バス廃車体全国版

長野県3(松本電鉄)

長野県にある松本電鉄の廃車体です。松本電鉄は、松本市を中心に北は小谷村、南は上松町、東は諏訪市までのいわゆる中信地区と言われる地域をまんべんなく営業エリアとしていました。
かつてはいすゞと三菱が主体で、いすゞ車は北村製作所製ボディが多く存在しました。

廃車体(長2あ1865)
R370

撮影:長野県(2018.1.1)

松本電気鉄道 三菱R370(1960年式)

呉羽ボディのツーマン車で、横置きエンジンのR300系列。
正面は2枚分割窓、後面も2枚窓です。この系列だと、側面最後部の窓が固定窓になります。
車番は791です(注1)

廃車体
R470

撮影:長野県(2015.6.13)

松本電気鉄道 三菱R470(1965年式)
R470

撮影:長野県(2015.6.13)

公園の集会所として使われている屋根つきの廃車体。呉羽ボディの2ドア車で後面は連続窓。車番は525が読み取れます。そう変な車両でもないようですが、よく見ると中ドアが変です。
折り戸の上半分はドアの形状を残していますが、下半分は側板と面一、つまり鉄板で塞がれています。塞いだ板を見てみると、周囲とは退色の具合が異なり、さらにリベットではなく溝付きのネジで止めてあることが分かりました。
ここまでの観察だと、ツーマン車の中ドアを塞いで前ドア車に改造したということになるのですが、そうでもないようなのです。(注2)
型式は、ポンコツ屋赤木さんによります。この廃車体の下を覗いたらフレーム付だったそうです。

廃車体
BA741

撮影:松本市(1988.12.18)

松本電気鉄道 いすゞBA741(1965年式)
BA741

撮影:ヒツジさん様(松本市 2004.5.30)

北村製作所の丸型ボディ。前後ドアの初期ワンマンカーです。前ドアに「入口」と書かれており、前乗りだったことが分かります。
側面の後のほうに中途半端な大きさの小窓があります。通常なら縦長の固定窓になるところですが、なぜかスタンディーウィンドウに相当する部分まで伸ばさなかったようです。
車番は153。年式が反映されていません。
(2015年に撤去を確認)

廃車体
MR410

撮影:長野県(2018.7.18)

松本電気鉄道 三菱MR410(1973年式)

呉羽ボディの前後ドア車で、正面がヒサシ形状になった1973年式。車番は334です。
白馬や明科などのローカルに使われる前後ドアの2人掛けシートでしたが、最後には松本市内線で花道を飾った同形車もありました。

廃車体
BU10K

撮影:生坂村(2005.10.29)

松本電気鉄道 いすゞBU10K(1974年式)

松本電鉄に多数在籍した北村ボディのBUの中で、バス窓最終期の山岳路線用高出力車。屋根の上に張られた針金のようなラジオアンテナが往時を物語ります。
奥にいるのも同型車ですが,塗装の状態などは奥のほうが良いようです。

情報提供:ちょご姉様
(2017年5月、火災により焼失しました)

廃車体(松本22あ438)
BU10K

撮影:Kj様(長野県 2015.6.22)

松本電気鉄道 いすゞBU10K(1975年式)

サッシ窓の北村製作所製ボディで、元は上高地で使用されていた高出力車。長野オリンピックを前に新塗装に塗り替えられ、最後は白馬営業所で山登りをしていました。
北村製作所のサッシ窓車は、側面最後部の三角の窓を廃止しました。その当時は違和感があったのですが、やがて当たり前になりました。
車番は10512
エンジンはありません。

廃車体(松本22あ440)
BU10K

撮影:Kj様(長野県 2015.6.22)

松本電気鉄道 いすゞBU10K(1975年式)
BU10K

撮影:Kj様(長野県 2015.6.22)

上の車両と同形車の廃車体がすぐ近くにあります。こちらの車番は10514
正面窓下に2本のリブが入っていますが、塗装変更を含む更新時に補強のためか入れられたもの。側窓の下にも太めのリブが入っています。
やはりエンジンは抜かれており、後面の点検蓋が開放状態になっています。

注意事項
本ページは、「廃車体は文化遺産である」と言う趣旨によって作成しております。当サイトを訪れる方は、この趣旨を御理解いただける方だと思いますが,万が一,本ページの悪用による廃車体への損傷等があった場合は,本ページ及び関連する事項は即刻削除いたします。
(注1)
この車両の、年式、登録番号、車番は、Kj様の調査によります。
(注2)
赤木靖之(2013)「信州古バス見聞録」のP.155に、1965年の大町有料道路開通の祝賀バスの写真があるのですが、そこに写っている同一車両が、すでに中ドアを塞いだ前ドア車になっています。つまりこの車両は、1965年に製造され、同年のうちに中ドアが塞がれたということになります。
松本電鉄には、同じように中ドア折り戸の下半分を塞いだ車両がほかにも存在します。日本バス友の会(1984)「日本路線バス総合カタログ」P.666に、同じように中ドアを塞いだ車両(MR480(1964年式)長2あ3470)が写っていますが、これは前ドアの丈が低く、中ドア車→前ドア車への改造が行われたと想像できます。
ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”