は少し口ごもってから決心したように続ける。
「背後霊になれば、自然に一緒にいられると思ったんだもん」
「……どこが自然だよ、通報されるぞ」
あきれると同時に、すべて理解。これが腑に落ちる、ってことなんだろうな。
悪戯や悪意があってのことじゃない。きっとこいつは元からこういうヤツなのだ。『変わり者』の意味が良くわかった。
「べつに、幽霊じゃなくても一緒にいていいから」
特別な意味を込めたつもりじゃないが、誤解されたかもしれない。
「ほんと?」
笑顔がはじける。誤解は解かないままでもいいと思わせるほどの。
それはとても幽霊ではありえない、薔薇色の笑顔だった。
FIN.
▲UP
042. メモリーカード
狭い機内で、エンジン音がかすかに重いビートを刻んでいた。初めは睡眠を邪魔されていたものだが、慣れた今となっては、安心感すら与えてくれる。宇宙には空気がなく、したがって音もない。このエンジン音は、ぼくが生きている証。
目覚めると、ぼくはブリッジのコンソールでシャトルに異常がないことを確認し、一つしかない椅子に座って朝食をとった。大きなメインモニターの中、闇に浮かぶ地球を眺めながら、トーストにコーヒーのある食事をとるのが、いつもの日課だ。
そして、地球と連絡をとる――これは、学校の決まり。まあ、今はこれもただの日課と変わらないけど……。
『おはよう、ウィル。調子はどうだ? 風邪でもひいてないか?』
簡単な操作の後、スピーカーから聞き馴れた声が聞こえてきた。今回の訓練でぼくとパートナーとなった、親友のロンだ。
「ぼくはいつも通りだよ。そっちこそ、何か変わったことはあったかい?」
地球からは、毎週ニュースをまとめたデータが送られてくる。だから、きく意味はないかもしれない。でも、これも日課なのだ。
『こっちもいつも通りさ。大したことはない。ま、あと少しで訓練も終わりだ。もうすぐ自分の目で確かめられるようになるさ』
ぼくもロンも、国際宇宙アカデミーに所属していた。その最終訓練として、一週間、実際に宇宙で生活してみるというのがある。ロンはすでにその訓練を終えていて、ぼくが今年8人の卒業生の中で最後だ。
そんなわけで、ぼくは今、軌道上のシャトルにいた。
『ま、気長に待てよ。焦っていいことなんてないからな』
いつものようにそう励ます彼のことばに、ぼくは複雑な気分でうなずいた。
「ああ……待つよ」
このシャトルには、何でもそろっている。高度な循環システムのおかげで、水にも食料にも困ることはない。万一の時のために冷凍睡眠装置もあるし、普通に起きているのが退屈なら、寝てればいい。装置の故障の可能性はないとは言えないけど、今のところ、その兆候はない。
つまり、その気になればいつまでだってここにいられるのだ。
ぼくはいつも通り、励まされた気分とがっかりした気分を半分づつ抱えながら、スイッチを切った。
バカバカしい。何を期待していたんだろう。
そうだ、少し眠ろう。起きたばかりだし、それで何か変わるわけでもないけれど……。
ぼくは頭を振り、冷凍睡眠室に向かった。
それからきっちり3日後、ぼくは目覚めた。頭がぼんやりする……冷凍睡眠の後はいつもこうだ。
よろめきながらブリッジに入り、席に腰を下ろす。メインモニターには相変わらず、そうしようと思えばずっと見とれていられそうな、青い星がたたずんでいる。まるで、ずっと昔からそこに在ったかのように。
それを見ながらボーっとしていると、ピピピ、と呼び出し音が鳴った。
そういえば、今日はニュースデータが送られてくる日だったんだ。いつも前日にスイッチを切っておくんだけど、忘れていた。
コンソールのパネルに手を伸ばしかけたぼくの耳に、何度も聞いた、あのニュースが流れてくる――
『×月×日未明、ついに砲撃が開始されました。ハイテク化が進んだ兵器が使用されるとなると、世界規模での壊滅的被害は免れず――』
ぼくは、凍りついたように宙で指を止めていた。もう、それを動かすことなどできなかった。聞きたくもないのに。
女性アナウンサーのどこか怯えたような説明が終ると、ロンの声が、語りかけるように続ける。
『ウィル……地球はもうだめだ。もう、止められない。お前だけは、生きてくれ。そこにいれば、何年でも生きられる。頼む、生きてくれ。生きてさえいていれば、望みはある。お前だけが、地球の記憶……』
そうして、声は途切れた。
地球には、誰もいない。こうやってメモリーカードに録音された人の声を聞いていても、それはむなしい過去の産物で、ぼくと同じ時を生きてはいない。
一体いつまで待てばいいんだろう?
何事もなかったようにたたずむ地球を見ながら、ぼくはこの訓練が終り、『卒業』できる時を願った。
FIN.
▲UP
048. 熱帯魚
目に汗が入るのもかまわず、熱々のラーメンをすする。
ほてった肌は汗とも湯気ともラーメンの汁ともわからないものでじっとり濡れていて、細かいことはどうでも良くなっていた。口の中に広がる味も、本当はラーメンではなく汗の味かもしれない。
『七番・村田卓也選手、失格です』
スピーカーから女の澄ました声。後ろの方で誰かダウンしたのだろう。もうそちらを振り返ることはしない。
『さて、残り五名となりました。夏満喫コンテスト、優勝の行方はどうなるのでしょうか』
のどが熱い、というよりヒリヒリと痛い。それを無視して、ラーメンの残りを胃に流し込む。
次に出されるのはデザート。できたてのあんまんだ。料理が運ばれてくる前に、唯一のオアシスであるコップの水を流し込む。
汗だくの見慣れた顔が、湯気をたてるせいろをテーブルに置く。熱々でツヤツヤのあんまんは、普段見ればとてもおいしそうに違いない。今はゲンナリだが――でも、これさえクリアすればこの地獄ともおさらばだ。
走馬灯のようにこの企画の今までの流れが脳裏に浮かぶ。
『企画チームからも出場者を送るべき』――そんなチーフのことばで出場が決まったときは、ここまで大変だとは思わなかった。企画内容を知っている俺ですらそうなんだから、他の参加者たちはもっとだろう。
あんまんを二つに千切る。一度経験があるからわかるが、できたてのあんまんの餡は舌を火傷するほど熱いのだ。
このための作戦は考えてある。水を口に含み、そのまま同時に餡を口にして攻略するのだ。水も注いだばかりでもすでに温くなっているが、それでも餡の熱に比べればマシだ。
きっとあんまんの食べ方としては邪道だろう。水で薄まった餡と口の中でぐちゃぐちゃした感触の皮。それでも純粋に、美味い、と思った。まだラーメンの塩気が残る舌にこの上品な甘みは濃く響く。
しかし味わっている場合でもなく、わしづかみにして口に詰め込み、咀嚼する。
あと少し、あと少しだ。
思考はそれ一直線。
視界が狭まる。まるでもやがかかったようなのは、この室内にこもる熱と蒸気のせいだろうか。
汗と蒸気のせいで肌の感覚がおかしい。もはや濡れているというレベルではなく、まるで熱された水の中にでもいるような感覚。肌と空気の境界はどんどん希薄になり、自分が世界のすべてになる――
俺の記憶は、ここで一旦途切れた。
気を失っていた時間はそう長くないらしい。五分も経たないうちに医務室の天井を見る。
気温は快適過ぎて、まだ身体に熱が残る今は少し涼し過ぎるくらいだ。
「予想以上にがんばったわね。ほら、三位の賞品」
同僚が小さな箱をベッド脇の机に奥。中身は今の時代はほどんど使うことのない、蚊取り線香と豚の香炉のセットだ。何しろ自分で選んだんだから。
企画チームの俺が優勝するもなんだし、これで良かったのかもしれない。
「昔の人間は大変だな。あんな熱い中で畑を耕し、魚を捕り、獣を狩っていたんだから」
「外は風があるもの、あれよりマシでしょ。コンテストの室内はけっこう特殊よ。それに少し時代が進めば色々と涼をとるための装置も出てくるし」
「センプウキとか、クーラーとかか?」
この企画を実行するにあたり、色々と歴史も調べてあった。〈暑さ〉に対抗するため、人類はさまざまな方法を編み出してきたもんだ。タライに水を張って足を冷やす、風鈴の涼しげな音を聞く、扇子や団扇を使うなど手間がかかるものや効果が不明なものまで。
「今度はどうにかして森林ルームを予約して、景色も合わせたいわね」
そう、景色は重要な要素だろう。〈季節感〉っていうものには。特に海、水着は個人的には重要だと思う。
ここのような完璧な空調設備を搭載した宇宙ステーションじゃあ、気温も湿度も常に快適に保たれ天候の変化もない。
そんな中、季節を体験しよう、なんて企画が持ち上がったのは、四季のある国の区画の住民ならではの発想だろうか。一番インパクトがあって四季らしい感覚が味わえるのではないかと〈暑さ〉体験になったが、次回参加することがあれば、できればもっと穏やかな季節の企画だとありがたい。
しかし――
「ほら、参加賞」
そう言って同僚が物陰から差し出したカキ氷を一口食べると、やはり夏の暑さもわずらわしいだけじゃないと思うのだった。
FIN.
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053. 壊れた時計
「やっとここに帰ってこれたか……」
万感の思いを込めて、シェアトは黒くくすんだ時計台の文字盤を見上げた。
そして、銀色のハシゴに足をかける。細く、錆びの目立つハシゴは今にも折れてしまいそうだが、彼女は気にすることなく、猫のように俊敏に登っていく。
幼いころ、何度ここを登っただろうか。
一番の親友――ミナとともに。
ミナはこの時計台の管理人の娘で、シェアトと一緒に、いつもここを遊び場にしていた。三年前、シェアトが少し離れたところにある別の町へ引っ越すまで、毎日のようにここに通ったものだ。
――この町が野党に襲撃され、焼き払われたことを知ったのは、つい三日前のことだった。旅の傭兵となっていた彼女は、急いでここに駆けつけた。
すべてが、遅すぎたが。
ハシゴを登りきり、「Ⅴ」の下のライオンのレリーフが彫られた小さな扉を開くと、シェアトは機械室の中に滑り込んだ。焦げ臭いのを我慢しながら、一度、出入り口を振り返る。
四角い、小さな出入り口の向こうに、黒く煤けて廃墟と化した街並みが一望できる。そのさらに向こうには、森が広がっていた。
部屋の奥に視線を戻し、目が暗闇に慣れるのを待ちながら、シェアトは懐から手のひらにのるくらいの小箱を取り出した。宝石箱のような、きれいな箱だ。
この時計台は1時間を刻むごとに、美しい鐘の音でそれぞれ違うメロディを響かせる。
『シェアトは12月生まれだから、12時の曲、《光のプレリュード》だね』
丁度5年前の今日、シェアトの12回目の誕生日の日、ミナは彼女にオルゴールを手渡した。
オルゴールのふたを開けると、テンポの速い、勇気を鼓舞するようなメロディが流れる。シェアトが一番好きな曲だった。
『昔、戦いが始まる前に演奏された曲なんだって。男の子みたいなシェアトにはぴったりだね』
そう言って、幼い日のミナとシェアトは笑い合う。
懐かしい日々を思い出しながら、シェアトは小箱のふたを開けた。美しく勇ましい……そして、どこか切ないメロディがこぼれ始める。
その瞬間、彼女は電撃に撃たれたかのようなショックを受けた。
歯車が勝手に回り始めたかと思うと、オルゴールの音に共鳴したかのように、廃墟の町を包む空気を震わせる。死んだように静まり返っていた町に、一時だけ、かつての活気がよみがえった――そんな気がした。
町を見つめていたシェアトは再び部屋の奥に目をやる。
「今……、帰ったよ」
回り続ける歯車に声をかける。懐かしさとむなしさがこみ上げる。
しかし、その時、彼女は不思議なものを目にした。
歯車の陰から、自分と同年くらいの、一人の少女が現れたのだ。
「ミナ……?」
忘れるはずはない。その顔には、思い出の中の面影がはっきり残っている。
「お帰り、シェアト」
シェアトは目を丸くする。彼女の無二の親友は、笑顔で彼女を迎え、説明した。
――野党の襲撃を受ける直前、ミナはここにいて、町の外の異変に気づいた。彼女は、とっさに町中にメロディを流したという。人々はそれを聞いて間一髪森に逃れた。
「《光のプレリュード》が、みんなの命を救ったのよ。ここは焼けてしまったけど、みんな生きてる。それに、この鐘の音も死んではいない」
メロディは、今だ町に響き渡っている……
「行こう、シェアト。みんな待ってる」
ミナが手を差し出す。シェアトはその手を取った。
「守ってくれたんだね」
彼女は鐘を見上げ、つぶやく。
「ありがとう」
FIN.
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