国鉄バスにボディサイン(1985.6.)
バスの愛称
列車の愛称と比べて、バスの愛称がなかなか定着しないのはどうしてなのでしょうか。そのひとつの理由が、せっかくの愛称がなかなか一般の目にとまりにくいということにあると思います。その点、岩手県交通で「うみねこライン」の車体に取り付けていた大きな看板は効果的でしたが、この国鉄バスのボディサインは、さらにデザインという要素も取り入れた秀逸なものでした。
残念なことに、「ヨーデル号」は車両の交替で、「竜泉号」はシーズン終了により、早めに姿を消してしまいました。
サイン付バス勢揃い(「白樺号」「竜泉号」「ヨーデル号」)
撮影:盛岡支所(1985.7.21)
白樺号
盛岡と久慈を結ぶ白樺号は、その名の通り白樺をデザイン。
コピーは「高原のルートランナー」。
撮影:盛岡支所(1985.7.2)
竜泉号
盛岡と岩泉を結ぶ竜泉号は、竜泉洞を見るカップルをデザインしています。
コピーは「楽しさはこぶベストウェイ」。
撮影:盛岡支所(1985.7.2)
ヨーデル号
ヨーデル号は、アルペンホルンを吹く少年と山(岩木山?)をデザインしています。
コピーは「盛岡−弘前直通ハイウェイバス」。
なお、「ヨーデル号」の愛称は、接続する東北新幹線「やまびこ」との共通イメージを狙ったとのことです。
撮影:盛岡支所(1985.7.21)
ボディサインを付けた車両
ヨーデル号
撮影:盛岡支所(1985.7.21)
ヨーデル号のサインが取り付けられていた車両はこの1台(647-4972)だけでした。1984年製の新しい車両でしたが標準床車なので、すぐに新車のハイデッカーにその座を譲り、このサインも外されてしまいました。
写真は非常口側から見たところで、サイドサインは右書きになっているのが分かります。
竜泉号
撮影:盛岡支所(1985.9.22)
竜泉号のサインが付けられていたのは、いすゞの数両です。もともとは早坂高原線の中の数本が急行運転する「竜泉号」という位置づけだったようですが、このボディサインで全便まとめて「竜泉号」という解釈になりました。
この車両はこれから「急行竜泉号」のダイヤに入るようで、正面に急行を示す板も入れています。
白樺号
撮影:盛岡支所(1986.5.29)
白樺号のサインを取り付けた車両は多く見かけました。主力となるのはこの日野車でした。車両の入換がなかったせいもあり、1年以上マーク付のまま運行されていました。中には側面だけマーク付の車両もありました。
定期観光バスにもボディサイン
リアス観光号
久慈〜竜泉洞〜普代と三陸沿岸を巡る定期観光バス「リアス観光号」には、側面いっぱいにサインが張られました。
国鉄バスカラーの紺色をベースにしながら、大胆に黄色を使い、ウミネコや気球、ヨット、波をデザインしました。
コピーは、「眺望エキサイティング」。
撮影:岩泉営業所(1985.8.21)