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泊まった山荘の部屋は窓無し。3000m近くとはいえ、熱気がこもり、布団を被ると暑苦しく、シャツ1枚でも寝ぐるしい。
被ったりはずしたりと、結局うとうととしたまま朝を迎える。
日出は5:20。 40分ほど前に起きて身支度。外に出ると快晴に近い。
目の前の伊那前岳の向こうに鮮やかなコントラストが見える。 ↓ 拡大可
どこから撮るか?で少々考え、宝剣岳に向かう。
朝食が5:30からだからあまり遠くにゆけない。中腹で我慢するかと、少し登った所から東側を撮り始める。4:51
すこしそこにいたが、南側を見たくなり、意を決して山頂に向かう。5分後の4:57着。遮るもの無し、雲海いっぱい。
雲間に浮かぶ御岳・南アルプスの独り占め。
10分ぐらいして、ふたり連れが上がってきた。一人は私の目の前でビデオを回し始める。あっちの山、こっちの山と
解説をしつつ、360度くるりと回りながら・・・・。
その途中で、私のよけいな声が入る。「出ましたよ」と。ついでにもう一人の「○○さん、じゃまだよ」の声も。
写真右の暗闇はビデオの人物。 ↓ 拡大可
日出を堪能していると、山荘から「食事の準備ができました」のアナウンス。
山頂最後の写真を撮って下山する。5:31。
雲海の向こうの南アルプス北部。
今日の朝食。5:40
飯だけはお代わりしてと。自然浄化式トイレシステムでトイレもすっきり。
身支度を整え、6:30出発。山荘の西側にもコマクサの植裁がある。昨日の西駒山荘と同じく、白っぽい〜濃いピンク
までいろいろ。シルエットも良いでしょう。 ↓ 拡大可
7:05 駒ヶ岳につく。さすがに人がいっぱい。ここも見渡す限り遮るもの無し。八ヶ岳が、雲の海に浮かぶ島のよう。
お日様の影響か南アルプスは日出前よりもくっきり鮮やか。中央にちょこっと富士が見える ↓ 拡大可
20分ぐらいのんびりと過ごし、山頂のほこらにお賽銭をあげて麦草岳に向かう。
これから向かう麦草岳はどこ?西側の御岳山方向に見えるのだが、結構崩れていて、行けるのかな?
木曽前岳の右手に南西半分が崩れた麦草岳。遠くに御嶽山が雲の向こうに。
とんとんと降りてきた玉ノ窪小屋の主人に道を尋ねる。地図を見せるなり、「ずいぶん古い地図だな」と言われる。
1996年の昭文社の登山地図にも載っていない道があるとのこと。
それは木曽前岳を登らずに前岳山腹を巻き、直接「牙岩」に出る道。A地点(分岐)〜B地点(分岐)〜C地点(麦草)
しっかり確認し、ついでに山頂で飲むビール600円なりを入手し、出発する。
小屋を出て1−2分下ると分岐がある(A地点)。巻き道はあまり踏まれていないようで細い。入口の岩に、矢印と「麦」の
(7−8センチ大)」の文字があり。 7:59
右手に下る木曽福島コースの道とを別れ、這い松の中の道をまっすぐ巻いて行く。
結構急な斜面に、細い道がほぼ水平に付けられている。全行程、草が被さっていて少々判りにくいが、踏み跡はそこ
そこ有る。クロウズコ、コケモモ、ツルイチゴなど食べつつ進む。
8:28 前方に牙岩が大きくなると木曽前岳−麦草岳間の稜線にポコっと出る(B地点)。
案内標識が実に立派。振り向けばあまり見たことのない木曽駒の裏側を見る。
少し木曽前岳側に登り返し、牙岩の雄姿を撮る。
ここから見る麦草岳の南斜面は相当崩れている。
牙岩へは、写真右手のへこみに向けほぼ直登。途中、道を間違えて登りすぎ、冷や冷やの場所に着8:42。右手の 岩を巻いて正常な道に戻る。
写真左:牙岩の北側斜面 8:50撮影 写真右:牙岩と牙岩の北側のピーク(写真左の撮影場所) 8:52撮影
牙岩の裏側は梯子橋や梯子が続き、岩を巻く。西側(向かって右側)は崩れているので慎重に進む。8:50〜52
その後、多少の上下や鎖場はあるものの、道は西側の崩れた所は通らないようにつけられている。
道を失いかけたときは、必ず東側の草付きを見ると、その中に道がある。
西側の崩壊は今も続いているようで、幅20-40cm、2−3m長さの大きなひび割れも。何年後かには崩れてしまうのだろう。
9:02ようやく麦草岳の急登にかかる。左は進行方向の写真だが、草ぼうぼう。どこに道があるのやら。
右下の写真は道幅は20cmぐらい。草が被っているところは迷ってしまう。右上は山頂近く。這い松が多くなってきた。
傾斜が緩くなると這い松帯になる。最高地点を9:33通過。気になって登り返し、もと来た道を確認。
写真左:木曽駒ヶ岳、木曽前岳の眺め。写真中央には牙岩、 写真右:前方中央には三角点のある麦草岳
そうして、ちょっと北側の三等三角点の山頂に9:41着く。(C地点)
ここも看板が立派。東側の駒岩方向にもしっかりした道が着いている。7合目避難小屋につながっているとのことだが、
小屋の主人に言われたとおり「上松」下山予定なので駒岩まで行って引き返す。
まずは、ビールで乾杯。早めの昼食とする。近くにはコケモモの赤い実が並ぶ。
かじられた這い松の実も転がっている。サルかな? 何て考えていると、3m先の這い松の中からリス?らしきがひょっ
こり顔を出し、数秒後には藪の中。カメラを向ける暇は無かった。
木曽駒が岳の最後の雄姿を背に10:25出発。すっかりのんびりしてしまった。
約15分後福島Aコースと、上松方向の分岐につく。りっぱな標識があって迷うこと無し。
「福島方向は地元民でないと判りにくい」との話であったが、ここまで下ってきて右に90度、ほぼ直角に曲がるのはさす
がに判りづらい。しかも、地図上、福島方向に行くにはまっすぐ進むように描かれているが、まっすぐは上松方向。
下の写真左:上松方向はやや見下ろす感じで見え、ダケカンバと這い松の間をうねうねと進んでいるのが良く判る。
下の写真右:福島方向への入口の道はしっかりし、赤テープがついている。
当初予定を切り替え、木曽福島に向かうこととし、右の道を採るといきなり細い道になった。山腹を巻くように進み、
やがて尾根沿いとなる。そこそこ踏まれてはいるが、あまり歩かれていないようで、ときどきとぎれ、不安になる。
それでも11:09 6合目に着く。
歩いてきた道を振り返ると、麦草岳方向はどこを歩くの?と思ってしまう。ここには古びた標識がある。標識がないと
通り過ぎてしまいそう。中央岩の左手に取っつきの道がある。
ここはちょっとした鞍部。山頂に向かうには写真左の鬱蒼とした樹林帯に向かい、福島に下るには写真右の小岩を
回り込んで行く。
ここからしばらくは道幅が広く、急な下りも無い。30分後2人連れを追い越す。4時間ぶりに人にあった。
さらにひたすら下り、いい加減、嫌になった13:00、ようやく3合目につく。
13:04 木曽見台に立ち寄り、雄大な木曽御岳を見てさらに下る。所々、道がふわふわになる。あまり踏まれていない
のだろう。30分後舗装道路に出る。
入口の案内標識に、夏道の雪崩対策で麦草直登コースの案内が有り、避難小屋−駒岩経由の麦草岳ルートが紹介
されていた。駒岩付近の道がしっかりしている理由が判明。
ここには東屋があり、良い風の中、ベンチでごろ寝する。15分後、汗が引いた後、暑い舗装道路をひたすら下り、
14:20駒ノ湯着。
一汗流し、タクシーで木曽福島に出る。運ちゃんの話だと福島Aコースを行く登山客はめっきり減ったとか。新しい
交通生活システムの導入で、バスも廃止になったとのことだし・・・。
バス停はあるものの、06年5月で廃止の赤札がなんともいえない。わずか4ヶ月前の出来事。
木曽福島15:23の特急で塩尻に出る。車中で飲む缶ビールが実に旨い。塩尻からはいつものように各停にて
20:30帰宅。
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