80年代のバス・・・そのあと
岩手県交通4(高速バス)
1980年代に花形新車として導入された高速バスが、中距離路線などに現役で活躍している写真です。いずれの車両も、同型車が本文に掲載されており、15年以上の月日を比較することが出来ます。もっとも、驚くほど“その頃”と変わらない元気な姿は、当時を知る者にとっては嬉しいばかりです。なお、解説文は撮影時点での状況に基づいています。
岩22か2062
撮影:岩手県交通ファン様(盛岡バスセンター 2003.6.22)
岩手県交通 いすゞK-CSA580(1984年式)
県交通で初めての高速バス専用車として新造された車両です。
現在では、湯本営業所に配属され、湯本温泉−盛岡間で使用されており、都落ちしても毎日盛岡まで顔を見せているようです。
国際興業貸切カラーは既に1回塗り直されているそうで、側面の社名文字がイタリック体に変わっています。
(注1)
岩22か2206
撮影:岩手県交通ファン様(盛岡駅 2003.6.22)
岩手県交通 いすゞP-LV219Q(1985年式)
「ヨーデル号」用に新造された高速車で、ハイデッカーⅤ型としては県交通初代の車両です。
都南で高速バスや早坂高原線に活躍した後、一時は一関に移ったこともあったようですが、現在は大船渡に所属し、盛岡−大船渡間の急行バスに使用中です。
岩22か2210
撮影:岩手県交通ファン様(一関営業所 2004.4.25)
岩手県交通 いすゞP-LV219S(1985年式)
1985年に貸切の新車として導入されたものの、高速バス「とわだこ」への参入に伴い1両だけ乗合に用途変更されたという過去を持つ1両。
特急バス一関−大船渡間に使用中の姿です。正面の「特急」の板や方向幕の形状など若干姿を変えたようではありますが、色は“その頃”のままのようで、特徴あるおでこの塗分けがそのままです。
岩22か2333
撮影:岩手県交通ファン様(盛岡バスセンター 2003.3)
岩手県交通 いすゞP-LV219Q(1986年式)
「ヨーデル号」増便に合わせて新造された高速車で、登場時からこの国際興業貸切カラーをまとっていました。
撮影時にも奇跡的に古巣の都南に残り、中距離路線に活躍中。写真は、雫石スキー場線に使用中の姿です。
見た目の老朽化は進行していず、新車時代となんら変わらない姿に安心を覚えます。もっとも側面方向幕は白幕で、手書きのサイド板を使用、都落ちを実感します。
岩22か2429 岩手県交通 いすゞP-LV219S(1987年式)
撮影:岩手県交通ファン様(小岩井農場 2005.5.1)
「あすなろ号」開通を前に4両を一挙に増備した高速車のうちの1両。現在では雫石営業所に転じ、中距離路線からローカル路線にまで活躍中。
正面の「ISUZU」のエンブレムが県交通のマークに変わり、後面の方向幕が撤去されているなど細かく見ると姿を変えているのが分かります。サイドの方向板を入れる枠は、この車両についてはスィングドアのところにつけられています。
2004年にボディ再生が実施され、外装が綺麗になりました。側面のローマ字社名がイタリック体に変わっています。
岩手22き76
撮影:岩手人様(北上営業所 2005.7.30)
岩手県交通 いすゞP-LV719R(1988年式)
岩手県交通最初の夜行高速バス専用車。1988年に盛岡−東京線用に新造された2両のうちの1両。
撮影者によると最後は花巻−池袋線に使用され、2006年現在で廃車となっているとのこと。
このスーパークルーザーというモデルは、角張った貸切車としては最後発だったせいもあり、国際興業グループなどいすゞメインの事業者以外ではなかなか販売が伸びませんでした。シンプルな造形は個人的には好きだったんですが、時代が変わってしまったものは仕方ありません。
岩手22き131
撮影:岩手県交通ファン様(盛岡バスセンター 2003.6.22)
岩手県交通 いすゞP-LV719R(1989年式)
私が去った後に「アーバン号」なども含めた昼行高速バス用に増備されたハイデッカー。これまでのハイデッカーⅤ型などの後継であるスーパークルーザーのバリエーションです。1987年にモデルチェンジされましたが、県交通での導入はこの年度が初めてでした。
写真は特急花巻空港線に使用中。側面のローマ字の社名がイタリック体になっていることから、1回塗り直しが行われたものと思われます。