ボンネットバス(いすゞ)
撮影:小野澤正彦様(奈良市 2014.9.20)
ボンネットバスは、その外観が特徴的であることも手伝って、今も相当数が保存されています。これは鉄道車両の保存車に蒸気機関車が多いこととも共通します。ボンネットバスの最初の保存ブームが訪れたのが1980年代初頭で、その時点で残存車の多かったいすゞ車が今でも多く残されています。これは、いすゞが比較的小型のボンネットバスを製造していたため、箱型バスが主流になった後も狭隘路線用などで残されるケースが多かったためです。
なお、4輪駆動車などは「特殊車両」の項目に掲載します。
川崎ボディ製
保存車(こべっこ号)
撮影:車両工場(2005.4.9)
神戸市交通局 いすゞBX131(1956年式)
数多いいすゞボンネットバス保存車の中でもごく初期の車両。川崎航空機のボディですが、狭隘路線に使用するためナローボディとなっています。
特殊路線用ゆえ1972年まで現役で使用され、交通局で保管されていたものを、1988年に観光用に「こべっこ号」として復活させました。1993年に後任に道を譲り、こちらは静態保存されることになりました。
ネコバス
撮影:ぽんたか様(伊那市 2015.8.16)
元伊那バス いすゞBX341(1959年式)
撮影:小野澤正彦様(伊那市 2015.8.16)
元伊那バスのボンネットバスを地元の個人の方がレストアの上、ナンバーを取得したもの。ボディに「2番目に古い昭和34年車」と書かれています。
川崎航空機のボディで、後面の急な傾斜が特徴。また側面には4本のビートが入りますが、この部分も現在に残されているのは珍しいと思います。
銀色のカラーは昔の伊那バスの再現なのか、34305という車番も入っています。
地元で開かれたイベントに出演した時の写真で、真夏の暑い中なので、開く窓すべてが開かれた状態です。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(いすゞオーナーズミーティング会場 2012.6.10)
自家用 いすゞBX341(1959年式)
川崎ボディのボンネットバスで、このボディスタイルを持つ現存車はそう多くはありません。
元静岡県掛川市のスクールバスとして使用されていたもので、自家用仕様のため前ドア車となっているそうです。
カラーデザインは当時のカタログカラーだそうです。
保存車
撮影:小野澤正彦様(河口湖自動車博物館 2010.8.19)
河口湖自動車博物館 いすゞBX731(1961年式)
「1961 ISUZU」というプレートをつけて保存されているので、1961年式と思われます。このボンネットの形状は1959〜62年ごろのもの。川崎航空機のこのボディスタイルでは末期のもの。
撮影時点ではナンバープレートはありませんが、以前は自家用登録していたそうです。自動車博物館という性格上、走行可能なコンディションは保たれているものと思われます。
ボンネットバス
撮影:旅男K様(三好市 2007.6.17)
ホテルかずら橋 いすゞBX731(1962年式)
旅館の公式サイトによると備北バスの廃車体をレストアしたもの。2灯だったボンネットを4灯の消防車のボンネットに交換したとのこと。
旅館とかずら橋の間の観光送迎に使用されています。旅館の所有ですが営業ナンバーを取得しています。
ボディ側面にはかずら橋のイラストが入っています。
ボンネットバス3号車
撮影:ぽんたか様(いすゞオーナーズミーティング会場 2022.6.5)
オーワ観光バス いすゞBXD30(1963年式)
撮影:ぽんたか様(いすゞオーナーズミーティング会場 2022.6.5)
長野県の信学会からの移籍車で、2020年にオーワ観光バスのボンネットバス3号車として復活。黄色ベースのオーワ観光バスカラーに整備されました。
写真は、いすゞミーティングに参加のときの写真。
伊豆の踊子号
撮影:ぽんたか様(修善寺駅 2022.8.7)
東海バス いすゞBXD30(1964年式)
撮影:昭和の森会館(2006.6.4)
東海自動車が山間路線用に1964年に購入し1969年まで使用、その後教習用として残されていたものを1976年に観光路線バス「伊豆の踊子号」として復活させたもの。ボンネットバスブームに先鞭をつけたもので、一時は「伊豆の踊子号」の名前がボンネットバスの代名詞にもなったものです。
当初は譲受車と2両で使用されていましたが、現在はこの1両になり、運行区間も短縮されました。
2022年にリニューアルされています。
動態保存車
撮影:小野澤正彦様(川根本町 2008.7.15)
自家用 いすゞBXD30(1965年式)
元備北バスのボンネットバス。現在は個人所有となっています。
写真は大井川鉄道のイベントに使用されたときのもの。夏なので、側面窓全開であるだけでなく、正面窓や三角窓まで開いています。冷房のない時代は、窓にはこのような機能がありました。
動態保存車
撮影:小野澤正彦様(水戸市 2010.2.21)
自家用 いすゞBXD30(1966年式)
元三重交通のボンネットバス。中ドア前の側面方向幕や中ドア後ろの車掌台などに路線バスの面影があります。この年式からいすゞのボンネットバスはヘッドライト4灯になりました。
現在、日本バス友の会(NPOバス保存会)の所有です。写真は水戸偕楽園の「漫遊バス」として使用中の姿。方向幕には「助さん号」の名前が出ています。
ボンネットバス
撮影:安芸太田町(2007.3.3)
自家用 いすゞBXD30(1966年式)
備北バス(岡山県)、千曲バス(長野県)と渡り歩いた後、島根県で自家用として使われていたものが広島県内の福祉施設に移籍しました。
川崎航空機製ボディの前ドア車で、薄型のベンチレーターは備北バスの仕様だそうです。
動態保存車
撮影:小野澤正彦様(日本自動車博物館 2009.8.14)
日本自動車博物館 いすゞBXD30(1968年式)
川崎ボディのボンネットバスです。1963年以降のボディスタイルで、河口湖自動車博物館のものより新しいのですが、ボンネットはそれより古いBXのものに交換されています。従って、実際にはありえないスタイルと言うことになります。
この車両は自家用登録され、公道を走ることが出来ますが、通常は館内展示されています。
ボンネットバス
撮影:シンコー様(ひろしまバスまつり会場 2007.9.24)
呉市交通局 いすゞBXD30(1968年式)
予備車として1台残っていたものを1985年に観光キャンペーンに起用して以来、観光ツアーに使用されていました。
川崎ボディのボンネットバスとしては東海バスや東濃鉄道などと同じスタイルですが、系統幕を伴う正面方向幕や側面の扉上の方向幕など、路線バス用途の面影を色濃く残しています。
現在、広島電鉄にて保管。
ボンネットバス
撮影:八千代市(2011.12.9)
かもめ観光バス いすゞBXD30(1968年式)
観光バス会社のシンボルとして置かれているボンネットバス。ナンバーは付いていませんが、明るいカラーに塗り替えられ、窓にカッティング文字を貼るなど看板代わりになっています。
元はと言えば、呉市交通局の車両で、正面の系統幕や車掌台窓などに路線バスの面影を残します。
昭和レトロバス
撮影:ぽんたか様(守山市 2016.6.11)
二輪工房 いすゞBXD20(1968年式)
撮影:ぽんたか様(守山市 2016.6.11)
2016年に滋賀県の自動車整備工場がデビューさせたボンネットバス。短尺のBXD20です。
車両は長らく宮崎県内で使用または保管されていたもので、一般の目に触れるようになったのは久々のことのようです。
所有者の二輪工房では、長くに渡ってボンネットバスを探していたとのこと。各地で活躍するボンネットバスやその整備状況などを研究し尽くした末での実物購入だったようです。
(年式、車両履歴等は、小野澤正彦様より)
富士重工ボディ製
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(鳥取県 2008.5.10)
岩美町 いすゞBXD30(1965年式)
撮影:鳥取県(2006.8.27)
徳島県の施設でアトラクションとなっていたものを福山自動車時計博物館がレストアしたもので、富士重工製ボディのボンネットバス。
鳥取県岩美町が購入し、鳥取駅から鳥取砂丘などを経て岩美町の岩井温泉を結ぶ観光路線用として使用。運転は日本交通に委託しています。
後面の非常口の幅が通常の富士重工製ボンネットバスより広くなっています。
ボンネットバス2号車
撮影:ぽんたか様(豊田市 2015.4.11)
オーワ観光バス いすゞBXD30(1966年式)
撮影:ぽんたか様(豊田市 2015.4.11)
元かずら橋タクシーのボンネットバスで、2014年に廃車になったものを2015年にオーワ観光バスが再復活させました。元はと言えば、四国交通の車両です。
オーワ観光バスでは2台目のボンネットバスで、希望ナンバーの2を取得しています。茶色とクリーム色のシックなカラーに塗り替えられました。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(小豆島町 2014.2.10)
やなぎや観光 いすゞBXD30(1966年式)
元四国交通のボンネットバスで、小豆島の旅館「やなぎや」の送迎車でした。2006年に営業ナンバーを取得し、岬の分教場−二十四の瞳映画村間の無料バスに使用されています。
2005年にテレビで放映された「二十四の瞳」へ出演したためか、塗装が塗り直されました。さらに2014年に二十四の瞳映画村からの要請で小豆島バスの昔のカラーに塗り替えられました。
秘境の小便子僧号
撮影:旅男K様(三好市 2007.6.17)
四国交通 いすゞBXD30(1966年式)
定期観光バスに使用されているボンネットバス。四国交通から各地へ旅立ったボンネットバスは多くありますが、この1両のみが生まれ故郷に残りました。
富士重工製ボディの見慣れた外観で、大きな変化はなく活躍中。
ボンネッ太
撮影:石原裕次郎記念館(2005.6.19)
北海道中央バス いすゞBXD30(1966年式)
元四国交通のボンネットバスで、富士重工製ボディ。
徳島バスや自家用を経て1988年に北海道中央バスが「小樽ロマン号」として観光路線用にデビューさせました。1996年に一旦営業用を引退して同社が保存してきましたが、2004年に定期観光バスとして晴れて再復帰を果たしました。
北村ボディ製
昭和ロマン号
撮影:栗原大輔様(東京都 2009.11.19)
豊後高田市 いすゞBX141(1957年式)
元羽後交通のボンネットバスで、2009年にレストアの上、豊後高田市に譲渡されました。北村製作所製ボディのこの時代のスタイルを今に伝える存在として、現時点で唯一の車両。方向幕脇の明かり窓が時代を語ります。
豊後高田市の「昭和の町」で大交北部バスに運行委託して定期観光として使用中です。
写真はイベントのため東京に来たときの姿。
動態保存車
撮影:小野澤正彦様(小松市 2013.3.30)
ジェイバス いすゞBX553(1960年式)
バスボディメーカーのジェイバスがレストアしたボンネットバス。元羽後交通です。
車体は北村製作所製ですが、後面が丸いスタイルで、数ある北村製作所製の現存車の中では少数派です。
保存車(夕やけ小やけ号)
撮影:小野澤正彦様(八王子市 2009.11.8)
元西東京バス いすゞBXD50(1967年式)
伊那バスで登山バスとして使用していたボンネットバスを西東京バスが譲り受け、1982年から「夕やけ小やけ号」として季節路線に使用してきたもの。
2007年に定期運用を終了し、2009年に八王子市の「夕やけ小やけふれあいの里」に静態保存されました。木で作られた屋根の下に大切に置かれており、休日などは車内見学も出来るようになっています。
ボンネットバス1号車
撮影:小野澤正彦様(いすゞオーナーズミーティング会場 2012.6.10)
オーワ観光バス いすゞBXD50(1967年式)
愛知県の貸切バス会社が所有するボンネットバス。元々は伊那バスが登山バスとして使用していたものを、千曲バスが譲り受け、前ドアに改造の上八ヶ岳の観光路線に使用していました。
濃黄色は現在の所有者の標準カラーですが、後にオレンジ色が追加されました。グリルの銀メッキが特徴。
ボンネットバス
撮影:ぽんたか様(三好市 2014.11.12)
ホテルかずら橋 いすゞBXD30(1967年式)
祖谷渓にあるかずら橋に近い旅館が所有するボンネットバス。北村ボディと川崎ボディの2台がありますが、こちらは北村ボディ。後面が角ばったスタイルで、非常口は右側面にあります。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(京都府 2008.5.13)
丹後海陸交通 いすゞBXD30(1970年式)
丹後海陸交通が2004年から丹後半島の定期観光バスとして使用しているボンネットバス。曜日を決めて平日のみ運行されています。
生まれは自家用バスで、その後愛好家団体が所有していたもの。北村製作所製の車体で、この年式では後面は傾斜型のはずですが、前所有者時代に丸型に交換されています。外装カラーも前所有者時代からあまり変わっていません。
帝国ボディ製
福猫バス
撮影:畦道ノスタルヂィ様(招き猫ミュージアム 2024.2.23)
いすゞBXD30(1965年式)
元京阪バスのボンネットバスで、1978年に「おいでやす京都号」として定期観光バスに抜擢されたことで知られます。1993年に愛好会に譲渡され、1994年から「ボン太号」という名で瀬戸市の観光無料バスとして使用されました。
2023年から、瀬戸市の「招き猫ミュージアム」で静態保存となりました。外装はかつての国鉄バスのカラーとなっています。これは、瀬戸市で日本初の省営バス(後の国鉄バス)が走ったことにちなんだものです。
ボンネットバス
撮影:畦道ノスタルヂィ様(滋賀県 2024.2.24)
二輪工房 いすゞBXD30(1966年式)
元江若交通のボンネットバスで、近江鉄道を経て、滋賀県の農業公園「ブルーメの丘」の送迎バスとなったものの事故で引退。運よく、ボンネットバスを所有する二輪工房に引き取られました。
爽やかなカラーは、江若交通のかつてのカラー。
2020年から自家用登録で運転されていますが、一旦、引退が発表されているようです。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(大和郡山市 2011.3.6)
奈良交通 いすゞBXD30(1966年式)
奈良交通が山間路線用として自社購入したボンネットバスをそのまま定期観光輸送に転用したもので、オリジナルのボンネットバスをそのまま保有する数少ない事例。運行形態や運行区間などは何回か変わったようで、一時休止の後2004年に冷房付で復活しました。しかし間もなく保守の関係か定期運行がなくなり、現在では通常は車庫に保管されています。
写真は大和郡山市のイベントのため久々に姿を現し、展示されているときの姿。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(愛媛県 2011.1.30)
エスケイ いすゞBXD30(1966年式)
撮影:小野澤正彦様(愛媛県 2011.1.30)
元奈良交通のボンネットバスのうちの1台。1995年に京都府の瑞穂町営バスに譲渡されました。瑞穂町では当初奈良交通カラーのまま使用されていたそうですが、国鉄バスの旧カラーをイメージしたという茶色と白の落ち着いたツートンカラーに塗り替えられました。自治体が80条バス(白ナンバーの有償運行)にボンネットバスを登用するというのは珍しい例でしたが、京丹波町に合併後の2006年に用途廃止になりました。
その後、2010年に愛媛県のエスケイがこれを引き取り、ツアーなどに使用する貸切登録車として運行を開始しました。外装などは瑞穂町営時代のままとなっています。
銀河号
撮影:小野澤正彦様(いすゞオーナーズミーティング会場 2012.6.10)
自家用 いすゞBXD30(1966年式)
帝国自工製ボディを持つボンネットバス。元奈良交通ですが、後に鞆鉄道に譲渡、その後1976年に東海自動車へ再譲渡され「伊豆の踊子号・2号車」として観光客輸送に活躍していました。
現在では、「銀河号」と名付けられ、関西地方を中心とするイベントなどで見かけることがあります。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(美輝の里 2008.4.10)
濃飛乗合自動車 いすゞBXD30(1967年式)
江若交通が1981年に廃車にしたものを、岐阜県の濃飛自動車が譲り受けて1982年にデビューさせたもの。今となっては一つの事業者で使用されているものとしては古い部類に入ります。
帝国ボディのいすゞ車で、近江鉄道のものと同型ですが、ボンネットを旧式のものに取り替え、ドアを移設して前ドアにするなど、雰囲気と実用を考慮した改造がなされています。
当初は白川郷への観光路線に使用されていましたが、最近は馬瀬川渓谷などのショートコースに季節使用されています。
金沢ボディ製
保存車
撮影:札幌市交通資料館(2005.6.19)
札幌市交通局 いすゞBX95(1955年式)
撮影:札幌市交通資料館(2005.6.19)
戦後にディーゼルエンジンの大型ボンネットバスとしてベストセラーになったBXの初期シリーズの1台。
札幌市では営業用として使用の後、サービスカーに改造、その際に後面の非常口を観音開きに改造し、現在はその姿で保存されています。カラーは登場時のものを復元しているようです。
なお、説明板には川崎航空機製ボディと書いてありますが、実際は金沢産業製ボディだそうです。
函館浪漫號
撮影:函館市(2007.6.2)
函館バス いすゞBX352(1959年式)
元小豆島バスのボンネットバスで、四国の博物館や岡山の中古業者などを経て2007年に函館で定期観光バスとして営業運転を復活しました。
年式の割には方向幕が小さく両脇に明かり窓があるなど終戦後を思わせるデザインです。金沢ボディなので元の正面窓は下の魚沼交通と同じと思われますが、変わった形に改造されています。
ボンネットバス
撮影:海さん様(宮城県 2005.10.31)
魚沼交通 いすゞBX341(1959年式)
元瀬戸内運輸のボンネットバスで車体は金沢産業製。正面窓の外側にしかRがないのが特徴です。岩手県交通の弁慶号や九州自動車歴史館のやまなみ号より古いボディスタイルです。
廃車体を福山自動車時計博物館がレストアし、鞆鉄道カラーに塗ったもの。2004年に新潟県の森下企業が引き取った後、関連会社のタクシー会社が営業ナンバーを取得してイベントなどに使用しています。
写真は宮城県でのイベントに参加したときのものです。
ボンネットバス
撮影:ぽんたか様(三好市 2014.11.12)
かずら橋タクシー いすゞBX531(1960年式)
撮影:ぽんたか様(三好市 2014.11.12)
金沢ボディのボンネットバス。元は徳島バスのようです。
正面窓周辺は改造されている模様です。
さらに撮影者の調査によると、ボンネットに内にTXD40(1963年式)の銘板があるとのこと。ほぼ同形のトラックのボンネットを流用した可能性があります。よく見ると、グリルが1960年式より新しい細かい形状になっています。
動態保存車(やまなみ号)
撮影:小野澤正彦様(由布市 2009.11.29)
九州自動車歴史館 いすゞBXD20(1967年式)
撮影:旅男K様(由布院駅 2005.11.13)
元北陸鉄道のショート・ナローサイズのボンネットバスで、金産車体。北陸鉄道で廃車後に地元自治体に引き取られましたが、これはその時のカラーのようです。ボンネットは4輪駆動のTSD40などと同じ角ばったものでしたが、九州自動車歴史館入りに際し、1950年代初めのいすゞBXのものに交換されました。ルーバーの目が細かい点が後のBX〜BXDと異なります。実在しない組み合わせですが、金産のボディスタイルにはよく似合います。
非常口は側面にありますが、これは北陸鉄道時代に後面にスキー台を取り付けることがあったからだそうです。
時期によって湯平温泉で運行されることがあります。後ろ側の写真は亀の井バスに委託して営業運転をしていた姿。
その他のボディ
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(福山市 2010.7.26)
鞆鉄道 いすゞBX341(1958年式)
新日国工業製のボディを持つボンネットバス。側面のスタンディーウィンドウの上下幅などに特徴のある新日国ボディですが、現存するのはこの1両だけです。
琴参バスの廃車体を福山自動車時計博物館でレストアしたものだそうです。外装は鞆鉄道のかつての仕様に準じています。
定期観光バスや観光路線に使用されています。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(栗原市 2009.9.13)
自家用 いすゞBXD30(1963年式)
元九州産業交通のボンネットバスで、特徴あるスタイルは松本車体製。福山自動車時計博物館がレストアして保有していたものを、宮城県の介護老人福祉施設「十符・風の音」が譲り受け、高齢者の回想療法に寄与しています。
ヘッドライト4灯ですが、グリルの形状は1962〜64年のものという過渡期の形態が特徴です。イベントなどでも使用されます。
マロン号
撮影:小野澤正彦様(人吉市 2009.8.31)
山江村 いすゞBXD30(1964年式)
熊本県山江村が保有する元九州産業交通のボンネットバス。松本車体製のボディで、「十符・風の音」のものより新しいため正面連続窓です。
この車両、1978年に九州産交が廃車にしたものを保管していましたが、2003年に復活。九州産交のカラーのままイベントなどに使用されています。
過去の保存車
のんびり号
撮影:小野澤正彦様(郡山市 2008.12.20)
のんびり温泉 いすゞBXD30(1964年式)
福島県の「のんびり温泉」が、2008年に静岡県の中古車業者で保存されていたボンネットバスを譲り受け、送迎用として使用しています。
ドアが交換され、そこだけ近代的な感じになっているのが特徴です。方向幕には「のんびり号」と書かれており、正面の系統番号窓には温泉に入る人の絵が入れられています。
(2021年に閉業。バスのその後は不明)
動態保存車(東野交通100周年記念塗装)
撮影:ぽんたか様(東武宇都宮駅 2016.3.27)
自家用 いすゞBX553(1960年式)
栃木県の東野交通が創立100周年を記念して、ジェイバス所有のボンネットバスを自社カラーに塗替えました。
自社の記念ツアーの中で、「ボンネットバス試乗」に使用するということで、ナンバープレートはそのままです。社名はかつての「東野鉄道」と表示されています。2016年3月〜4月の期間限定です。
その後、このカラーのままでジェイバスが保存を続けています。
ボンネットバス
撮影:長野市(2011.12.30)
自家用 いすゞBXD30(1963年式)
幼稚園の送迎バスになっているボンネットバスですが、通常は使用されることなく、グランドの隅に置かれているようです。
カラーは送迎のマイクロバスと同じ鮮やかなデザインに塗り分けられています。
(2020年にオーワ観光バスに移籍)
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(成田市 2008.11.14)
千葉交通 いすゞBXD30(1965年式)
千葉交通が創立100周年を記念して、2008年11月に運行したボンネットバス。千葉交通に過去に存在したボンネットバスのカラーが復元されています。
個人所有車両を借りて、営業用に使用するという珍しいケースでした。登録番号は100周年を記念して、希望ナンバーの100になっています。
トコトコぼんちゃん
撮影:小野澤正彦様(山岡町 2008.3.16)
東濃鉄道 いすゞBXD30(1965年式)
元四国交通のボンネットバスで、川崎ボディ。
1975年に廃車となっていましたが、1988年に東濃鉄道が廃車体を購入、レストアして観光路線に復活。その後、一旦休車状態でしたが2001年に「トコトコぼんちゃん」と言う愛称で復活し、ツアーバスとしての活躍しました。
その後、2008年に定期運行は終了し、イベントなどのための貸切用途に使用されていましたが、2015年2月に廃車となり、売却されました。その後、福岡県の大宝観光に移籍しています。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(三好市 2008.10.11)
かずら橋タクシー いすゞBXD30(1966年式)
元四国交通のボンネットバス。祖谷渓の旅館とかずら橋の間の観光輸送用として活躍。
腕木式方向指示器が追加されています。
2014年に廃車となりましたが、2015年に愛知県のオーワ観光バスで再起しました。
夕やけ小やけ号
撮影:八王子市(2007.4.30)
西東京バス いすゞBXD50(1967年式)
伊那バスで登山バスとして使用していたボンネットバスを西東京バスが譲り受け、1982年から「夕やけ小やけ号」として季節路線に使用してきたもの。残存するボンネットバスの中では、車長の長い車両です。
2007年に定期運用を終了し、2009年に八王子市の「夕やけ小やけふれあいの里」に静態保存されました。
ボン太号
撮影:小野澤正彦様(瀬戸市 2010.4.18)
自家用 いすゞBXD30(1965年式)
元京阪バスのボンネットバスで、1978年に「おいでやす京都号」として定期観光バスに抜擢されたことで知られます。正面は系統幕つき、側面、後面にも方向幕があり、路線バス仕様であることが分かります。
廃止後に愛好家団体に譲渡され、名古屋市交通局のかつてのカラーに塗られ、瀬戸市のイベントなどで使用されました。
ボンネットバス
撮影:彦根駅(2005.4.9)
近江鉄道 いすゞBXD30(1966年式)
元江若交通のボンネットバス。帝国ボディのいすゞ車です。
一時名鉄系のホテルに譲渡された後、近江鉄道が長浜市の「楽らくバス」として運行、その後、彦根市で「ご城下巡回バス」として使用され、子会社の湖国バスに移籍したものの、2017年をもって引退しました。
その後2018〜2019年の間、滋賀県の農業公園「ブルーメの丘」で使用されたものの事故で引退、同県の「二輪工房」が修復しました。
ボンネットバス
撮影:小野澤正彦様(宍粟市 2010.10.16)
やまめ茶屋 いすゞBXD20(1970年式)
兵庫県にある峠の茶屋で、1980年代から送迎や宴会などに使用されていたボンネットバス。
山崎営林署から購入し、座席を撤去の上お座敷バスとして使用、カラオケも装備されていました。
現在ではナンバープレートはついていますが、放置状態にあるようです。
森のくまさん
撮影:裏磐梯道の駅(2005.6.9)
磐梯東都バス いすゞBXD30(1967年式)
元江若交通のボンネットバス。帝国ボディのいすゞ車です。
裏磐梯の桧原湖周遊バスとして使用されており、ボディ全体が熊をイメージしたカラーリングで、愛称も「森のくまさん」。
廃食物油から精製した燃料で走る環境にもいいバスだとのことです。
(2019年6月に引退)