自家用バス

気仙沼の移動スーパー(1986年秋に見かけたバスの化石)

宮城県気仙沼市の気仙沼港に、古いバスが大量に並んでいる衝撃的な光景に出くわしました。身元の分かる車から謎の車両まで、ひたすらシャッターを押し続けました。
釣り上げられたばかりの魚を乗せて消費者のもとへ走り回る「移動スーパー」という存在も、漁港ならではのものです。

移動スーパー
RC300

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

前歴不詳 日野RC300

正面は観光タイプですが側面はバス窓の前ドア車という、非常に特徴ある車両です。前所有者も自家用車として使用していたのかもしれません。
2灯式のオーバル型ヘッドライトは初期の日野RE・RCの特徴でしたが、ほとんどが姿を消し、そのまま残っているのは珍しい存在でした。
「船舶仕込移動スーパー」という側面の文字が、この車両の目的をはっきりと表しています。

移動スーパー
RC

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

前歴不詳 日野RC

富士重工製の車体の日野車です。貸切だった車両に、後ドアを増設し、方向幕を取り付けた改造車だと見られます。しかし、前所有者は不明、型式も確定するには決め手がありません。

移動スーパー(廃車体)
BA741

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

元岩手県交通 いすゞBA741(1966年式)

岩手県交通が岩手県南バスから引き継いだ初期のワンマンカーだと思われます。千厩営業所などに同形車の廃車体がありました。
上の車両と同じカラーです。ナンバーはありません。

移動スーパー
BT51

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

元仙台市交通局 日野BT51

センターアンダフロアエンジンのワンマンカーで、元のカラーデザインから仙台市交通局の車両だったことが分かります。

移動スーパー
BT51

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

元仙台市交通局 日野BT51

これも元仙台市交通局ですが、色は全面的に塗り替えられています。裾のほうに濃いブルーが見えていることから、仙台市交通局であることが分かります。

仙台市交通局時代の写真がありました
BT51
仙台市交通局 日野BT51

仙台市交通局で現役時代の写真がありました。 センタアンダーフロアのバスがまだ仙台市内を大きな顔をして走っていた時代です。



撮影:広瀬通り(1977.8.7)

移動スーパー
RM100

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

前歴不詳 日野RM100

日野の初期の中型バスRM100です。
上のBT51や日野のリアエンジンバスの定番RB10と同じスタイルのボディですが、スタンディーウインドウの丸みが大きいのがこの型式の特徴です。
岩手県交通(←岩手県南バス)にも同型車があったようですが、この車両はきれいに塗り直されていて、前歴はわかりません。

移動スーパー
RB10

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

元岩手県交通 日野RB10

神奈川中央交通から花巻バスが譲受し、岩手県交通が引き継いだ車両。カラーは、花巻バスが中央の帯の部分だけを塗り替えて使用したため、神奈川中央交通の面影が残っています。正面と側面の方向幕に店名を書くなど、パーツをうまく使っています。

移動スーパー(廃車体)
RE100

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

元神奈川中央交通 日野RE100

元神奈川中央交通ですが、場所柄、岩手県交通を経ての譲渡車だと推察できます。色が全面的に塗り替えられているので、確証はありませんが。
なお、この車両はナンバーが外されています。

移動スーパー
MR

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

前歴不詳 三菱MR

ここまで造作を加えられてしまうと、前所有者も型式も判断できません。側板や屋根だけでなく、シャッターまでついています。よく車検を通ったという気がします。
呉羽車体で、正面窓が大きく、かつ2灯であることから、1960年代中ごろのMRであると推察できます。この手の車両は、岩手県交通にも宮城交通にも、また仙台市営にもあり、前歴を知ることはできません。

移動スーパー
MR620

撮影:気仙沼港(1986.9.24)

前歴不詳 三菱MR620

三菱の初期の中型バスMR620です。1965〜67年の間の製造です。前後が同一プレスで、側面がスタンディーウィンドウ付のメトロ窓であるなど、特徴のあるスタイルです。
元のカラーデザインから前所有者の推察が可能ですが、自家用かもしれません。

ページ上部へ戻る

80s岩手県のバス“その頃”