秋田−東京間高速バス「フローラ号」開通(1988.2.17)
未開市場の開拓
秋田中央交通のお相手は小田急バス。長距離高速バスには初参入の会社です。これまで「帰省バス」など貸切免許で東北地方へ乗り入れるバス会社は多く見られましたが、路線バスでの乗り入れは新たなビジネスチャンス。これからも新しい顔ぶれが東北地方各地に増えてくる予感がしました。「ノクターン号」は東京への列車の便の悪い地方都市からの夜行高速バスが高い市場価値をもっていることを、全国のバス事業者へ見せつける結果となりました。
そういった面では、新幹線から乗り継ぎが必要な秋田市も同じ条件で、人口の多い県庁所在地だということで、より高い利用率が望めるのです。
新型車両のお披露目
撮影:秋田グランドホテル(1988.2.17)
運行開始を前に、一般の方に向けての車両のお披露目が行われました。
3列シート、トイレ付き、飲み物やビデオ、マルチステレオのサービス付など、「ノクターン号」以来定石となった装備をもっていますが、まだ一般の利用者にとっては縁遠い存在。このような展示会は、高速バス利用者を増やすきっかけになるに違いありません。
展示されたのは、2号車に使用されるいすゞ車でした。
撮影:秋田グランドホテル(1988.2.17)
3列独立シートの車内です。シート地は明るめの色、カーテンと床は「フローラ号」のイメージかローズピンクです。夜行バスということで、荷物棚も大きめになっているようです。
出発式
撮影:長崎屋バスターミナル(1988.2.17)
起点の長崎屋バスターミナルが出発式の場所です。
初日から2台の運行で、1号車の日野車(右)と2号車のいすゞ車(左)が並べられています。会場は1番乗りの乗客とマスコミ、出発式関係者でごった返しています。
「ノクターン号」のときと異なり、今回は私も初日便の予約をとることができました。
撮影:長崎屋バスターミナル(1988.2.17)
ガイドさんから運転手へ花束の贈呈です。
運転手は二人乗務なので、全部で4人います。
撮影:長崎屋バスターミナル(1988.2.17)
続いて関係者によるテープカットです。
今から思えば、1980年代のテープカットというのは、テープの両側は人が持っていたようです。
新宿到着
撮影:ホテルセンチュリーハイアット(1988.2.18)
長旅を終えて新宿に到着しました。
ホテルの玄関口に到着というのも、運行会社によっては当時多かった運行形態です。系列のホテルを持つ私鉄系バスの強みでもあります。
写真は私が乗車してきた1号車の日野車です。
撮影:ホテルセンチュリーハイアット(1988.2.18)
ホテルセンチュリーハイアットの前に置かれたバス停標識。リムジンバスのものと合わせて、おしゃれなデザインのものが置かれています。夜行高速バスがこれまでのバスと違うということを主張しているようです。