弘前−東京間夜行高速バス「ノクターン号」開通(1986.12.26)
白いバス
ノクターン号の1号車を見た時,ちょっと心もとないデザインだな,と正直思いました。白いボディに,カラフルだけれど細すぎるラインが交錯しているデザインは,お洒落だけれどバスとして受け入れられるものかどうか,ちょっとその時は判断できませんでした。ところが,「ノクターン号」の兄弟や親戚が全国に広がって行くのと同時に,白いバスも全国に一気に広がりました。高速バスのみならず,自社の観光バスデザインを白いバスに変えるところも増え,白いバスはトレンドになっていくのです。
弘南バスと京浜急行によるこの高速バスは、県庁所在地でもない1地方都市と東京とを結ぶ長大路線ということで、誰もがその成功に疑問を投げかけました。けれど、蓋を開けてみるとその人気は大変なもので、毎日のように続行便を運行する騒ぎになりました。
「ノクターン号」の成功を見て、全国各地の地方バス会社が、東京へあるいは大阪へ向けての夜行バス運行を目指すようになり、この後「高速バスブーム」と呼べる現象へとつながってゆくのです。
(なお,ノクターン号は岩手県とは直接関係ありません。ここで取り上げたのは,その原型が「ヨーデル号」にあること,高速バスブームを巻き起こし,岩手県にも夜行高速バス時代をもたらしたこと,そして路線の上では岩手県内にも免許を持っていることなどによります。)
その日の昼間
撮影:弘前バスターミナル(1986.12.26)
弘前バスターミナルには、ノクターン号開通を示した横断幕が掲げられています。
年末の帰省シーズン、バスターミナル乗り場には、「ヨーデル号」の岩手県北バスが2台止まっています。
出発式
撮影:弘前バスターミナル(1986.12.26)
第1便の発車に合わせて、夜の弘前バスターミナルで行われた出発式です。
当日は年末の帰省シーズンでもあり、2台のバスでの運行です。右が1号車の三菱車、左が2号車の日野車です。
撮影:弘前バスターミナル(1986.12.26)
出発式の後、第1便への乗車風景。初日から2台とも満席でした。
撮影:弘前バスターミナル(1986.12.26)
第1便が発車します。弘南バスの社員、バスガイドが左側に並んで手を振ってお見送りします。この高速バスに期待を込めている様子がわかります。
ノクターン号のファーストランナー達
弘南バス(日野車)
弘南バス(三菱車)
京浜急行
ノクターン号は弘南バスと京浜急行で交互往復します。つまり、両社とも毎日片道1本を運行しますので、最低でも1台ずつは車両が必要になります。これに予備車を考慮し、両社が2台ずつという体制でスタートしたようです。
弘南バスは日野車と三菱車、京浜急行は三菱車2台でした。カラーデザインは微妙に異なりますが、両社の三菱車1台ずつは同じデザインに揃えられていました。