保存車の世界

鉄道車両

新潟交通の保存車

新潟県の新潟交通は、白山前(旧県庁前)から弥彦線燕までを結ぶ路線でしたが、1992年に白山前〜東関屋間の併用軌道を廃止、1993年に月潟〜燕間を廃止、そして1999年に残る東関屋〜月潟間が廃止となり、全廃となりました。
最後まで使用されていた車両の中の3両が月潟村に寄贈され、旧月潟駅跡地に保存されています。

保存車
モハ11

撮影:月潟駅(2018.7.2)

新潟交通 モハ10形(11号)

地方私鉄の標準型車体として日本車輛で製造された17mのレディメイド車両。岳南鉄道や松本電鉄に兄弟がいましたが、こちらは正面2枚窓が個性を発揮します。戦前形車の更新名義で、1966年にこの車体を新製しました。
全線廃止まで使用された主力車両のトップナンバー車として、保存されました。

保存車
モワ51

撮影:月潟駅(2018.7.2)

新潟交通 モワ51形(51号)

1933(昭和8)年の開業時に用意された半鋼製の電動貨車。開業時の新潟交通のスタイルを残す貴重な車両です。
荷物輸送のほか、貨物列車の牽引にも使用されましたが、1982年の貨物列車廃止以降は、ラッセル車の推進運転をする役目が残り、現在もその時の組み合わせで保存されています。

保存車
キ116

撮影:月潟駅(2018.7.2)

新潟交通 キ100形(116号)

雪掻きをするための車両でラッセル車と呼ばれます。1968年に国鉄より購入したもので、それまでは奥羽本線新庄駅常備だったとのこと。
新潟交通に来てからは、モワ51号と総括制御可能にし、その推進運転によって除雪に使用されました。

保存車
クハ46

撮影:埼玉県(2006.3.4)

新潟交通 クハ45形(46号)

小田急電鉄デハ1400形の車体を持つ車両で、遠く埼玉県の企業で保存されています。
車籍上は戦時中に作られたクハ34を改造したことになっていますが、事実上、別の車両です。
小田急時代は正面貫通式でしたが、新潟交通で非貫通に改造されています。それでも、小田急のデハ1400形の保存車は今はなく、貴重な存在です。

参考文献
  1. 鈴木大地(1998)「新潟交通」(鉄道ピクトリアル98-4増)149-155
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80s岩手県のバス“その頃”