古バス民族学
多摩動物公園のバス休憩所
多摩動物公園は、かつてライオンバスを運行していたことで知られますが、発着所の耐震工事に伴い2016年から運行を休止しています。(2018年現在)そんな多摩動物公園にも、園内シャトルバスというのがあり、さらにその旧型車両が園内の休憩所として活用されているということなので、見に行ってみることにしました。
廃車体なので、別のコーナーの方が相応しいのかもしれませんが、園内の特殊車両ということで、古バス民族学のカテゴリーに入れさせていただきます。
ライオン号(9201号)休憩所
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
いすゞU-NKR58L(1992年式)
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
1992〜2000年の間、園内の「シルバーシャトル」として使用されていたレトロ調バス。2tトラックのいすゞエルフをベースとして東京特殊車体でボディを架装した電気バスです。丸形のモニタ屋根、ラッパ形のホーン、取り付け式のライト類など、装飾品にも工夫が凝らされています。
「アジア園」の動物慰霊碑付近に置かれています。
こちらはその車内です。木張りの前向き座席が残されており、後ろの方は横向き座席になっています。後ろの方は休憩所になるときに加工されたのだと思います。
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
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キリン号(9202号)休憩所
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
いすゞU-NKR58L(1992年式)
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
上の「ライオン号」9201号と同形車です。前面のウィンカーや後面のランプ形尾灯などが残されている点は、「ライオン号」より原形をとどめています。
こちらは、「アフリカ園」の旧類人猿舎前に置かれています。
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ライオン号(2001号)休憩所
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
日産KK-AKR66LAV(2000年式)
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
こちらは2代目の電気自動車で、2000〜2009年の間に使用されたもの。日産の2tトラックアトラスをベースに宇治オートで車体を架装したものです。(注1)
初代とはよく似てはいますが、二重屋根のモニタが角張っていて大きく、取り付け式ライトのダミー感が強い点が異なります。
これは、「アフリカ園」のチンパンジー舎前にあります。
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パンダ号(2003号)休憩所
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
日産KK-AKR66LAV(2000年式)
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
やはり2代目で上の2代目「ライオン号」と同形車。車内の管理表示によると「レッサーパンダ号」となっており、パンダと言ってもジャイアントパンダではありません。
こちらは「アフリカ園」のアフリカゾウ舎前にあります。
車号から考えて2002号もいたのだと思いますが、現存するのは初代、2代目ともに2台ずつでした。
こちらはその車内です。木張りの座席はみな内側に向くように並べ替えており、テーブルもあって、家族でお弁当を食べたりすることに使いやすいようになっています。
なお、これらの車両には、車内にボディ銘板が残されているほか、物品としての管理表示が取り付けられています。その管理表示を見ると、これら元シャトルバスの品名は標本だそうです。なるほど、その通りだと思います。
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
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(おまけ)現行車両
現行シャトルバス
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
日産シビリアン UD-DHW41改(2005年式)
現行のシャトルバスは日産シビリアンのロングボディです。公式サイトによると、2005年に導入されたCNG(圧縮天然ガス)車とのこと。後面に車いす用リフトを装備するハートフルサルーンです。
下半分に動物のデザインが施されており、この車両はシマウマのようです。
現行シャトルバス
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撮影:多摩動物公園(2018.8.21)
日産シビリアン UD-DHW41改(2005年式)
現行のシャトルバスのもう1台。こちらはヒョウでしょうか。
なお、あともう1台、トラのデザインのバスもあるようですが、この日は見かけませんでした。
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業務用車両
公園内の様々な業務で使用される軽自動車です。シマウマのデザインの車両が多いようですが、キリンぽいのもありました。
他にも、もっと黄色いキリン色の車も管理地内に見えましたので、用途によってカラーデザインが分かれているのかも知れません。
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