ロゴやプレート
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それらは、ボディメーカーのプレートであったり、バスの商品名や型式名を表すロゴであったり、様々です。取り付けられている場所も、前面、側面、後面など、あらゆる場所に亘ります。これを見ることにより、メーカーや型式などを知ることも出来ました。
なお、ここに取り上げたのはその一部で、探してみるとほかにも種類があるはずです。
ボディメーカー・プレート
川崎車体
1950頃〜1986年
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川重車体が製造したバスについているプレートです。川崎重工の「川」をデザインした「リバーマーク」と呼ばれるマークをあしらった社旗をデザイン。
大抵、前輪のフェンダ直後につけられていました。
1986〜1995年
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IKコーチは川重車体といすゞバス製造との間の10年間ほど存在した会社です。
その名の通り、IとKをデザインしたマークです。
富士重工
1953頃〜1964年
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富士重工が富士自動車工業と名乗っていた時期からのボディのプレートです。「Fuji Coach」と書かれています。
これ以前は、同じ形状で斜めに「FUJI」と書かれていたようです。
1964〜1985年
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中央のブーメランのようなマークは富士重工の社章で、カタカナの「フ」をデザインしています。
(このマークは、社章としては1954〜2003年の間に使われていました)
1985〜2003年
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略称の「FHI」(Fuji Heavy Industries)のロゴとの組み合わせです。
バスボディでは、乗用車などに使われる「スバル」のブランド名や六連星のマークは使われませんでした。
(バスボディ製造終了後の2003年に、富士重工の社紋は六連星に変更になっています)
帝国自工
1948頃〜1960年頃
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帝国自工のワード・マークです。終戦後の1948年にはすでに使われていました。1960年頃まで使われていたようです。
サイドとリアの両方に取り付けられることが多かったようです。
1960頃〜1975年
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1960年代のRBからREの時期に使われました。
これも、リアに取り付けられることが多いようですが、側面についている例もあります。
金沢産業
〜1965年
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金沢産業と言う社名だった時期のものと思われ、「金沢コーチ」とローマ字で書いてあります。
1966年〜
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長方形のものに変わりました。社名を略して金産(きんさん)と呼んでいたことから、その略称が書かれています。
日野車体
1975年〜
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日野車体工業の成立に伴い、プレートも変わりました。
これまでの帝国自工は後面につけられることが多かったのですが、日野車体では側面につけられます。
呉羽自工
〜1965年頃
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写真は、呉羽自工の1961年式車両に取り付けられていたもの。「クレハコーチ」と書かれています。
頭についているマークは、カタカナで「クレハ」をデザインしています。
1965年頃〜
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写真は、呉羽自工の1969年式車両に取り付けられていたもの。ローマ字で「Kureha」と変わりました。
西日本車体
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写真は、1965年式車両に取り付けられていたものですが、かなり長期間にわたってこのマークが取り付けられていました。
北村製作所
〜1966年頃
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写真は1966年式の車両についていたもので、「新潟」と言う地域名が入っています。
1967年頃〜
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楕円形に「北」をデザインした社紋を組み合わせたもの。
東浦自動車工業
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大阪市にあった東浦自動車工業のボディサイン。
1958年式の保存車のもの。
尾張車体
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特種車体などを手掛ける尾張車体のボディサイン。
シャーシメーカーのプレート類
いすゞ自動車
ボンネットバス側面のバッジ(1947頃〜1959年)
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ボンネットバスのボンネット部分の側面につけられていた丸いバッジ。「ISUZU」の文字がデザインされています。
終戦後間もなくから、ボンネット形状が変わる1959年頃までのもののようです。
側面のエアサスバッジ(1960年頃〜)
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いすゞのエアサス車両に付けられていたマーク。
小判型のいすゞマークと下にAIR SUSPENSIONの文字があります。
前輪フェンダ脇に付く例が多いようです。1960年頃からのもの。
後面のバッジ(〜1961年)
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1950年代から使われていた、ワッペン形の中に「いすゞ」のマークが入ったリア・エンブレム。翼のようなものがついていますが、前面につけられるものと同様、かっこよさを演出するものです。
後面のバッジ(1962〜1974年)
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前面のエンブレムと前後して、リアのバッジもシンプルになりました。
この形はそれなりに長く続きました。
後面のロゴ(1975〜1984年)
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1974年に社紋が「伸び行く2本の柱」に変わり、リアもマークとロゴの組み合わせに変わりました。
他のメーカーにも共通することですが、エンブレムという要素は影を潜め、企業ロゴを貼った状態になってゆきます。
後面のロゴ(1984〜1994年)
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いすゞLVへのモデルチェンジと同じくして、「ISUZU」ロゴが黒地に白文字に変わり、また材質もステッカーに変わったようです。
1991年に社名ロゴが変更になり、2本柱のマークも廃止されましたが、バスにはモデルチェンジまでしばらく残ったようです。
日産ディーゼル工業
側面のバッジ(1960〜1982年)
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民生デイゼルから日産ディーゼルへの社名変更に伴い用意されたプレート。
側面のバッジ(1960〜1995年)
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側面につけられるUDのバッジ。
当初は「UDエンジン」搭載車を意味したようです。やがてUDが日産ディーゼル工業の代名詞になり、同社製のあらゆるバスにつけられるようになりました。
後面のバッジ(1960〜1982年)
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同じくUDのバッジで、後面につけられるもの。
後面のロゴ(1982〜1995年)
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1979年にロゴが新調され、バスは富士重工製ボディが15型になるのと時を同じくして変更しました。
1995年に新しい「UD」マークが登場するまでこれが使われていました。
なお、側面のバッジは、この時期にも「UD」が継続使用されていました。
(画像:カタログより)
日野自動車工業
前面の愛称ロゴ
日野ブルーリボン(1952年〜)
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日野のセンターアンダーフロアエンジン車の愛称「ブルーリボン」のマーク。
正面のナンバープレートの上辺りに付けられていました。
左右が棒状に伸びた細長いプレートで、文字が読みにくく、飽くまでもアクセント程度に見えます。
日野スケルトン(1977〜1982年)
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日野自動車が1977年から製造を開始した観光バス「スケルトン」。正面向かって右側に、写真のようなロゴが付けられています。
写真では水平につけられていますが、斜めにつける場合もあります。
日野ブルーリボン(1982年〜)
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第2世代の日野「ブルーリボン」のロゴマークです。
日野のスケルトンバスの量産タイプで、再び「ブルーリボン」の名が日の目を見ました。
正面向かって右側に付けられています。斜めにつける場合と水平につける場合の両方があるようです。
日野レインボー(1982〜1988年)
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日野の中型バス「レインボー」の初期のロゴマークです。
正面向かって右側に付けられています。
日野レインボー(1988年〜)
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1988年のモデルチェンジを境にロゴが変わりました。
また、バリエーションのRJ、RR、7Mなどの要素が加わります。
側面のプレート
側面のエンブレム(1961〜1968年)
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日野のウィングマークと共通イメージを持つサイドのプレートです。「Hino」のロゴと、車形を示す「RU」の文字が書かれています。Rear Underの略で、リア・アンダーフロア・エンジン車のRB系に使用されていました。
画像:カタログより
側面のエンブレム(1968年〜)
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RE系へのモデルチェンジと同じころ、サイドのプレートも若干簡素なものに変わりました。これまでの「RU」ではなく、RE,RC,RLなどの型式名が添えられようになりました。
日野レインボー(1982〜1988年)
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中型バス「レインボー」のサイドのものはレタリングなので、本来ここでは対象外ですが、参考掲載です。窓柱に付きます。
路線バスは「CITY」、観光・自家用は「TOURING」と入ります。
後面のバッジ
BT型の後面バッジ
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日野BDなど「ブルーリボン」のリア面についていたバッジです。前面のウィングマークとイメージを合わせた、小さなウィングのある丸いマークでした。
日野BDの作られていた1960年頃までのものと思われます。
BT型の後面バッジ
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日野BTのリア面についていたバッジです。「Hino」のロゴが「H」を模った背景の上に書かれています。1960年頃からのものと思われます。
後面バッジ(1961〜1985年)
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リアアンダフロアエンジンの日野RB系以降は、「Hino」のロゴと車形を表す記号が書かれたバッジが付けられます。RB系では「RU」と書かれていますが、RE系以降では型式の記号が書かれるようになりました。
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時期によって形状には違いがあるようです。これは、1982年以降の中型バスRJに付けられていたもので、若干小型化されています。
後面ロゴ(1985〜1995年)
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リアのマークは、1985年のモデルチェンジの時から、ロゴマークに変わりました。「ブルーリボン」などの商品名を添えるのが特徴。
取付位置も、それまでのバッジは後面下部でしたが、後面窓下に変わりました。
三菱自動車工業
側面プレート(1964頃〜1981年)
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三菱グループを象徴するスリーダイヤとFUSOのロゴを組み合わせたロゴマーク。
側面「FUSO」ロゴ(1981〜1987年)
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1981年の「フルデッカT」あたりから、「FUSO」のロゴマークのみのシンプルなものになりました。
側面「MMC」ロゴ(1982〜1993年)
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1982年に三菱自動車工業に「MMC」という愛称がつき、そのロゴをつけるようになりました。
大型車には「FUSO」のロゴも残り、両方付けるケースもあります。
エアロバス登場とともに使われたマークです。
後面のB8・B9バッジ(1967〜78年)
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三菱のB8系とB9系とにつけられた四角形のプレート。
これは、外観では見分けに迷うことのある両型式の区別に役立ちました。
これ以外の型式には付けられていません。
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後面のバッジ(1976〜82年)
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1976年から「M」をデザインしたマークが登場しますが、バスではリアでの使用にとどまりました。
(乗用車販売チャネルの小型バスでは、1976年のマイナーチェンジから、フロントに使用していました)
同時期のいすゞのマークと類似しているためか、「MMC」マーク登場に伴い廃止となりました。
後面のFUSOロゴ(1982年〜)
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リアにはスリーダイヤが残り、「FUSO」ロゴとの組み合わせになっています。
(画像:カタログより)
日産自動車
後面のバッジ
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リアにあった丸いバッジです。
中央にある円と横棒を組み合わせたマークは、通常は「NISSAN」のロゴが入る日産自動車のマークです。
後面のロゴ
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リアにあったプレートです。カタカナで「ニッサン」のロゴが書かれています。
トヨタ自動車
後面のバッジ
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リアの付けられていたバッジです。小判形で、「トヨタ」のロゴマークと、ローマ字の「TOYOTA」ロゴが書かれています。
民生デイゼル
民生コンドル・エンブレム(1950〜59年)
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1950年から民生デイゼルが製造を開始したリアエンジンバスのエンブレムです。
メーカー名のエンブレムと同様、フロントガラス下の中央に取り付けられます。
形状は鳥を意識したものと推察できます。
民生イーグル・エンブレム(1950〜59年)
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同じくリアエンジンバスの「イーグル号」のエンブレム。