中距離路線車
元はとバス
岩手県交通では1981年以降、東京のはとバスからの転入車が入るようになりました。はとバスの車両は一種独特の外形で、側面の窓が大きく、窓下にモールがついていたり、また正面に社名表示板がないため、転入にあたってはまったく新規に方向幕を取り付ける必要があります。
転入後は、花巻空港と盛岡を結ぶ高速バスに使用される例が多く見られるのも特徴です。
いすゞBU20KP(1972年式)
岩22か1628
撮影:都南車庫(1985.7.21)
はとバスから1981年に譲受した車両。2両ありました。はとバスの車両は、窓の縦寸法が大きい独特のスタイルをしています。テールライトは丸型2灯です。
1628は県交通カラー、1629はTDA専用カラー(注1)に塗られ、配属は河南営業所(後に都南へ転属)でした。
特急花巻空港線用ですが、県交通カラーの車両は早坂高原線に使用されることもありました。
窓下にモールがあるせいか、はとバスからの転入車は、青い帯のところに社名が書かれています。
なお、細かいことですが、こうして2台並べて見ると、バンパーの形が違うのが分かります。
岩22か1629
撮影:河南営業所(1985.3.23)
岩22か1629
撮影:花巻空港(1986.4.29)
いすゞBU20KP(1973年式)
岩22か1797
撮影:花巻営業所(1988.3.17)
岩22か1778
撮影:千厩営業所(1986.9.24)
はとバスから1982年に5両を譲受しました。当初は、一関−気仙沼間の特急バスや花巻空港特急など長距離路線に使用されていました。
CRA650など後継車の転入により、活躍の場は狭められていったようです。
側面窓下のモールや丸型のテールライトは、前年度製の車両と同じくはとバスの特徴です。また、はとバス時代は方向幕がなかったため、正面方向幕は後付です。
窓下モールのせいで、カラーリング、特に社名の入れ場所には工夫したようで、左右の写真を見比べると社名の位置が違います。
岩22か1783
撮影:盛岡バスセンター(1984.12.16)
TDA花巻空港特急に使用されていた車両です。
カラーの違い以外に、ヘッドライト上の飾り帯がついている点がほかの車両と異なります。はとバス時代はなかったと思うのですが、県交通入りの際方向幕とともに取り付けられたのでしょうか。
岩22か2470
撮影:雫石営業所(1987.12.29)
元はとバスのうち、1987年に再登録されていた車両です。色は塗り替えたばかりで、ブルーラインの位置や社名の位置などがほかの元はとバス車両と異なります。
再登録前はTDA空港特急に使用されていた「岩22か1783」(上の写真)ではないかと思われます。ヘッドライト上の飾り帯が「1783」と同じ特徴です。
いすゞCRA650(1978年式)
岩22か2353
撮影:毛越寺(1986.9.24)
岩22か2353
撮影:毛越寺(1986.9.24)
はとバスから1986年に転入したハイデッカー。
はとバスで定期観光に使用されていた固定窓車で、写真の車両は一関営業所に配属されて、岩手県でも定期観光に使用されています。
引き続き同型車が盛岡地区などにも入り、滝沢営業所、松園営業所で一本木線に投入されていました。
いすゞCRA650(1977年式)
岩22か2450
撮影:盛岡バスセンター(1987.6.21)
岩22か2450
撮影:盛岡市内丸(1987.6.21)
はとバスから1987年に転入したハイデッカーで開閉式窓のタイプ。同仕様車3両が同時に入り、花巻空港特急に集中投入されました。