その後の廃車体
岩手県北バス5(その他)
岩手県北バスの廃車体の中で、いすゞ車と三菱車をまとめます。“その頃”には日野と日産ディーゼルに絞られていた県北バスですが、過去には様々なメーカーが見られたようです。三菱車
廃車体

撮影:岩手県(2025.4.30)
岩手県北自動車 三菱R470

撮影:岩手県(2025.4.30)
前面に三菱のエンブレムがある以外は、分からないことが多い廃車体。
まず車体メーカーが不明。前面窓と水切りとの間のスペースが広く、側面最後部の窓の形状が独特です。一般的には1964年頃までのスタイル。その後に製造をやめたローカルメーカーでしょうか。
クリームとグレーのツートンカラーと、その下に赤い色が見えますが、いずれも廃車されてからの塗装と推察。その下からは、緑も青も見えますが、元事業者のカラーの決め手にはなりません。
中ドア右側のサボ受けと、それより後ろにある正方形に近い広告受けの形状から、岩手中央バスか岩手県北バスのどちらかだと思います。最終的には、現在地に近い事業者である県北バスと推察しておきます。
(情報提供:tawashicat様)
廃車体

撮影:53様(岩手県 2006.8.18)
岩手県北自動車 三菱R480

撮影:長谷川竜様(岩手県 2013.6.8)
珍しい県北バスの三菱車。呉羽車体の1960年代前半のボディです。前ドア車ですが方向幕に「宮古行」の文字が残り、側面行き先板入れがありますので路線バスです。
県北バスのカラーでバス窓というのはあまり見たことがないので、こういう塗り分けになるのかといういい記録です。
なお、型式は推定です。
廃車体

撮影:都南村民様(岩手県 2023.3.17)
岩手県北自動車 三菱MR490(1967年式)

撮影:都南村民様(岩手県 2023.3.17)
呉羽ボディの前ドア車。後ろは丸形ですが、ヘッドライトは4灯です。この組み合わせは1966〜67年の間の短期間の特徴。
岩手県内では、岩手中央バスが貸切バスとして購入後、岩手観光バスの分社とともに移籍した車両が確認できています。しかし、前ドア脇にサボ受けと「貸切」札を入れる小さな札受けが並んでいます。これは貸切バスには不要。
このサボ受けの組み合わせは岩手県北バスで見られることから、県北バスの可能性が濃厚との結論に至りました。
いすゞ車
廃車体

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)
岩手県北自動車 いすゞBA20N

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)
見慣れない県北バスのいすゞ車。ナローサイズなので、どこか狭隘路線用に導入されたのかもしれません。それでも前ドア車であるところが、県北バスのこだわりです。
後部周辺の特徴から、1969〜70年式と推定します。
面白いのは、側窓周辺の塗り分け。県北バスの「バス窓」車はスタンディーウィンドウ部分が赤ではなくクリーム色になりますが、この川崎車体のサッシ窓でも、上段部分がスタンディーウィンドウと同じ扱いになっています。後年、サッシ窓が標準となった時期の日野車体などの塗り分けとは異なります。