日野自動車(9m車)
日野の9mサイズのリアエンジンバスは、1967年に登場したRD100が最初です。これまでこのクラスは、センターアンダーフロアエンジンの「ブルーリボン・マイナー」が担ってきましたが、大型バスがリア・アンダーフロアエンジンのRB系に切り替えられるのを追うように、このクラスもリアエンジンに切り替えられました。その後もモデルチェンジを経て製造は続けられましたが、市場自体が小さいせいもあって、あまり目立つ存在にはならないまま終了しています。
日野RD 1967−1984
表4-13-1 日野RD
年式 | 1967-1976 | 1976-1979 | 1980-1984 | |
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原動機型式 (出力) | DS70 (140PS) | EH300 (160PS) | EH700 (170PS) | |
軸距 | 4300mm | RD100 | RD300 | K-RD301 |
4800mm | RD120(1969年〜) | |||
備考 |
日野RD 第1期 1967−1976
自家用 日野RD100
撮影:山梨県(1980.5.17)
日野で初めての9mサイズのリアエンジンバスがRD100で、10mサイズのRE/RCより一足早く登場しています。
当初はヘッドライト2灯で、非常口も中央部にあるなど、RB/RCの特徴も併せ持っていました。1970年からRE/RCと同じ、角型ライドベゼルの4灯になりました。
車体スタイルはRE/RCと共通で、帝国ボディと金産ボディが主体です。
岩手県交通 日野RD120(1971年式)
撮影:花巻営業所(1985.8.27)
1969年に長尺のRD120が追加されていますが、RE100とあまり変わらない長さなので、普及はしていません。
RDはエンジン縦置きで、後面のエンジン通気孔は2カ所あります。
帝国ボディの場合、非常口窓は固定窓になります。
徳島バス 日野RD100
撮影:吉野川市(2013.3.2)
自家用 日野RD100(1969年式)
撮影:ヒツジさん様(伊那市 2004.7.4)
金産ボディの一例です。RE/RCの場合と同様に、側面の折り戸や最後部三角窓の形状が帝国自工と異なります。また、非常口窓がスタンディウィンドウつきになっているほか、側面の窓割が細かくなっている点などに特徴があります。
ボディの組み合わせ・・・帝国、金産、西工
日野RD 第2期 1976−1979
川中島バス 日野RD300(1977年式)
撮影:大町営業所(1989.3.6)
1976年にRDはモデルチェンジによりRD300となりました。長尺車は廃止されています。
外観的には、日野車体のサッシ窓のボディになったほか、左側面のエンジン通気孔がなくなり、後面のエンジン通気孔は一つになりました。
側面最後部の固定窓の幅が広いのがこの型式の特徴です。
自家用 日野RD300(1978年式)
撮影:上士幌町(2016.6.19)
自家用 日野RD300(1978年式)
撮影:一関市民様(衣川村 2003.9.22)
1978年からの日野ボディは正面ヒサシが浅いスタイルになりました。
ボディの組み合わせ・・・日野、西工
日野RD 第3期 1979−1984
弘南バス 日野K-RD301(1982年式)
撮影:弘南黒石駅(1985.3.20)
弘南バス 日野K-RD301(1982年式)
撮影:弘南黒石駅(1985.3.20)
昭和54年排ガス規制を受け、K-RD301にマイナーチェンジされました。大型車K-RE101などと同様に、後面のエンジン通気孔がなくなるなどの外観的変化があります。
ボディの組み合わせ・・・日野、西工
日野RK 1984−1990
表4-13-2 日野ブルーリボンRK
年式 | 1984-1990 | |
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原動機型式 (出力) | H07C (175PS) | |
軸距 | 4350mm | P-RK172BA |
備考 |
自家用 日野P-RK172BA
撮影:一関市民様(国見平温泉 2003.10.5)
自家用 日野P-RK172BA
撮影:一関市民様(衣川荘 2003.10.4)
1984年にそれまでのRDに代わってスケルトンボディのRKが登場しました。中型車をベースに大型車のボディを乗せた9m車は、やはり一部の事業者にしか普及しませんでした。
特にこのブルーリボンRKの場合、同じクラスのRT/RU17系が1986年に登場し、並行生産されており、1990年までカタログ上は残されていたものの、生産数は大幅に減っています。
ボディの組み合わせ・・・日野
日野RT/RU17 1986−1990
表4-13-3 日野RT/RU17
年式 | 1986-1990 | 1990-1994 | |
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原動機型式 (出力) | H07C (180PS) | H07D (195PS) | |
軸距 | 4400mm | P-RT174AA/RU174AA | U-RU3HJAA |
備考 | RT=リーフサス、RU=エアサス |
越後柏崎観光バス 日野P-RT174AA(1989年式)
撮影:樋口一史様(栃尾車庫 2004.9.15)
1986年から、9mサイズの新型式の生産が始まりました。エンジン出力、車両サイズともにRKより若干アップグレードされているほか、エアサス仕様も設定されています。
ボディは大型車のHT/HUと同じスタイルで、後面は丸みがあり、1987年には側窓の縦寸法が拡大されています。
1990年に平成元年排ガス規制に対応してU-RU3HJAAにモデルチェンジされました。
ボディの組み合わせ・・・日野
中鉄バス 日野U-RU3HJAA
撮影:岡山駅(2012.5.26)
参考までに、1990年以降のU-についてもお見せします。
通常の大型車と同様、正面方向幕周りの形態が変わりました。
1994年に平成6年排ガス規制に対応し、KC-RU1JJCAにモデルチェンジが行われています。
なお、このRUという型式は、縦置きリアエンジンバスのエアサス車を指し、1994年以降のHIMRにも継承されています。
ボディの組み合わせ・・・日野