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介護レポート:2005年9月度
「平凡に過ぎる毎日が一番」

今月の生活行動状況徘徊実績等
 今月の主な生活行動状況は下記の通りです。
徘徊:今月は10分間のうちに2回出たり入ったりした、徘徊と言えるかどうか分からないことが一回ありました。その他、門にたたずむことは何回かありましたが、遠くへ行くことはありませんでした。
デイサービス:今月からデイサービスの利用を止めました。ただ、月一回の定期健診に連れて行くことには成功しました。
食事:食事成功率は先月と同じ78%でした。最近は通常の食事の時間に誘ってものってこないことが増えてきたのですが、そういう場合はおにぎり、パン、いなり寿司、おかずなどを小さいお皿に載せてベッドの上に置いておくことにしています。そうすれば適当なタイミングで食べることが多いからです。
入浴:今月は1週間当たり3回ペースが確保できました。母が湯船に入ったまま石鹸を付けた手拭で背中を洗って上げることも続けています。入浴した場合、一番ほっとするのは下着の着替えも同時にできることです。何日も着替えができないことがあるのですが、その状態が入浴でリセットできるからです。本当にほっとします。
編み物:靴下を編んでいるのですが、出だしができなくなったので女房が作ってくれて置いてあります。母はその続きから編むのですが、最近は途中でおかしくなり、ほどいてしまうことが多くなりました。そしてごちゃごちゃになった毛糸を根気よく、長い時間をかけて毛糸巻きをすることも多くなりました。
その他:朝、新聞を郵便受けに取りに行くことはもうできなくなりました。郵便受けまでは行くのですが、その後どうしていいのか分からないのです。
食器洗いは今でもできます。ただし、きれいには洗えないので、油などが付いているものは私が先んじて洗っておきます。

今月の出来事
今月は特に出来事と思うようなことはありませんでした。しかし、介護の日々で毎日が平凡に過ごせるということは非常に幸せなことだと思います。介護される側(母)も介護する側(身内およびヘルパさん)も特別に取り立てるようなことがないということは非常に良い介護ができている証だと思います。 もちろん、毎日、困ったり、悩んだりすることは沢山ありますが、最終的には各自の工夫で大きな問題になっていないということだと思います。このように平凡に過ぎる毎日ができるだけ長く続くよう努力したいと思っています。

一日の記録(その3)
今月は9月24日(土)について丸一日の行動および気分の変化を記録してみました。
この日特に配慮したのは、編み物の道具や財布を常に母の身の周りに置いておくことです。

注:下記記述の中で、気分(精神状態)のレベルを10段階で示しており、現状の母の通常状態をレベル0(L0)、一番良い状態をレベルプラス5(L+5)、一番悪い状態をレベルマイナス5(L-5)としました。 これは私が勝手に付けたレベルであり、各レベルの厳密な定義はしておらず、大まかな私の感じであり、大体下記の通りです。

・L+5:心が開いた状態であり、他人とコミュニケーションができ、こちらの言うこともある程度理解できる。
・L0 :母の通常の状態であり、幻聴が聞こえたとしてもそれに心を奪われることはなく、編み物などの自分のことができている状態。
・L-5:心が閉じた状態であり、幻聴が聞こえ、他人を全く寄せ付けない。この状態のときには食事などの日常生活行動はできない。
 
時刻 (レベル)気分、行動等
6:30 (L+5)起床。機嫌よい。着替え、洗顔、食事、食器洗いOK。
8:00 (L+5)編み物に集中。
10:00 (L+5)トイレへ。
10:15 (L+5)母、昼食の準備を気にし出す。
10:40 (L+5)幸一、買い物へ。母、編み物、お金数え。
10:55 (L+5)幸一、買い物から戻る。
11:00 (L+5)母、ベッドで入眠。
11:05 (L0)母、起きる。余り、反応しなくなる。昼食に誘えない。
11:25 (L0)母、再び入眠。
11:35 (L-3)母、起きる。編み物。「私を殺す」「どうして怒るんですか?」などと一人言。
13:30 (L+5)昼食のいなり寿司を一つベッドへ持って行くと「これ食べていいの?」と言って機嫌よく食べ始める。次にウドンを渡すと全部食べた。食事終了後、食器洗いも行った。その後は編み物に集中。
15:50 (L+5)幸一、買い物へ行く。
16:05 (L+5)幸一、買い物から戻る。母、トイレ大。
16:10 (L+5)幸一、夕食準備開始。
16:50 (L5)食事開始。母、相撲のテレビを見ながら楽しそうに食べる。食事後、食器洗い。
18:00 (L0)食器洗いなどの仕事が終わり、ベッドに座ってボンヤリしている。
19:00 (L-3)自分の世界に入る。
20:00 (L+5)テレビを見ていると急に機嫌がよくなる。お金数え。機嫌がいいのでお風呂に入れようとして洗面所で全部脱衣するまでは成功したが、「昨日入ったからいいよ」と言ってお風呂には入らなかった。
20:50 (L+5)一旦、機嫌が悪くなりかけたが、再び良くなる。
21:50 (L+5)「お風呂に入れば身体にいいよ」と言うと、「入る」と言うので入浴成功。
22:00 (L-3)入浴後、言うことを聞かなくなる。「先生が来るかも知れない」と言って、玄関のドアを出た所や縁側に佇んだりして落ち着かない。
23:30 (L+5)私がお風呂から出てきてもしばらく気がつかなかったが、気がつくと喜び、急に機嫌が良くなった。
0:15 (L+5)就寝。

上記表を時間軸上で図化したもの⇒9月24日(土)一日の記録
 
○一日記録の分析
@この日の平均レベル:プラス3.45
Aこの日の内訳(就寝時間を除く):Lプラス→825分(77%)、L0→90分(9%)、
Lマイナス→150分(14%)
B良い状態(L5)時は、着替え、洗顔、食事、食器洗い、入浴などの生活行動、編み物、お金数えなどを行っているとき
C通常の状態(L0)は、することがなくボンヤリしているとき
D悪い状態(L-3)は、「私を殺す」「先生が来るかもしれない」などの悪い幻聴が聞こえているとき
○考察
@この日の平均レベルは、プラス3.45で非常に良かった。これは編み物やお金数えに集中できたことが大きい。 これは常に編み物や財布が母の身の回りにあるように気にしたことにもよる。
A生活行動をできるだけ一緒に行ってあげることや編み物やお金数えなどが常にできるように配置してあげることは、レベル上げることに良い方向に働くと思われる。

○上機嫌の母  (2005年9月27日撮影)

○昼食のウドンを食べている母  (2005年9月17日撮影)

○テレビを見ている母  (2005年9月17日撮影)

○歌詞カードを見ながら歌っている母 (2005年9月17日撮影)

(2005年10月6日)
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