トロバス記念館
建物の1階脇のスペースに、トロリーバスが保存されています。
- 名称・・・トロバス記念館
- 所在地・・・長野県大町市扇沢
- アクセス・・・
・関西電力「扇沢」駅より徒歩3分
・北陸新幹線長野駅より特急バス扇沢行1時間45分「扇沢駅」下車 - 開館時間・・・9:00〜16:00
- 休館日・・・無休・ただし冬期(12月〜4月中旬)は休館
- 入場料・・・無料
立山黒部アルペンルートの入口
まずは、ここがどこなのかを確認しましょう。「立山黒部アルペンルート」は、長野県から富山県にかけて、様々な交通機関を乗り継いで北アルプスの山を越える山岳観光ルートです。そのロケーションから、当然、冬は閉鎖されてしまいます。
何回も乗り継ぐので、ルート内の各駅(乗継拠点)には、このような路線図看板が掲げられています。左側が富山県で、右側が長野県。現在「関電トンネル電気バス」が走っている黒部ダム〜扇沢間に、かつてはトロリーバスが走っていました。
「トロバス記念館」はそんなトロリーバスの起点駅であった扇沢の駅前にあります。
トロバス記念館(扇沢総合案内センター)
扇沢駅からトロバス記念館を見てみます。元は扇沢総合案内センターでしたが、3階の窓に大きく「トロバス記念館」の文字があります。
入口があるのが2階、その下が1階で、トロリーバスは1階の位置にあるので、ここからは見えません。
駅前は、傾斜地なので1段〜2段下がったところに有料駐車場があり、そのレベルに建っています。
2階展示場
入口を入ると、すぐに運転シミュレーターがありました。
実際にトロリーバスについていた座席、運転台を使って、トンネルの中を走る体験ができるようです。
記念撮影用の制服があったと思えば、100形のハンドルやメーターパネル、300形の銘板やメインスイッチ、トロリーポール先端など、貴重な部品類も保存されています。
トンネルの1/3サイズミニチュアがありました。
これは、映画「黒部の太陽」で、ダイナマイトでの爆破シーンに使われたものだそうです。
歴代車両の写真パネルと解説も掲げられています。
100形と200形は登場時の姿です。前ドアの100形1次車、中ドアの200形というのは、車体改修によってドア配置を変えてしまったので、この姿の写真は貴重です。
3階展示場
3階の展示場は、最後のトロリーバスが保存されるまでの足どりをたどる事が出来るメモリアルホールになっています。
クラウドファンディングのWeb画面の記録から、運搬風景の動画、皆さんからのメッセージ、クラウドファンディングに協力した方々の銘板など、このトロリーバスが保存されるまでの軌跡が分かります。
1階(屋根下)
そして、トロバス記念館のメイン展示物である、「奇跡のトロリーバス」300形301号。
通常は屋根下に収められていますが、ドアは開けてあり、車内を見学することができるようになっています。
イベントなどの際には、少し前に出てくることもあるようです。
扇沢駅
せっかくなので、かつてトロリーバスが発着していた扇沢駅も見てみることにします。
傾斜地に作られた大きな建物ですが、1階はバスの発着ホーム、2階は待合室やレストラン、売店、3階にトロリーバス(現在は電気バス)の発着ホームが作られています。
電気バスの待合室に、トロリーバス100形の1/20サイズの模型が置いてありました。トンネルから出てくる様子を表しています。
どうせなら、トロバス記念館に置いてほしいような気もしますが、この場所でみんなの目にとまる方がいいのかも知れません。
そして待合室で存在感を示すのは、電気バスの記念写真用の張りぼて。以前はトロリーバス300形だった記憶がありますが、ちゃんと更新されていました。
現役車両(電気バス)
扇沢駅3階のホームには、黒部ダムに向かう電気バスが発着しています。
日野ブルーリボンの電気バスで、パンタグラフ式の急速充電装置を屋根に載せています。ナンバープレートの位置に「1004」などの番号が入りますが、鉄道車両(トロリーバス)時代の形式の考え方を引き継いでいるのかも知れません。
扇沢レストハウス
扇沢駅2階にある扇沢レストハウスでは、「アーチダムカレー」が食べられます。
全国的にメジャーになった「ダムカレー」の原形で、最初に提供したのが、ここ扇沢レストハウスだそうです。ダム形のライスと黒部湖をイメージしたカレーというシンプルな構成を今に伝えます。
保存車両の概要
- トロリーバス(1両):300形(301号)